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MES FILMS PRÉFÉRES 2023

2023年は映画祭への現地参加に力を入れた年になりました。久々となったベルリンを筆頭にカンヌとヴェネチアの三大映画祭、数年通っているロッテルダムとロカルノ、サン・セバスチャン、それに加え、マラガとカルロヴィ・ヴァリへ。これにパリで参加した映画祭を含めると、かなりの本数を鑑賞しました。しかし10月以降はパリでの仕事が忙しくなり、3ヶ月間に60本足らずしか見れない事態に。最終的には600本近く見ましたが、前半はオーバードーズ状態できちんと覚えていない作品が多く、後半は見逃してしまった作品も。これを踏まえて、作品に敬意を捧げることに前提に、2024年は自身の映画の見方や関わり方を考え直す年にしたいと思っています。


(注:鑑賞順)


*ワクワクしながら見た、お気に入りの作品。

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ミュージック

Here

Notre corps(ドキュメンタリー)

Orlando, ma biographie politique(ドキュメンタリー)

Grand Paris

枯れ葉

Linda veut du poulet!(アニメーション)

世界の終わりにはあまり期待しないで

Voyages en Italie

Les Rayons gamma

ロボット・ドリームズ(アニメーション)

オオカミの家(アニメーション)

ソルトバーン

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*良かった作品

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Disco Boy

パスト ライブス/再会

Geographies of Solitude

Voyage au lac

SONOMA (Le film, pas le spectacle)

開拓者たち

Eureka (注:リサンドロ・アロンゾ監督)

黒衣人

ゴールドマン裁判

Le Syndrome des Amours Passées

Chien de la casse

小さき麦の花

Yannick

Camping du Lac

哀れなるものたち

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*好きだった日本映画


世界

すべての夜を思い出す

石がある

逃げきれた夢

悪は存在しない

ほかげ

大いなる不在

GIFT


*特別賞


ラファエル・クナール

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フランス映画界はラファエル・クナールの登場に沸き立った年と言えるでしょう。

既に脇役では何本かの作品に出ていたのですが、静かなロングランヒットをしたChien de la casseと笑いの裏に社会性を隠した密室劇”Yannick”で、全く違うタイプの演技で高い注目を浴びました。セザール賞では新人扱いになってしまうと思いますが、これからが楽しみというより、もう既に目の離せない俳優に。

自分は最初にベルナール・メネズを現代的にしたような俳優かな、と思いましたが、それとも少し違うような。早速、ディオール・オムのアイコンにも選ばれています。

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# by berceau-du-cinema | 2023-12-31 23:59 | CINEMA/ETC. | Comments(0)

カンヌ映画祭2023 星取り表

コンペティション:


HOMECOMING (カトリーヌ・コルシーニ) ★★

YOUTH(ワン・ビン)★★★

ABOUT DRY GRASSES (ヌリ・ビルゲ・ジェイラン)★★

FOUR DAUGHTERS カウテール・ベン・ハニア

BANEL E ADAMA AMATA-TOULAYE SY★★

MAY DECEMBER (トッド・ヘインズ)★★★★

FALLEN LEAVES(アキ・カウリスマキ)★★★★

CLUB ZERO(ジェシカ・ハウスナー)★★

KIDNAPPED(マルコ・ベロッキオ)★★★★

THE POT-AU-FEU(トラン・アン・ユン)★★

A BRIGHTER TOMORROW (ナンニ・モレッティ)

PERFECT DAYS (ヴィム・ヴェンダース) ★★

LAST SUMMER(カトリーヌ・ブレイア)★★★

LA CHIMERA(アリーチェ・ロルヴァケル)★★★

『怪物』 (是枝裕和) ★★★

ANATOMY OF A FALL(ジュスティーヌ・トリエ) ★★★★

THE ZONE OF INTEREST (ジョナサン・グレイザー) ★★★

BLACK FLIES (ジャン=ステファン・ソヴェール)★★★

FIREBRANDカリム・アイノズ★★★

ASTEROID CITY(ウェス・アンダーソン)

THE OLD OAK (ケン・ローチ)★★★★


ある視点:


Le Règne Animal Thomas Cailley 未見
Los delincuentes Rodrigo Moreno ★★★★
How to Have Sex
Molly Manning Walker ★★
Goodbye Julia
Mohamed Kordofani) ★★
The Buriti Flower
João Salaviza, Renée Nader Messora ★★★
Simple comme Sylvain モニア・ショクリ 未見
The Mother of All Lies (Asmae El Moudir) ★★
Los colonos -
Felipe Gálvez★★★★
Augure -
Baloji Tshiani ★★
The Breaking Ice -
(アンソニー・チェン)★★★
Rosalie ステファニー・ディ・ジュースト★★★
The New Boy
Warwick Thornton ★★
If Only I Could Hibernate
ゾルジャルガル・プレブダシ★★
Hopeless
(キム・チャンフン)★★
Terrestrial Verses
Ali Asgari & Alireza Khatami 未見
Rien à perdre
Delphine Deloget★★★
Les Meutes
Kamal Lazraq 未見


