CANNE 2016

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2016年度カンヌ映画祭の私的星取り表と(知っている限りの)日本公開情報です。

公式コンペティション部門は、既に言われているように、有名監督の作品が並んだものの、までのキャリアに較べると並の出来の作品が多く、『Toni Erdman』や『Aquarias』などニューカマーの作品が好評を得たものの、賞を逃すという結果になり、受賞結果には大きな疑問を残しました。

ある視点部門は作品ごとのクオリティーにあまりにも開きがあり、セレクションに問題があるのでは?と感じたほど。
監督週間部門は現ディレクターの冒険のない予定調和路線がそのまま継続されていて、個人的には刺激のある作品が少な過ぎて退屈なのですが、一般客を含め、このセレクションを評価する向きも多いそうなので、この方向性でそのまま進みそうです。(今年もカメラドールを取りましたし…)
初長編もしくは2本目の作品が対象にも関わらず、野心のある完成度の高い作品が並んだ批評家週間部門の方が面白いセレクションになっていました。

日本公開情報で「?」マークがついているのは、メジャーが日本の権利も取得してしまったので、実際に公開されるか分らない作品です。

公式セレクションの受賞結果:http://www.festival-cannes.com/en/palmares/all-awards

コンペティション部門

『Toni Erdman』マーレン・アーデ監督(ドイツ)★★★(日本公開)
『Julieta』ペドロ・アルモドバル監督(スペイン)★★★(日本公開)
『American Honey』アンドレア・アーノルド監督(イギリス)★★★★(日本公開?)
『Personal Shopper』オリヴィエ・アサイアス監督(フランス)★(日本公開)
『La Fille Inconnue』ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督(ベルギー)★★★(日本公開)
『It’s Only the End of the World』グザヴィエ・ドラン監督(カナダ)★★★(日本公開)
『Slack Bay』ブリュノ・デュモン監督(フランス)★
『Mal de Pierre』ニコル・ガルシア監督(フランス)(日本公開)
『Rester Vertical』アラン・ギロディー監督(フランス)★★★★
『Paterson』ジム・ジャームッシュ監督(アメリカ)★★★★★(日本公開)
『Aquarias』Kleber Filho Mendonca監督(ブラジル)★★★★
『I, Daniel Blake』ケン・ローチ監督(イギリス)★★★★(日本公開)
『Ma’ Rosa』ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)★★★
『Bacalaureat』クリスチャン・ムンジウ監督(ルーマニア)★★★(日本公開)
『Loving』ジェフ・ニコルズ監督(アメリカ)未見(日本公開)
『The Handmaiden』パク・チャヌク監督(韓国)★★(日本公開)
『The Last Face』ショーン・ペン監督(アメリカ)X(日本公開)
『Sieranevada』クリスティ・プイユ監督(ルーマニア)★★★
『Elle』ポール・ヴァーホーヴェン監督(オランダ) ★★★★(日本公開)
『The Neon Demon』ニコラス・ウェンディン・レフン監督(デンマーク)★★★(日本公開)
『The Salesman』アスカー・ファルハディ監督(イラン)★★★

アウト・オブ・コンペティション部門

オープニング作品:
『Cafe Society』ウディ・アレン監督(アメリカ) ★(日本公開)

『Money Monster』ジョディ・フォスター監督(アメリカ)★★(日本公開)
『Goksung』ナ・ホンジン監督(韓国)(日本公開)
『The BFG』スティーヴン・スピルバーグ監督(アメリカ)未見(日本公開)

ミッドナイト・スクリーニング

『Gimme Danger』ジム・ジャームッシュ監督(アメリカ)★★★★(日本公開)
『Train to Busan』ヨン・サンホ監督(韓国)
『Blood Father』ジャン=フランソワ・リシェ監督(フランス)未見

