女優のマリー=フランソワ・ピジェが亡くなりました。
1963年にオムニバス『二十歳の恋』の中の短編『アントワーヌとコレット』で注目を浴びましたが、リベラシヨン紙によるとトリュフォー監督は当時友人の女性に宛てた手紙に「私はとても疲れ、とても腹が立ち悲しんでいる。なぜならば17才半の娘に恐ろしいまでに恋をしているからだ。(…)彼女はとてもフランクで、率直で、とても強いと同時にとても子供じみている。(…)私は彼女を崇拝しており、とても動揺している。」と書き残しています。
現代的で左翼、フェミスニストでもあった彼女は、五月革命の指導者のダニエル・コーン=ベンディットの恋人だったこともあり、ドイツに国外追放された彼を特徴のある赤毛を染めてフランスに密入獄させてこともあったとか…
2006年の作品"Dans Paris"で、ロマン・デュリスとルイ・ガレルの母親として彼女の起用したクリストフ・オノレ監督は、撮影当時を振り返り、「アントワーヌ・ドワネルにとってのコレットのように、私たちといた時の彼女はとても真心に溢れていて、触れることができなかった。」と語っています。
心からのご冥福をお祈り申し上げます。