カンヌ・プレミア:


『首』(北野武)★★★

BONNARD, PIERRE ET MARTHE

CERRAR LOS OJOS (ビクトール・エリセ) ★★

LE TEMPS D'AIMERカテル・キレヴェレ ★★★

EUREKA (リサンドロ・アロンソ) ★★★★

PERDIDOS EN LA NOCHEアマト・エスカランテ ★★

L'AMOUR ET LES FORÊTSヴァレリー・ドンゼッリ ★★


特別上映:


MAN IN BLACK(ワン・ビン) ★★★

OCCUPIED CITY(スティーブ・マックイーン)★★★★

ANSELM (DAS RAUSCHEN DER ZEIT) ヴィム・ヴェンダース

RETRATOS FANTASMASクレーベル・メンドンサ・フィリョ★★★


監督週間:


LE PROCÈS GOLDMAN (セドリック・カーン)★★★★

AGRA Kanu Behl
L’AUTRE LAURENS
Claude Schmitz

BÊN TRONG VỎ KÉN VÀNG Thien An Pham★★★★

BLACKBIRD BLACKBIRD BLACKBERRY Elene Naveriani★★★

CONANN(ベルトラン・マンディコ)
CREATURA
Elena Martín Gimeno ★★

DÉSERTS Faouzi Bensaïdi 未見

IN FLAMES Zarrar Kahn ★★

LÉGUA Filipa Reis & João Miller Guerra ★★★

LE LIVRE DES SOLUTIONS (ミシェル・ゴンドリー)未見

MAMBAR PIERRETTE Rosine Mbakam ★★★

RIDDLE OF FIRE Weston Razooli ★★★

THE FEELING THAT THE TIME FOR DOING SOMETHING HAS PASSED Joanna Arnow★★★

THE SWEET EAST Sean Price Williams ★★
UN PRINCE
Pierre Creton ★★★
XIAO BAI CHUAN
Zihan Geng★★

WOO-RI-UI-HA-RU(ホン・サンス)未見


批評家週間:


Il pleut dans la maisonPaloma Sermon-Daï ★★★

Inshallah WaladAmjad Al Rasheed★★★

SleepJason Yu) 未見

LevanteLillah Halla ★★

Lost Country Vladimir Perišić★★★

Le Ravissement Iris Kaltenbäck未見

Tiger StripesAmanda Nell Eu ★★

Ama GloriaMarie Amachoukeli ★★★

Vincent doit mourirStephan Castang ★★

Le syndrome des amours passéesAnn SirotRaphaël Balboni ★★★

La fille de son pèreErwan Le Duc ★★★


ACID


Caiti Blues Justine Harbonnier) ★★★
『逃げきれた夢』(二ノ宮隆太郎) ★★★
État limite Nicolas Peduzzi ★★★
In the Rearview Maciek Hamela ★★
Laissez-moi Maxime Rappaz ★★
Linda veut du poulet Chiara Malta セバスチャン・ローデンバック ★★★★
Machtat Sonia Ben Slam ★★★
La mer et ses vagues Liana & Renaud 未見

Nome Sana Na N’hada ★★★


# by berceau-du-cinema | 2023-06-25 23:40 | Comments(0)

二転三転してカンヌのコンペ入りを果たした、カトリーヌ・コルシニ監督の話題作”Le Retour”

”Le Retour(帰還)”(2022年 フランス

監督:カトリーヌ・コルシニ

出演:Aïssatou Diallo Sagna, Esther Gohourou、Suzy Bemba、ヴィルジニー・ルドワイヤン、ドゥニ・ポダリデス


シノプシス:パリの裕福な家庭で働くケディジャは、ひと夏の間、コルシカ島で子供たちの世話をすることになる。しかし彼女には15年前に悲劇的な状況でこの島から去った過去があり、この島に戻ることは娘のジェシカとファラに再会することを意味していた。ケディジャが記憶と闘っている間、思春期の二人の娘は初めての恋を体験し、誘惑的な夏を楽しんでいた。そして二人にとっては隠されていた自分たちの歴史を発見する機会となる。


