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2010年のフランス映画は?

国立映画センター(CNC)が2010年のフランス映画の製作状況を発表しました。

製作本数は261本。これは世界的な経済不況の打撃を受けた2009年から31本増えた数字になっており、2008年の実績に近いものになっています。これに比例して、製作費も同様に前年より31%のアップとなりました。また他国との共同製作された作品が28%アップの118本(2009年は93本)、100%が自国で製作された作品数は4.4%のみの上昇にとどまっています。また製作費が400万〜700万ユーロの中堅の作品の製作本数が19本あがっており、近年の問題なっていた大作と小規模の製作費の作品の2極化に少し歯止めがかかっているようです。

またフランス映画の海外での振興をサポートするユニフランスによると、海外でのフランス映画の動員数は5720万人で2009年より17.9%のダウン。アメリカで45%ダウンした影響を受けています。2008年が8420万人という記録を樹立しているので、これから較べるとかなり落ちてしまいました。

最も集客した作品はロマン・ポランスキーの"The Ghost Writer"(国際的キャストによる英語劇…)、ベッソン製作の『パリより愛をこめて』(同様…)と製作費以外の面ではフランス映画とは言えない作品ばかり!しかもアメリカではフランス語の作品の公開本数も動員数も増えているので、ダウンの原因は純粋なフランス映画にはないような…例えば日本でも大ヒットしたジャック・ペラン監督のドキュメンタリー『オーシャンズ』がこの2作と同じぐらいの動員数を記録。またフランス語のフィクションとしては、『アデル/ファラオと復活の秘薬』『オーケストラ!』も健闘しました。
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また国別では長年に渡ってフランス映画の動員がよかったものの2009年は振るわなかったイタリア、スペイン、イギリスがアップを記録。その他、ロシアでも動員数が上がりました。2010年は日本でも公開作品が増えましたが、2009年に大躍進した中国とお隣のドイツでは動員数がダウンしています。
by berceau-du-cinema | 2011-01-14 12:23 | CINEMA/BUSINESS | Comments(0)
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