人気ブログランキング |

カテゴリ:CINEMA/FILM( 18 )

アルノー・デプレシャン監督、第10作目は新境地に挑戦

やはりカンヌ映画祭の常連監督、アルノー・デプレシャンの新作です。


物語の舞台はこれまでの作品にも多く登場してきた、監督の生まれ故郷ルベで、作品のタイトルも”Roubaix, une lumière(ルベ、1つの光)”になっています。前作「イスマエルの亡霊たち」に引き続き、若手女性監督のレア・ミシウスが脚本を共同執筆。


しかしこれまでとは違うのは…今作は2002年5月に起きた、麻薬中毒の若い娘の二人組(カップル)が隣人の年老いた女性を殺害した事件にインスピレーションを受けていること。またデプレシャン監督はこの事件の映画化にあたり、敬愛するアルフレッド・ヒッチコック監督の『間違えられた男』からのインスプレーションを受けているそうです。この事件は既に2003年に小説化され、被害者の遺族との論争が起こりました。また2008年にドキュメンタリー作品にもなっていますが、今回の映画化にあたり、作品がもたらす祖母のイメージと殺人犯の描き方について不安を取り除くために、被害者の孫たちが監督に面会を求めたそうです。


そしてもう一つの新しい点は、主役にはレア・セドゥとサラ・フォレスティエ、警察所長役にはロシュディ・ゼム、彼の部下役にアントワン・ライナルツと、これまでのデプレシャン作品とは少し違った俳優がキャスティングが組まれていることです。

b0163829_08505109.png
b0163829_08510762.jpg
b0163829_08511678.png

クリスマスの夜に繰り広げられる今作の撮影は昨年11月から12月20日まで、7週間をかけて行われました。昨年刑事映画というスタイルを取りながら、ヒューマニティーを描いているという今作。撮影中の写真を見るだけでも期待が高まる1本です。


by berceau-du-cinema | 2019-03-21 08:49 | CINEMA/FILM | Comments(0)

MES FILMS PRÉFÉRES 2017

2017年に見たお気に入りの作品です。()は監督の出身国です。


『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』監督:パブロ・ラライン(チリ)


『あなた自身とあなたのこと』 監督:ホン・サンス(韓国)


『ムーンライト』(アメリカ)監督:バリー・ジェンキンス(アメリカ)


『立ち去った女』監督:ラヴ・ディアス(フィリピン)


『わたしは、幸福(フェリシテ)』監督:アラン・ゴミス(セネガル)


『ナチュラルウーマン』 監督:セバスティアン・レリロ(チリ)


You Were Never Really Here』監督:リン・ラムジー(イギリス)


Barbara』監督:マチュー・アマルリック(フランス)


The Florida Project』監督:ショーン・ベイカー(アメリカ)


『ラッキー』 監督:ジョン・キャロル・リンチ(アメリカ)


A Ghost Story 』監督:デヴィッド・ロウリー(アメリカ)


そして、思い出す度に涙が出てくるこの二本。


Wonderstruck 監督:トッド・ヘインズ(アメリカ)

120 Battements par minuteBeats Per Minute)監督:ロバン・カンピヨ(フランス)


今年の発見はこの作品。日本でも上映される機会がありますように…


Let The Summer Never Come Again』監督:Alexandre Koberidze(ジョージア) 

https://mubi.com/films/let-the-summer-never-come-again

b0163829_23371188.jpg
b0163829_23375242.jpg
b0163829_23382896.jpg
b0163829_23380939.jpg


by berceau-du-cinema | 2017-12-31 23:45 | CINEMA/FILM | Comments(0)

ジャン=ピエール・レオー主演の無声映画!

