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カンヌ映画祭/招待作品 その他の作品

招待作品に2本の追加が入りました。1本は審査委員のイ・チャンドンが製作参加している韓国映画”Yeohaengja(英語タイトル:A Brand New Life )”。またウォルター・サレス製作のブラジル映画でエドゥアルド・ヴァレンテ監督の”No meu lugar"(英語タイトル:Eye of the Storm)”は、カンヌ映画祭のインターシップ制度で2005年にフランスで脚本執筆された作品です。

それでは招待作品を紹介。

"Mon voisin mon tueur(直訳:私の隣人、私の殺人者)" アンヌ・アギオン監督(アメリカ)
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シノプシス:1994年、フツ族によるツチ族の虐殺はルワンダを身体的、精神的にも非常に不安定にした。ガカカ法廷は国を再建するためにツチ族とフツ族の和解を任務としている。この平和へのプロセスを9年に渡って追ったドキュメンタリー。
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ルワンダ問題を追い続けている女性監督アンヌ・アギオンは2004年の“In Rwanda We Say... The Family That Does Not Speak Dies”でエミー賞、2006年の“ Gacaca, Living Together Again in Rwanda? ”でユネスコのフェデリコ・フェリーニ賞を受賞しています。監督の公式サイト:http://www.anneaghionfilms.com/

"Manila" ラヤ・マーティン&アドルフォ・アリックス・ジュニア監督(フィリピン)

出演:Piolo Pascual, Jon Avila, Aleck Bovick
「昼」と「夜」の二つのパートに分かれた作品。「昼」:市長の息子のボディガードとして働くフィリップは自分のボスが自分を家族のように扱ってくれていると信じている。しかしある事故の後、彼は身を隠さなくてはいけなくなる。「夜」:ドラッグ中毒のウィリアムは自分自身を立て直し、周りの人々と新たにコンタクトを取ろうと試みる。
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フィリッピンの人気歌手で俳優のPiolo Pascualが主演。フィリピン映画を代表する監督リノ・ブロッカの“Jaguar”(1979年)とイシュマエル・ベルナー監督の““Manila By Night”(1980年)に捧げられた作品。マニラという街とそこに住む人々を描いた作品は「昼」のパートをアドルフォ・アリックス・ジュニア監督が、「夜」のパートをラヤ・マーティン監督が担当しています。

”Min ye” スレイマン・シセ監督(マリ)

シノプシス:マリ社会に今なお根付く風習、一夫多妻制の抱える問題に対峙することになるブルジョワ家族の物語。バマコに住む映画監督である夫にはONGで働く妻がいるが、快適さと順応主義的な考えから一夫多妻制をとることに。二人目の妻が彼の「お気に入り」になるが、次第に彼女はこの結婚によって得た身分から好き勝手に振る舞い出し、馬鹿正直な夫は幻滅させられる。

マリ出身のスレイマン・シセ監督がカンヌ映画祭の審査委員賞を受賞した1987年の『ひかり』から12年ぶりに帰ってきました。6本めの長編にあたる本作は風刺喜劇。監督にとって最も私的な作品だそうです。

”L'épine dans le coeur(直訳:心に刺さった刺)”ミシェル・ゴンドリー監督(フランス)

出演:シュゼット・ゴンドリー、ジャン=イブ・ゴンドリー。
シノプシス:ドキュメンタリー。1952年から1986年まで、シュゼットはセヴェンヌの小学校で教師を続けてきた。甥であるミシェル・ゴンドリー監督がのカメラの前で、彼女は日々起こった出来事を語り、ゴンドリー監督は知らなかった家族の現実を発見する。

このシノプシスを見て、誰もがピーンとくるのはユスターシュ監督の名作『ナンバーゼロ』ですね!しかしゴンドリー監督のこと、彼らしい「別の」作品に仕上げてくれているでしょう!カンヌで楽しみな1本!

”Petition” Zhao LIANG監督(中国)

詳しい内容がわからないのですが、中国人たちによって世界各地で行われている請願書の署名運動のことを描いたドキュメンタリーのようです。

"Jaffa" Keren Yedaya監督(イスラエル/フランス/ドイツ)
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出演:ロニ・エルカベッツ、ダナ・イヴギ、モニ・モシュノフ
シノプシス:テルアビブからほど遠くないジャファの街。ユダヤ人のマリの父親は自動車修理工場を営んでおり、アラブ人のハッサンと息子のToufikを雇っている。ユダヤ人の雇い主とアラブ人の従業員の関係は一見うまくいっているようだったが…マリとToufikは数年前から恋人関係であることをお互いの家族に隠していた。しかしマリが予定外の妊娠をしてしまい、二人は関係を明らかにすることを決意する。
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2004年に批評家週間に出品され、カメラドールを獲得した“OR (MON TRESOR)”(直訳: 私の宝物)のKeren Yedaya監督の最新作。フランス公開は6月10日です。

"Panique au village" ヴァンサン・パタール&ステファン・オビエ監督(ベルギー)
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声の出演:ブノワ・プールボルド、ブーリ・ラナー、ジャンヌ・バリバール
シノプシス:大災害が大好きなCo-Boyとインディアン。彼らが計画を思いついた途端に、箱からカオスが飛び出してくる。今回は馬の誕生日を祝うことに。プレゼントは?バーベキューをしよう!いいアイデアだが、計画は失敗。彼らは間違えてレンガを注文してしまう。そして馬小屋は崩れてきたレンガで消えてしまった…馬にとって最悪の誕生日のスタートだ…
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TVで20エピソードが放送された人気パペット・アニの映画版。声の出演者、なかなか渋いです。さすがベルギー製作、普通の選択ではありません。フランス公開は10月予定。公式サイト:http://www.paniqueauvillage.com/

”Yeohaengja(英語タイトル:A Brand New Life )” ウニー・ルコント監督(韓国、フランス)

シノプシス:1970年代、韓国の孤児院。9歳の女の子の養子縁組が成立する。父親が彼女が養女になることを希望してカトリックの孤児院に送った理由、父親との辛い別れ、そして養女になるまでの経緯を子供の視点を通して描く。
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1966年に韓国生まれたフランス国籍の女性監督のウニー・ルコントの子供時代の体験に基づいた作品。ルコント監督はオリヴィエ・アサヤス監督の1991年の作品『パリ・セヴェイユ』に出演しています。

"No meu lugar"(英語タイトル:Eye of the Storm)“ エドゥアルド・ヴァレンテ監督(ブラジル)
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出演:Marcio Vito、Dedina Bernardelli、Rafael Sil
シノプシス:ある事件とそれがもたらす影響を描いた悲劇。リオデジャネイロの中産階級の家で起きた人質事件で主人公の刑事は難しい決断を迫られる。
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批評や映画祭運営に携わる現在33歳のエドゥアルド・ヴァレンテ監督は初短編が2002年のカンヌ映画祭で学生の作品が対象のシネフォンダションで最高賞を受賞(マーティン・スコセッシ監督が審査委員長)、2003年には2作目が監督週間で上映、そして3作目が短編の公式コンペに選ばれており、これが満を期した長編デビューと言えるでしょう。

その他…

"Agora"アレハンドロ・アメナーバル監督(スペイン)
"The Imaginarium of Doctor Parnassus" テリー・ギリアム監督(カナダ/フランス)
”Drag me to Hell”サム・ライミ監督監督(アメリカ)
by berceau-du-cinema | 2009-05-05 20:45 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)
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