父親であるジャック・ドワイヨン監督の元で助監督を勤めた後、自身も監督デビューをしたローラ・ドワイヨン監督が、パリとアングレーム地方で行われた長編2作目にあたる”Sous son emprise(直訳:支配されて)”の撮影を終えようとしています。
物語は妻の死の責任を負わせるために有名な女性外科医を誘拐した男の物語。誘拐者と誘拐された者の間の心理的対決が繰り広げられる間に、二人の関係が曖昧なものになっていき、ストックホルム症候群のようなな結びつきが生まれてしまうドラマです。前作”Et toi, t’es sur qui ?(直訳:それで君は誰を狙ってるの?)”は思春期の少年少女たちが主人公だったので、雰囲気のがらっと変わった作品になりそうですね。
出演はクリスティン・スコット・トーマスとピオ・マルマイ。クリスティン・スコット・トーマスは日本でも公開予定の”Il y a longtemps que je t'aime(直訳:ずっと君を好き)”以来、彼女の演技力に適したとても良い役が回って来ています。現在公開中の"Partir(直訳:立ち去る)"でも裕福な夫と二人の子供に囲まれた恵まれた暮らしを捨てて、愛する男性の元に走る女性を情感を込めて演じています。またピオ・マルマイは舞台を中心に活躍。2007年から映画にも出演するようになり、ヒット作となったレミ・ブザンソン監督の”Le premier jour du reste de ta vie(直訳:君の残りの人生の最初の日)”で注目を浴びました。彼はローラ・ドワイヨン監督が女優として出演するパトリシア・プラトネール監督の”Bazar”で共演しています。