カンヌ映画祭に出品された”The Artiste”がフランスで公開になりましたが、それに対抗するかように、1983年にジャン=ピエール・レオーが出演した無声映画”Rebelote”がリバイバル公開されました!監督はジャック・リシャール、共演にはティナ・オーモン、ジャック・ロビオール、そしてモーリス・ガレルも!ヴィンス・テイラーまで出ています!予告編、必見!
b0163829_2265368.jpg

さて気になるストーリーは…10才のレミ・ショヴォーは仲の悪い家族の中で生活している。彼はまず厳しい寄宿舎を、それから威圧的で度を超したベビー・シッターを経験した。思春期を迎えた彼はパリの肉屋の店員になる。土曜日になると”ちょっとしたおふざけ”をする彼は、時には警察に拘留されることも。しかしある日、彼は運命の恋に出会う…
b0163829_2265525.jpg

この作品、1983年のカンヌの"Perspectives du cinéma français"部門で上映されたそうです。ベルリンはドイツ映画、ヴェネチアはイタリア映画、そしてトロントやロカルノも自国の作品の部門がありますが、カンヌも昔はフランス映画を集めた部門があったんですね。
by berceau-du-cinema | 2011-10-12 22:05 | CINEMA/FILM | Comments(0)

CRAZY HORSE / AVANT PREMIERE

10月5日からフランスで公開される、フレデリック・ワイズマン監督の新作”Crazy Horse”の完成披露上映に行ってきました。案内には「en présence de l'équipe (関係者立ち会い)」!あの美しいお姉様も来る?とときめいて会場へ。場所は大きなスクリーンがうれしいパリ6区の映画館アルルカン(ヘルツォーク監督の「ケイヴ・オブ・フォゴットゥン・ドリームス」もここで!)。会場には普段見ないようなショービズ関係の方がいっぱい。するとミシェル・ピコリの姿も!こちらは上映前に監督と談笑中のお姿を隠し撮り(暗くてすいません…)。
b0163829_8393016.jpg

舞台挨拶には監督と共にクレイジーホースの関係者の女性も登場。しかしダンサーの方たちは客席で立って軽く挨拶するのみ…残念!登場しただけで会場が大爆笑に包まれたフィリップ・カトリーヌもいなくて…これまた残念。
b0163829_8393618.jpg

さて作品の方ですが…実は「いつものワイズマン作品と少し違う?」という印象が。やはりワイズマン作品と言えば、その選ばれた場所の日常の中から社会のある姿(もしくはある社会の姿)が浮かび上がってくるのが特徴だと思うのですが、この作品はいつもと少し違う構成をしている部分があるのです。(もちろんワイズマン的な見せ場も一杯ありますが!)日本でも映画祭上映&劇場公開されるので、ここでは種明かしはしませんが…10月6日木曜日にパリ6区の同映画館で監督を招いた討論会があります。残念ながら用事で行けないのですが、誰かこの質問をして欲しい!しかしこの作品がワイズマンの作品では最も興行的に(そしてクレイジーホースの集客も)成功するのは間違いないでしょう。
by berceau-du-cinema | 2011-10-03 22:34 | CINEMA/FILM | Comments(0)

フィリップ・ガレル X モニカ・ベルッチ

ヴェネチア映画祭でお披露目されるフィリップ・ガレル監督の"Un été brûlant"のポスター画像及びスチールです。ああ、この作品、12年ぶりのカラーなんだ…と。イタリアが舞台だからでしょうか?それで撮影監督がウィリー・クランに変わったんですね。共演のセリーヌ・サレットは好きな女優。彼女も楽しみです。
b0163829_8575013.jpg

b0163829_85752100.jpg

b0163829_857532.jpg

b0163829_8575730.jpg

日本から戻る飛行機の中で読んだ週刊誌にモニカ様のインタビューが。なんとガレル監督の次回作にも出演するそうです…そんなに気に入ってしまったんですね。
by berceau-du-cinema | 2011-08-13 08:55 | CINEMA/FILM | Comments(0)

"Mafrouza"を見る

現在フランスで公開中、話題になっているドキュメンタリー”Mafrouza”を見てきました。
b0163829_859334.jpg

女性監督エマニュエル・ドゥモリス監督による5つのエピソードから成るこの作品は、全体で12時間21分、それぞれが2時間18分〜35分の長さになっています。バラバラにしても観賞可能で、最初の2本"Mafrouza - Oh la nuit!"と"Mafrouza/Coeur"は2007年に完成、"Que faire?"、"La Main du papillon"、そして"Paraboles"は2010年の製作になります。最初にこの作品が上映されたのは2008年にマルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭、その後も世界中の様々な映画祭を回りました。そして昨年のロカルノ映画祭でとうとう全作品が上映され、最終章の”Paraboles”がフィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼントで金豹賞を獲得しています。今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭では第3章にあたる"Que faire?"(「何をすべきか?」)が上映されますね!

