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幻灯機と着色フィルムと映画の400年

パリのシネマテーク・フランセーズで新しい展覧会"Lanterne magique et film peint, 400 ans de cinéma" が本日からスタートします。
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1659年、オランダの天文学者によって発明された幻灯機は、ガラスに手描きで描かれた画像をランプとレンズで投影するもの。最初はシンプルな絵であったのが、画像を数枚重ねたり、一枚の画像を動かすトリック、そして写真などが使われるようになります。

多くの映画監督も魅了してきた幻灯機。映画ファンにとってはイングマール・ベルイマン監督の「ファニーとアレクサンドル」の中のシーンが有名ですが、先日行われた故人の遺品の競売では、この作品に出てくる幻灯機も人気を集めていたそうです。またフランシス・フォード・コッポラ監督も幻灯機の収集家と知られ、今回の展覧会にもメッセージを寄せています。その他、フランソワ・トリュフォー監督の『緑色の部屋』、フェデリコ・フェリーニ監督の『カサノバ』にも幻灯機は登場します。そしてジャック・プレヴェールは1941年にその名も”La Lanterne magique(幻灯機)”という脚本を執筆しますが、これは残念ながら陽の目を浴びることはありませんでした。その他、バルザックやプルーストの文章の中にも幻灯機は登場しています。

今回の展覧会はイタリアのトリノにある国立映画博物館との共催。この2施設の所有する2万3000枚の中から選ばれた画像が、年代を追う形で「日常生活」「旅」「寓話と伝説」「科学と教育」「エロティズム」(子供は見れません!)「宗教と秘教」「アートとスペクタクル」「ゴースト」(ティム・バートン作品みたい!)「逆さまの世界」「アブストラクション」の10のテーマに分かれて展示されていますが、全てこれらが映像として見れるようになっています。「アブストラクション」ではスタン・ブラッケージ、ノーマン・マクラレン、そしてホセ・アントニオ・システィアガという、この芸術の継承者で前衛的なフィルム作品を発表したアーティストたちのオリジナル・プリントを見ることができます。また最後にあるアンソニー・マッコールのインスタレーションを体験することも忘れずに!

本日夜8時半より、展覧会のキュレーターであるロラン・マノニ氏による幻灯機の上映がある他、子供向けの上映やアトリエも開催。そして11月14日にはこの芸術の継承者であるノーマン・マクラレンの作品も上映されます。

シネマテーク・フランセーズ 公式サイト
by berceau-du-cinema | 2009-10-14 18:08 | CINEMA/EXPOSITION | Comments(0)
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