スペシャル・スクリーニング

『The Last Resort』タノス・アノストプロス監督、ダビデ・デルデガン監督(ギリシャ/イタリア)未見
『Hissein Habre, a Chadian Tragedy』マハマト=サレ・ハルーン監督(チャド)未見
『Exil』リティ・パニュ監督(カンボジア)未見
『Last Days of Louis XIV』アルベール・セラ監督(スペイン)★★★★★
『Le Cancre』ポール・ヴェッキアリ監督(フランス)★★★★
『Wrong Elements』ジョナサン・リッテル監督(アメリカ)未見
『La foret de quiconces』グレゴワール・ルプランス=ランゲ監督(フランス)X
『Chouf』カリム・ドリディ監督(フランス/チュニジア)未見

ある視点部門

『淵に立つ』深田晃司監督(日本)★★★★(日本公開)
『海よりもまだ深く』是枝裕和監督(日本)未見(日本公開)
『Beyond the Mountains and Hills』エラン・コリリン監督(イスラエル)★★
『Inversion』ベーナム・ベーザディ監督(イラン)★
『Apprentice』ブー・ユンファン監督(シンガポール)★★
『The Stopover』デルフィーヌ&ミュリエル・クラン監督(フランス)★★★
『Clash』モハメド・ディアブ監督(エジプト)★★★
『Pericle il nero』ステファノ・モルディーニ 監督(イタリア)未見
『Captain Fantastic』マット・ロス監督(アメリカ)★★★★(日本公開)
『The Student』キリル・セレブレニコフ監督(ロシア) ★★
『Hell or High Water』デヴィッド・マッケンジー監督(イギリス)
『Red Turtle』マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督 (オランダ)(日本公開)
『The Dancer』ステファニー・ディ・ジュスト監督(フランス)★★★(日本公開)
『Personal Affairs』Maha HAJ監督(イスラエル)★★
『The Happiest day in the life of Olli Maki』Juho KUOSMANEN 監督(フィンランド) ★★
『Francisco Sanctis’s Long Night』Francisco MARQUEZ, Andrea TESTA監督 (アルゼンチン)★★★
『Dogs』Bogdan MIRICA監督 (ルーマニア) ★★★
『The Transfiguration』Michael O’SHEA監督 (アメリカ)★★★★

監督週間部門

『Sweet Dreams』マルコ・ベロッキオ監督(イタリア)★★
『Dog Eat Dog』ポール・シュレーダー監督(アメリカ)★★★
『The Aquatic Effect』ソルヴェイグ・アンスパッシュ監督(フランス)★★
『Les Vies de Therese』セバスチャン・リフシッツ監督(フランス)★★★★
『Tour de France』ラシッド・ジャイダニ監督(フランス)★★
『Mercenaire』サッシャ・ヴォルフ監督(フランス)★★
『Divines』ウーダ・ベンヤミナ監督(フランス)(日本公開?)
『L’Economie du couple』ジョアキム・ラフォス監督(ベルギー)★★★
『My Life as a Zucchini』クロード・バラス監督(スイス)★★★★(日本公開)
『Like Crazy』パオロ・ヴィルズィ監督(イタリア)★★★
『Fiore』クラウディオ・ジョヴァンネージ監督(イタリア)★★
『Wolf and Sheep』シャールバヌー・サダット監督(アフガニスタン)★★★★
『Risk』ローラ・ポアトラス監督(アメリカ)★★★★
『Two Lovers and a Bear』キム・グエン監督(カナダ)★★
『Mean Dreams』ネイサン・モルランド監督(カナダ)★★
『Endless Poetry』アレハンドロ・ホドロフスキー監督(チリ)★★(日本公開)
『Neruda』パブロ・ラライン監督(チリ)★★★★(日本公開)
『Raman Raghav 2.0』アヌラーグ・カシュヤプ監督(インド)未見

批評家週間部門

『Album』Mehmet Can Mertoglu監督(トルコ)★★★
『Diamond Island』ダヴィ・チュウ監督(カンボジア・フランス)★★★
『Raw』ジュリア・デュクルノー監督(フランス)★★★★(日本公開?)
『Mimosas』オリヴィエ・ラックス監督(スペイン)★★★★
『One Week and a Day』アサフ・ポロンスキー監督(イスラエル)★★
『Tramontaine』Vatche Boulghourjian監督(レバノン)★★★
『A Yellow Bird』K. Rajagopal監督(シンガポール)★★★