1999年、別のドキュメンタリーのロケハンのために、エジプトのアレクサンドリアにあるギリシャ=ローマ時代の墓地跡を尋ねたドゥモリス監督は、そこに広がる貧民街に住む人たちの自由な姿に感銘を受け、何度もその地に戻り、撮影することを決意します。最終的に2年間に渡り撮影を続けることになったのですが、この街は2007年に取り壊され、住人たちは市の中心地から15キロほど離れた低所得者住宅に移されました(その住宅は「モバラク・シティ」と名前ですが、名称変更になるそうです)。作品はこの街の貴重なドキュメントにもなったわけです。

一時期は1万人が住んでいたこの街は、かろうじて電気は通っているものの、水道施設は完備されておらず、住民たちはゴミやネズミ、そして季節によって起こる浸水に悩まされます。子供から老人までが雑貨店に立ち替わり現れて買い物をし、子供の出産を心配し、隣人の結婚式を共に祝い、モスケに通い、宗教儀式のために羊を生け贄にし…住民たちの生活は貧しいのですが、そこには生が溢れ、年齢を越えた人との繋がりがあり、監督自身が「居心地がよい場所」というように、ある意味でとても人間的な空間が広がるのです。
b0163829_8561489.jpg

b0163829_8561892.jpg

b0163829_8561692.jpg

b0163829_8562155.jpg

私は監督について全く調べておらず、エジプト出身なのかな?と思っていたら…何とアラブ語が話せない!しかし通訳だけをつけて、一人で撮影と録音をこなし、住民たちからイーマンという愛称までもらうまで、住民たちの中に溶け込んで行くドゥモリス監督の立場の過程にもとても興味深いものが。最初は言葉の通じないことにもどかしさを感じる住民(と監督)。しかしやがて彼らはドゥモリス監督の存在を受け入れ、監督が撮影することを嫌がる人たちと喧嘩をするまでに。次第に監督はそこにいて撮影するだけということが可能な存在に。そして後半ではタバコをもらって会話に入らざるを得なくなる(なので必然的に声が入る)、つまり「受け入れられる」ことを越えて「そこにいる1員」になっていくのです。最後に監督の姿がある形で写るのですが、それは決して監督のエゴではなく、この街という一つの大家族の中に入れてくれたことに対しての敬意、お礼の姿に見えました。

プレスシートのは、この監督が雑貨店主と交わした会話で締めくくられています。監督は彼の質問が彼女にとっての一つの返事、少なくともこの作品の目的にちょうどぴったりな表現だと記しているので、ここで紹介を…『「この作品が観客に何をもたらすのか?更に正確に言うと、この作品が人々が生きる手助けになるのか」と尋ねられ、「例えば、何のように?」と聞くと、こう答えました/「例えばお茶のように。僕にとって、お茶が生きる手助けをしてくれる。お茶を飲もうと人を招待することができて、中に入って来て、話をして、一緒の時間を過ごすことができる。僕が生きる手助けをしてくれるんだ。TVも、夜、店で一人がいる時は。そして妻、特に妻が私が生きるのを本当に本当に助けてくれる。君の映画はそうなるのか?」』彼がこの作品の最後に見せる笑顔には本当に心を震えさせるものがあります。

実は先週、監督と会う機会がありました。地中海出身なのでは?と確信できるほど、太陽のような女性でした。YIDEFに決まったことにお祝いの言葉を伝えると、「うれしいんだけど、まだ来日するかどうか悩んでいるの」と正直に話してくれました。「本当はすごく行って欲しいのですが、まだ時間があるので、ゆっくり考えて下さい」としか言えず…しかし「でもプロデューサーの彼は行くって決めてるみたい」と紹介されたのが、すごい可愛いおじいちゃん!しかし家に帰って調べたら…何と、リベットやトリュフォー、レネの脚本家で知られるジャン・グリュオーさん!こんな感じです!
b0163829_8564049.jpg

by berceau-du-cinema | 2011-06-28 23:54 | CINEMA/FILM | Comments(0)

ダニエル・オートゥイユの初監督作品の映像が公開に!