2年前の”La Fracture”に続くカンヌ映画祭のコンペ入りとなりましたが、実は今作は記者会見発表前日にセレクション決定の連絡を監督にしていながら、翌日、つまり記者会見当日の朝にペンディングにするという報告を受けてしまっていました。その理由は今作の撮影中に不適切な行為、つまり複数のハラスメントがあったとの告発があったからでした。しかし最終的にコンペティション選出が発表され、プロデューサーと監督は直後に声明を発表。この騒ぎは匿名の中傷メールが発端であり、唯一の問題は15歳未満の未成年者の性の目覚めを表現したシーンを撮影中に追加し、それが定めたれた機関に未申告であったことを認めました。そして当該の女優も監督が代役かインティシマシーコーディネイターの介入を提案してきたが、断ったのは自分達だと証言しました。

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# by berceau-du-cinema | 2023-05-06 08:45 | CINEMA/FILM | Comments(0)

カトリーヌ・ブレイア監督の久々の新作”L’Été dernier”はデンマーク映画のリメイク

”L’Été dernier(去年の夏)” (2023年 104分/フランス)

監督:カトリーヌ・ブレイア

出演:レア・・ドリュッケール、サミュエル・キルシェ、オリヴィエ・ラブルダン


シノプシス:有名な弁護士であるアンヌは、新しいパートナーの17歳の連れ子のテオと出会い、彼と関係を持ってしまう。このことでアンヌのキャリアが危ぶまれ、家族を失う危険を冒すことになるが、彼女は関係を続ける。しかし時が経つにつれ、二人の関係は破壊的なものとなり、テオは徐々に非常に気難しくなっていく。

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カンヌ映画祭だけではなく、ベルリンやヴェネチア、ロカルノ映画祭の常連でもあるカトリーヌ・ブレイア監督。脳卒中とその後遺症で9年ぶりとなってしまった長編15作目は、マイ・エル=トーキー監督、トリーヌ・ディホルム出演のデンマーク映画『罪と女王』のリメイク。脚本は元カイエ・デュ・シネマ誌の批評家で映画監督のパスカル・ボニツェールと共同執筆されています。当初はヴァレリア・ブルーニ・テデスキが主役を演じる予定でしたが降板してレア・ドリュッケールに。また義理の息子テオ役を演じるサミュエル・キルシェは女優イレーヌ・ジャコブの息子ですが、実は当初は兄のポールが出演する予定だったのですが、製作資金集めが難航して撮影開始が遅れたために年齢的に合わなくなり、ポール自身が弟のサミュエルを勧めたそうです・これが初の映画出演になります。撮影はセザール賞の受賞経験が三度あり、やはりコンペに選出されたカトリーヌ・コルシニ監督の”Le Retour”も担当している女性撮影監督のジャンヌ・ラポワリーです。ブレイア監督はカラヴァッジオのコントラストと最後にはラファエロの柔らかさをジャンヌ・ラポワリーに要求したとインタビューで語っています。


# by berceau-du-cinema | 2023-05-06 08:00 | CINEMA/FILM | Comments(0)

公私ともにパートナーである監督二人が書き上げた犯罪スリラー”Anatomie d'une chute”

Anatomie d'une chute(転落の解剖)”(2023年 150分/フランス)

監督 :ジュスティーヌ・トリエ

出演:ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルノー、

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シノプシス:犯罪スリラー。ドイツ人の女性作家のサンドラと夫のサミュエル、11歳の視覚障害者の息子ダニエルとともに、1年間、山奥で暮らしていたが、ある日、サミュエルが山小屋の前で死んでいるのが発見される。自殺か他殺かの判断は難しく、不審死として捜査が開始される。やがてサンドラが起訴され、その1年後にダニエルは母の裁判の「目の見えない」目撃者として証言台に立ち、モラルというジレンマに対峙する。

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パリ国立高等美術学校の卒業生。2013年に発表した初長編の“La Bataille de Solférino”でACID部門に初登場して以来、2016年の”Victoria”は批評家週間の開幕上映、2019年の『愛欲のセラピー』はコンペティションとカンヌで着実にレベルアップをしてきました。脚本はパートナーであるアルチュール・アラリ監督とコロナ禍のロックダウン中に執筆、撮影は2022年春にサヴォワ地方のモーリエンヌ渓谷やグルノーブルで撮影されました。夫婦という関係を解剖するような犯罪スリラーだけに、公私ともにパートナーである二人がどのような物語を書き上げたのかに期待が高まります。また主演のザンドラ・ヒューラー『ありがとう、トニ・エルドマン』(16)で国際的に知られるようになりましたが、近年はフランス映画にも出演するようになりましたが、今年のカンヌでは2本の作品がコンペ入りという快挙を成し遂げています。


# by berceau-du-cinema | 2023-05-06 07:15 | CINEMA/FILM | Comments(0)