人気ブログランキング |

カテゴリ:CINEMA/PROJET( 316 )

『男と女』の50年後を描く”Les plus belles années d’une vie”

1966年のカンヌ映画祭で上映されてパルム・ドールを獲得した『男と女』、そしてその20年後をテーマに製作されて同映画祭で上映された『男と女 II』。その続編”Les plus belles années d’une vie(ある人生における最も美しい年月)”が主演俳優たちと共にカンヌ映画祭の赤絨毯に戻ってきます。

b0163829_06592421.jpg
b0163829_06593320.jpg

老いを迎え、少しずつ記憶が薄らいでいくジャン=ルイのために、彼の息子は父親の話に頻繁に出てくるアンヌを探し出します。再会した2人は、これまでの物語を新たに追い始める…という構成になっています。公開された予告編で出てくるように、前作2本がフラッシュバックで登場する模様です。


今作でもフランシス・レイが音楽を担当していますが、昨年11月に他界されました。フランスでは映画祭で上映後の5月22日に全国で公開されます。


by berceau-du-cinema | 2019-04-23 07:06 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

最も心に残る時代に戻れるなら…ニコラ・ベド監督の新作に国民的スターが結集

舞台演出、監督、脚本家、そして俳優として活躍するニコラ・ベドの長編2作目がカンヌ映画祭で招待上映されることになりました。


その”La Belle Époque (美しい時代)”は60代の男性ヴィクトールの物語。現実に冷めきった彼は新しいタイプの会社を立ち上げたアントワーヌに出会います。彼の会社はクライアントが選んだ時代を再訪できるアトラクションを提案しており、ヴィクトールは40年前に出会った最愛の人と過ごした1週間を再び生きようとする物語です。

b0163829_06552508.jpg

出演はダニエル・オートゥイユ、ギョーム・カネ、ファニー・アルダン、ピエール・アルディティ、ドゥニ・ポダリデス、そしてベド監督の公私にわたるパートナーであるドリア・ティリエ。パリ郊外にあるスタジオに1970年代の街並みが再現され、9月28日から2ヶ月にわたって撮影が行われました。



by berceau-du-cinema | 2019-04-23 06:57 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

アラン・カヴァリエ監督の新作は女性脚本家へのオマージュ

近年、シネマ・エッセイを発表し続けているアラン・カヴァリエ監督の新作”Etre vivant et le savoir”は、2017年に亡くなったエマニュエル・ベルンアイムへのオマージュです。


作家として活躍していたベルンアイム氏は、1988年のジャン=ピエール・リモザン監督の”L’Autre Nuit”から映画の脚本執筆にも関わっていきます。フランソワ・オゾン監督の『まぼろし』(2000年)、『スイミング・プール』(2003年)、『ふたりの5つの分かれ路』(2004年)に参加。そして自身の小説の映画化となるクレール・ドゥニ監督の”Vendredi soir”にも脚本を共同執筆しています。また彼女はカイエ・ドゥ・シネマで批評を書き、シネマテーク・フランセーズの元館長を勤めた後、現在はユニ・フランスのトップを務めるセルジュ・トゥビアナ氏のパートナーでもありました。

b0163829_06491448.jpg

エマニュエル・ベルンアイム氏と30年にわたる友情を築いてきたアラン・カヴァリエ監督は、彼女の父親のことを語った自伝”Tout s’est bien passé”を映画化する準備を進めていたそうです。ベルンアイム氏が本人役、カヴァリエ監督が父親役を演じる予定でしたが、ある日、彼女から「緊急手術を受けることになったから、撮影を伸ばして欲しい」と電話が入り…


自身が日常的に撮影しているビデオ映像を元に作品を作り上げたアラン・カヴァリエ監督は、「エマニュエルと僕が準備してきた鮮烈な物語をやり遂げたいと願いました。私たちの喜びと苦しみがダイレクトに録画されていることが重要な存在となっています」と語っています。


by berceau-du-cinema | 2019-04-23 06:52 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

タリバーン占領下のカブールの街を舞台にした悲劇のアニメーション

カンヌ映画祭ある視点部門に、2人の女性監督によるアニメーション作品”Les Hirondelles de Kaboulが選出されました。

b0163829_06452083.jpg

原作はアルジェリア出身の作家ヤスミナ・カドラの小説で日本でも『カブールの燕たち』の名で翻訳出版されています。物語の舞台は1998年。タリバーンに占拠され、荒廃したカブールに住む2組のカップルの物語です。


