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アルノー・デプレシャン監督、第10作目は新境地に挑戦

やはりカンヌ映画祭の常連監督、アルノー・デプレシャンの新作です。


物語の舞台はこれまでの作品にも多く登場してきた、監督の生まれ故郷ルベで、作品のタイトルも”Roubaix, une lumière(ルベ、1つの光)”になっています。前作「イスマエルの亡霊たち」に引き続き、若手女性監督のレア・ミシウスが脚本を共同執筆。


しかしこれまでとは違うのは…今作は2002年5月に起きた、麻薬中毒の若い娘の二人組(カップル)が隣人の年老いた女性を殺害した事件にインスピレーションを受けていること。またデプレシャン監督はこの事件の映画化にあたり、敬愛するアルフレッド・ヒッチコック監督の『間違えられた男』からのインスプレーションを受けているそうです。この事件は既に2003年に小説化され、被害者の遺族との論争が起こりました。また2008年にドキュメンタリー作品にもなっていますが、今回の映画化にあたり、作品がもたらす祖母のイメージと殺人犯の描き方について不安を取り除くために、被害者の孫たちが監督に面会を求めたそうです。


そしてもう一つの新しい点は、主役にはレア・セドゥとサラ・フォレスティエ、警察所長役にはロシュディ・ゼム、彼の部下役にアントワン・ライナルツと、これまでのデプレシャン作品とは少し違った俳優がキャスティングが組まれていることです。

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クリスマスの夜に繰り広げられる今作の撮影は昨年11月から12月20日まで、7週間をかけて行われました。昨年刑事映画というスタイルを取りながら、ヒューマニティーを描いているという今作。撮影中の写真を見るだけでも期待が高まる1本です。


by berceau-du-cinema | 2019-03-21 08:49 | CINEMA/FILM | Comments(0)
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