特別上映
オープニング作品:
『In Bed With Victoria』ジュスティーヌ・トリエ監督(フランス)★★
クロージング作品:
『Smile』サンドリーヌ・キベルラン監督(フランス)★★
『En Moi』レティシア・カスタ監督(フランス)★★
『Kitty』クロエ・セヴィニー監督(アメリカ)★★
『Apnée』ジャン=クリストフ・ムーリス監督(フランス)★★★★
『Happy Times Will Comme Soon』アレッサンドロ・コモダン監督(イタリア)★★★★★
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# by berceau-du-cinema | 2016-06-30 18:41 | CINEMA/FESTIVAL | Trackback | Comments(0)

CESARS 2016!

2016年度のセザール賞が発表になりました。
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今年はグザヴィエ・ジャノリ監督の『偉大なるマルグリット』とアルノー・デプレシャン監督の『あの頃エッフェル塔の下で』が最多の11部門に、続いて『ディーパンの闘い』と『裸足の季節』が9部門にノミネートされていました。作品賞はヴェネチア映画祭に出品された『偉大なるマルグリット』以外は全てカンヌ映画祭の作品となり、小さな論争に。

最優秀作品賞を授賞したフィリップ・フォーコン監督は日本での知名度はありませんが、レオス・カラックス監督の『汚れた血』のスタッフとして映画界に入り、1990年の"Amour"以来、マージナルな女性たちやフランスのアラブ人社会の問題を丁寧に、そしてひたむきに描き続けてきました。この賞はそのキャリアへの賞だと思えます。また最優秀初長編作品賞はオスカーのフランス代表作品としてオスカーの外国語映画賞にノミネートされている『裸足の季節』に。今年はアラブ人女性の立場を描いた作品2本が評価を得る結果となりました。

今年の授賞式で最も感動を呼んだのは、日本でも公開される“La Tête haute”で有望男優賞を授賞したロッド・パロド君のスピーチ。助演男優賞のブノワ・マジメルと共にダブル受賞したのも嬉しいニュースです。

受賞結果(発表順になっています):

有望女優賞 
ジタ・ハンロ(Zita Hanrot) “Fatima”

短編賞
“La contre-allée ” (セシル・デュクロック監督)

衣装賞
ピエール=ジャン・ラロック『偉大なるマルグリット』

有望男優賞
ロッド・パラド “La Tête haute”

短編アニメーション賞
『サンデー・ランチ』“Le Repas Dominical”(Céline Devaux監督)

長編アニメーション賞
『リトルプリンス 星の王子さまと私』(マーク・オズボーン監督)

録音賞
フランソワ・ミュジー、ガブリエル・ハフナー『偉大なるマルグリット』

撮影賞
クリストフ・オーファンスタン “Valley of Love”

編集賞
マチルド・ヴァン・デ・ムールテル『裸足の季節』

ドキュメンタリー賞
“Demain”(シリル・ディオン&メラニー・ロラン監督)

初長編作品賞
『裸足の季節』(デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督)

美術賞
マルティン・クレル『偉大なるマルグリット』

助演女優賞
シセ・バベット・クヌッセン “L’Hermine”

脚色賞
フィリップ・フォーコン “Fatima”

オリジナル音楽賞
ウォーレン・エリス『裸足の季節』

助演男優賞
ブノワ・マジメル “La Tête haute”

セザール名誉賞
マイケル・ダグラス

オリジナル脚本賞
デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン、アリス・ウィノクール 『裸足の季節』

外国映画賞
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)

主演女優賞
カトリーヌ・フロ『偉大なるマルグリット』

監督賞
アルノー・デプレシャン『あの頃エッフェル塔の下で』

主演男優賞
ヴァンサン・ランドン “La Loi du marché”

作品賞
“Fatima”(フィリップ・フォーコン監督)
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# by berceau-du-cinema | 2016-02-26 23:16 | CINEMA/PRIX | Trackback | Comments(0)

2016 !

Wishing you a peaceful and beautiful new year.

Je vous souhaite une paisible et belle année.

