2010年に亡くなったヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督のエリック・ロメール。遺作は2006年に発表した『我が至上の愛〜アストレとセラドン〜』となりました。その作品に出演していた俳優のジョスラン・キヴランは、2009年11月に不慮の交通事故に遭い、30才の若さで他界。しかし、ロメール監督との撮影の体験にインスパイアを受けた脚本を残しており、この度、映画化されることになりました。
"Maestro"とタイトルがついた今作の主人公はアクション映画に出演することを夢見る俳優のアンリ。しかし作家性の強い監督セドリック・ロヴェールの作品にキャスティングされ、その撮影の経験により考え方が全く変わってしまう、という物語です。
アンリを演じるのはピオ・マルマイ、共演者の女優役の一人に『タイピスト!』のデボラ・フランソワ。そしてロヴェール監督役は名優マイケル・ロンズデールが演じます。メガホンを握るのは生前にジョスラン・キヴランと何度もコラボレーションをし、今作の脚本も共同執筆している女性監督のレア・ファゼール。作品は今年の夏、フランスとイタリアで撮影されました。その模様の写真の右下にマイケル・ロンズデールが写っています。