Mussaratは病を患っているが、刑務所に勤めるAtiqは命の恩人である彼女を見捨てて離縁することができないでいる。若いMohsenとZunairaの2人は深く愛し合っているが、ある日、Mohsenは女性受刑者の投石の刑に参加し、その行為に喜びを感じたことに罪悪感からZunairaに告白する。ショックを受けたZunairaと仲直りをするために散歩に出かけたMohsenは、検閲に遭い、説教を受けるために召喚される。灼熱の中、待ち続けたZunairaは、家に帰る途中でMohsenを突き飛ばし、自殺させてしまう。ZunairaはAtiqの勤務する刑務所に収監されるが、AtiqはZunairaに恋をしてしまう。それに気づいたMussaratじは、余命の短い自分がZunairaと入れ替わって刑を受けることを提案するが…

b0163829_06453219.jpg
b0163829_06460165.png
b0163829_06453870.jpg

女優のザブー・ブライトマンとアニメーター出身のエレア・ゴベ・メヴェレックが共同監督。ザブー・ブライトマンは既に『記憶の森』(2001年)や『ノーと私』(2010年)などの監督作品がありますが、アニメーションはこれが初めてです。声の出演にはシモン・アブカリアン、ヒアム・アッバス、スワン・アルノー、ジタ・アンロといい俳優が揃っています。


by berceau-du-cinema | 2019-04-23 06:46 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

カンヌのために急ピッチで完成?クリストフ・オノレ監督の新作

これまでコンペに選出された『愛のうた、パリ』(2007年)と”Plaire, aimer et courir vite ”(2018)を初め、合計で5本が上映されているカンヌ映画祭の常連監督クリストフ・オノレ。彼の長編第12作にあたる新作がある視点部門で上映されることが決定しました。


当初、”Musique de chambre(室内楽)”と付けられていたタイトルが”Chambre 212(212号室)”に変更。主人公のマリアは20年にわたる結婚生活の後、新しい恋人のために夫のリシャールと別れ、家を出る事を決意します。家の前にあるホテルの212号室を取った彼女は、住んでいたアパルトマンを眺めながら、これまでの人生を失敗を見つめ、自分の決断が正しかったかどうかを自問する物語です。場面写真を見ると、コメディーに見えるのですが…

b0163829_23272641.jpg
b0163829_23275333.jpg

出演はオノレ監督のお気に入り女優であるキアラ・マストロヤンニにヴァンサン・ラコスト。キアラの元パートナーで子供の父親でもあるバンジャマン・ビオレ、キャロル・ブーケもキャストされています。撮影が行われたのは2月初旬から3月中旬まで。カンヌに間に合わせるために急ピッチで完成させた模様です。


by berceau-du-cinema | 2019-04-22 23:29 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

パリ郊外の低所得者地域を舞台に描く警察の暴力

フランスの社会問題の1つである貧困地域における警察の暴力についての初長編作品が、カンヌ映画祭のコンペティションに選出されました。

b0163829_23123937.jpg

監督のLadj Lyはこの街の出身で、思春期から撮影カメラを手に、映画監督になることを夢見ていたそうです。ロマン・ガヴラス(コスタ・ガヴラス監督の息子)らが設立し、JRも所属していた映像集団Kourtrajméに参加し、2005年にパリ郊外で起きた暴動のドキュメンタリーを製作しています。”Les Miserables”は2017年に短編映画として製作され、クレルモン・フェラン国際短編映画祭に出品。同年のセザール賞にもノミネートされています。この短編製作時から長編化する予定になっており、同じ俳優を起用しています。


短編の画像:

b0163829_23120211.png
b0163829_23122552.png

シェルブール出身のステファンはパリ郊外のモンフェルメイユ市の警察の保安部隊に配属されます。この街では複数の不良グループが対立していました。ある日、2人の同僚と職務質問を行なっている最中にトラブルが起き、その様子がドローンで撮影されていた…という物語です。


主役を演じているダミアン・ボナールはアラン・ギロディー監督の『垂直のまま』や日本で公開予定でのピエール・サルヴァドーリ監督の”En liberté!”に出演。この2作はコミカルな作品でしたが、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』にも出演。今年はアンヌ・フォンテーヌ監督やロマン・ポランスキー監督の新作にもキャストされており、今、注目の俳優の1人と言えます。またジャンヌ・バリバールが警察署長役を演じています。その他にはこの地域の住民やロマの家族も出演しています。


今作のタイトルは”Les Miserables(レ・ミゼラブル)”になっていますが、舞台のモンフェルメイユはユーゴーの小説の中でジャン・ヴァルジャンがコセットと出会った場所だそうです。この道が作品の中でも出てくるのでしょうか?


by berceau-du-cinema | 2019-04-22 23:13 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

ロマの世界を描いてきた監督が、麻薬がはこびるメキシコへ…

ロッテルダム映画祭に出品された”La BM du Seigneur”(2011年)と、カンヌ映画祭監督週間部門で上映され、ジャン・ヴィゴ賞を獲得した”Mange tes morts”(2014年)でロマのコミュニティーを描いたジャン=シャルル・ウエ監督が、2017年にカンヌ映画祭監督週間部門で発表した短編”Tijuana Bible”を長編映画化しました。