健やかで佳き年になりますように。
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# by berceau-du-cinema | 2016-01-01 12:24 | ETC... | Trackback | Comments(0)

MES FILMS PRÉFÉRES 2015

2015年に見た、映画を見る至福を感じた作品です。

1年の3分の1を日本で過ごしたり、フランスにいる間も忙しくて時間が撮れなかったり、映画祭で見た作品のメモが手元にない(笑)など、本数的にはあまり見れなかったのですが、それでも素晴らしい作品を味わうことができました。
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"PASOLINI" アベル・フェラーラ監督
『岸辺の歌』 黒沢清監督
『光りの墓』アピチャートポン・ウィーラセータクン監督
『黒衣の刺客』侯孝賢監督
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ジョージ・ミラー監督
『アラビアン・ナイト』ミゲル・ゴメス監督
『私の血に流れる血』マルコ・ベロッキオ監督
"THE GRIEF OF OTHERS" パトリック・ウォン監督
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『ミッション・インポッシブル』シリーズと『007』シリーズの新作も公開されるハッピーな年でした(個人的にはシリーズの中ではベストではなかったのですが…)

旧作:

"LE COUSIN JULES" Dominique Benicheti監督
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"IL PIANETA AZZURRO" Franco Piavoli監督
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"VOCI NEL TEMPO" Franco Piavoli監督
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"OUT 1 NOLI ME TANGERE" ジャック・リヴェット監督
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特集:
フィリップ・フォーコン監督@シネマテーク・フランセーズ
ラヴ・ディアズ監督@ジュ・ド・ポーム

そしてもちろん、この作品も。

"L'OMBRE DES FEMMES" フィリップ・ガレル監督
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来年も心が揺さぶられるような作品に出会えますように。
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# by berceau-du-cinema | 2015-12-31 23:29 | CINEMA/ETC. | Trackback | Comments(0)

『7月14日の娘』のキャスト&スタッフが南米のジャングルへ

2014年の「第17回カイエ・デュ・シネマ週間」で上映された『7月14日の娘』のアントナン・ペレジャトコ監督が今夏、南米で新作"La Loi de la jungle(ジャングルの掟)"の撮影を敢行しました。

前作同様、ヴァンサン・マケーニュとヴィマラ・ポンスが共演する今作は、何と政治コメディ映画。規範省(?)でインターンをするマルクはアマゾニア初のスキー場の建設の任務で仏領ギアナに送られます。そこでフランス林業公社でインターンをする美しい娘ターザンに出会いますが、二人はジャングルの中で迷子になってしまう、という物語です。
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共演者にはマチュー・アマルリックやジャン・リュック・ビドーの名前も入っています。撮影はパリ近郊とイギリスでも行なわれた模様です。脚本には『カミーユ、恋はふたたび』のモード・アメリーヌも参加しています。

ペレジャトコ監督はフランスの国立映画学校ルイ・リュミエールを1999年に卒業。2005年に発表した短編"French Kiss"は同年のジャン・ヴィゴ賞にもノミネートされました。その他、ジャック・オディアール監督の『預言者』と『君の歩く世界』のメイキング・オフを監督した後に『7月14日…』で長編デビューを飾っています。

ヴァンサン・マケーニュは既に『女っけなし』や『2つの秋、3つの冬』などが日本でも公開されていますが、ヴィマラ・ポンスも今、大注目の若手女優の一人。脇役ですがジャック・リヴェット監督の『小さな山のまわりで(ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー)』やアラン・レネ監督の『あなたはまだ何も見ていない』に出演した後、クリストフ・オノレ、ブリュノ・ポダリデス、フィリップ・ガレルらの作品にも登場。スーパーヒーロー並のある能力を持った男性に恋するトマ・サルヴァドーリ監督の"Vincent n'a pas d'ecailles(ヴァンサンには鱗がない)"や、同情心から売春をしてしまうハンナ・ベルカセム監督の"Je suis à vous tout de suite(すぐにあなたのものに)"でも好評でした。
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# by berceau-du-cinema | 2015-12-16 23:12 | CINEMA/PROJET | Trackback | Comments(0)