ダニエル・オートゥイユの初監督作品となる”La Fille du puisatier”の予告編と画像が公開になりました。
b0163829_20203812.jpg

b0163829_20222845.jpg

2009年6月にお伝えした情報ではメラニー・ロランが出演と書きましたが、アストリッド・ベルジュ=フリスベに変更になりました。スペイン、フランス、アメリカの血が混ざっている彼女は、現在24歳。2006年にジャン=ジャック・アノー監督の”Sa Majesté Minor”でスクリーン・デビューしましたが、今年5月に公開される『パイレーツ・オブ・カリビアン/命の泉』にも抜擢されており、これからが大注目の新人女優です。恋人役はニコラ・デュヴォシェル、その他にもジャン=ピエール・ダルッサン、サビーヌ・アゼマがキャストに加わっています。
b0163829_20232679.jpg

b0163829_20224524.jpg

フランス公開は4月27日です。
by berceau-du-cinema | 2011-03-11 20:19 | CINEMA/FILM | Comments(0)

Mes images privées de Serge

今年がセルジュ・ゲンズブールの没後20周年にあたることは先日お伝えしましたが、フランスとドイツの共同テレビ局アルテで特集”Gainsbourg Forever”が昨晩放送されました。
b0163829_1141377.jpg

ジャン・ベッケル監督の『エルザ』、ゲンズブールの1986年のコンサートと一緒に放送されたのが、ジェーン・バーキンによる8mm映像”Mes images privées de Serge”!彼女が60年代後半から70年代にかけて撮影した映像に彼女のナレーションと音楽をかぶせたものですが、連れ子のケイトや双方の家族との団らんやヴァカンス、そして生まれたばかりのシャルロットやゲンズブールの愛犬ナナの成長を追う事ができます。

まだどこのサイトにも動画はアップされていないようですが…とても素敵な映像だったので、見つかったら報告します!またアルテのサイトではジェーン・バーキンのインタビューも読めますので、是非!
by berceau-du-cinema | 2011-02-28 11:05 | CINEMA/FILM | Comments(0)

ジャンヌ・モロー in "Nathalie Granger"

マルグリット・デュラスの監督作品"Nathalie Granger"(戯曲名は「女の館」)がフランスで再公開され、パリ5区にある映画館REFLET MEDECISで主演女優のジャンヌ・モローとリュック・ムレの舞台挨拶がありました。
b0163829_458271.jpg

なぜリュック・ムレ?と思いきや、何とこの作品のプロデューサーだそうです。ジャンヌ・モローと一緒でいつもよりオシャレしてすまして見えます。ジャンヌ・モローは現在82才ですが、映画やテレビドラマにもマイペースで出演を続けています。今晩は黒いインナーに白のコート、手には小振りの赤いシャネルバッグ!大女優らしいい風格と知性に溢れていました。舞台挨拶では交遊の深かったマルグリット・デュラスとの作品の生成過程について語っていました。子供役も含め、この作品に出てくる登場人物、家と庭(そして猫)、音や光、全てが素晴らしいのですが、デュラスのお気に入り俳優であった若き日のジェラール・ドパルデューの演技にも注目を。この後もマルグリット・デュラスの監督作品は順次、再公開される模様です。
b0163829_4585654.jpg

by berceau-du-cinema | 2010-08-26 04:56 | CINEMA/FILM | Comments(0)

マチュー・アマルリックにまたまた新作!

今年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞した”Tournée”が、公開5週で集客43万人を超えたスマッシュ・ヒットとなったマチュー・アマルリック。彼が監督したドキュメンタリーが9月5日に仏独のテレビ局ARTEで16時30から放送されます。

気になるその題材は…1月に”Gainsbourg, vie héroïque”で映画監督デビューした人気漫画家のジョアン・スファール!マチュー・アマルリックはジョアン・スファールに密着し、様々な場所でデッサンをする姿を捉えていますが、それがパリ郊外にあるランジスの魚卸市場であったり、大学医学部の解剖室であったり、レストランやバーであったり…ニコラ・フィリベール監督が題材にしたドキュメンタリー”Nénette”で知られる、パリのJardin des Plantesの動物園にいる長寿の雌オランウータンも出てきます。作品は今年の春には既に完成していたようです。

放映後に発売されるであろうDVDのジャケットはこんな感じ。まだ予約開始も始まってませんが…
b0163829_18202131.jpg

by berceau-du-cinema | 2010-08-12 18:19 | CINEMA/FILM | Comments(0)