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カンヌ映画祭2011:私的な考察について注釈

昨日アップした内容にちょっと反響があったようなので、ここで少し注釈を入れさせて頂きます。

ワールドセールスの会社と映画祭の関係は今年に始まったことではなく、かなり以前からあることです。それは「この作品をコンペに渡すから、開幕上映もウチから」みたいな交渉であったり、ちょっとイレギュラーな方法から選考にアプローチするなど、その形も様々。しかしいずれにせよ、その作品のクオリティがその部門に適切なものであれば最終的に観る側は満足できると思います。

今回、タイトルをあげた”The Artist"は私は個人的に退屈しましたが、決してすごく悪い作品だとは思わず欠点のようなものも見当たらないので、「ウェル・メイドで娯楽作品」という表現をしました。実際に私が作品を見たプレスと映画関係者用の上映では大きな拍手も上がっていました。ただ私はこの作品はやっぱり「招待上映」がふさわしいと思うのです。ちなみにこの作品、カンヌの公式カタログには「招待上映」のまま。間に合わなかったのね(笑)。

最後にちょっといい話を。

今回のカンヌで最後になって緊急に組み込まれたジャファール・パナヒ監督とモハメッド・ラスーロフ監督の新作ですが、パリのシネマテーク・フランセーズのセルジュ・トゥビアナ館長の元にイラン人の友人がお菓子の箱の中にUSBキーを入れて届けたそうです。この過酷な状況の中でも映画製作を続ける両監督、そしてこのイラン人の友人の方の勇気にも是非敬意を表したいと思います。フランスは2作品とも配給が決定しました。日本でも少なくとも映画祭などで上映して頂ければ…
by berceau-du-cinema | 2011-05-25 06:37 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)
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