イラク戦争で負傷したアメリカ軍の兵士ニックは、アメリカの国境に接するメキシコの街ティフアナで暮らしています。ある日、消息を絶った弟リカルドを探すアナというメキシコ人の娘に出会った彼は、彼女に惹かれ、弟探しを手伝い始めますが、やがてリカルドが街で権力を振るう麻薬カルテルと揉め事を起こしていたことが分かり、アナに街を離れるように説得しようとする物語です。


『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』に出演していたイギリスの俳優ポール・アンダーソンと、メキシコ人女優のアドリアナ・パスが出演。昨年8月から9月まで行われた撮影は、アルベルト・セラ監督の『ルイ14世の死』などで知られるジョナタン・リケブールが担当。これまでとは違った趣の作品になりそうです。

b0163829_07242245.jpg


by berceau-du-cinema | 2019-04-17 09:26 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

アルジェリア出身の監督による戦争映画 X 政治スリラー

アルジェリア生まれで2歳にフランスに移住したラバ・アメール・ザイメッシュ監督は、独学で映画を撮り始め、家族から資金援助を得て作った処女作”Wesh wesh, qu'est-ce qui se passe ?”(2001年)で注目を浴び、権威あるルイ・デュリュック賞初獲得作品賞を受賞。次作の”Bled Number One”(2006年)はカンヌ映画祭ある視点部門、”Dernier Maquis”(2008年)は同映画祭監督週間部門に出品。”Les Chants de Mandrin ”(2012年)はロカルノ映画祭出品後にジャン・ヴィゴ賞受賞、”Histoire de Judas(2015年)はベルリン映画祭フォーラム部門出品され、エキュメニカル審査員賞を獲得しています。


そのザイメッシュ監督の新作は”Terminal Sud”。これまでは監督自身が主演もしてきましたが、今作ではフランスでは非常にポピュラーなコメディアンで、最近は映画界でも評価が高くなってきているラムジー・ベディアを主役に起用しています。舞台は1990年代にしつえ、フランスに避難した妻を離れたまま、市民戦争の混乱の中で医者としての役目に終われている主人公が、友人のジャーナリストの殺害を目撃し、自身も死の脅迫を受ける物語で、戦争映画と政治スリラーを融合した作品だそうです。


撮影は昨年9月から2ヶ月かけて南仏とアルジェリアで行われました。現場の写真は和気あいあいとしていますが、作品は緊張感漂うものとなっているはずです。

b0163829_07241638.png


by berceau-du-cinema | 2019-04-17 08:25 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

注目のスペイン出身の監督が故郷に戻って新作を撮影

スペインのガリシア州出身の両親の元にパリで生まれたオリヴァー・ラックス監督は、スペインで映画を学んだ後にモロッコのタンジェに移住し、子供向けの映画アトリエを開きます。その活動を撮影したドキュメンタリー”Vous êtes tous des capitaines(君たち全員がキャプテンだ)”は2010年のカンヌ映画祭監督映画祭に出品され、FIPRESCI賞を受賞。2016年のフィクション”Mimosas, la voie de l’Atlas(ミモザ、アトラスの道)”は同映画祭批評家週間部門でグランプリを獲得しています。


彼が故郷のガリシア州で撮影した新作”Viendra le feu(火がやってくるだろう)”は、放火の罪で刑務所に入っていたアマドールの物語。出所後、ガリシア州の山奥に住む年老いた母の家に戻った彼は、自然のリズムに合わせたゆっくりとした時間を過ごしますが、ある日、この地方に大火事が起こってしまい…


フランス、スペイン、そしてリュクサンブールの合作となる今作は、2017年夏に同州の複数の村で撮影されました。ラックス監督が教鞭を取るボンペウ・ファブラ大学のドキュメンタリー製作の修士課程を取っている生徒たちが製作に参加、また主役は全2作にも出演していたShakib Ben Omarで、後はノンプロの俳優で占められています。


(不謹慎にも)美しいポスター、映像が楽しみな作品です。

b0163829_07241094.jpg


by berceau-du-cinema | 2019-04-17 07:23 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

セシル・ド・フランスがシャーマン役に挑戦

フランスの女性監督の新作をもう一本紹介。これまでの2本の作品がカンヌ映画祭監督週間に選ばれているファビエンヌ・ベルトー監督の新作”Un monde plus grand(さらに大きな、ある世界)”は、女性ジャーナリストCorine Sombrunが2004年に発表した体験記”Mon initiation chez les chamanes(シャーマンの元での私のイニシエーション)”を原作としています。


ジャーナリストの仕事でモンゴルに旅立ったコリーヌはオユンという名のシャーマンに出会い、運命が一転します。シャーマニズムの儀式でトランス状態に陥ったコリーヌには、自身にもシャーマンの才能があると告げられます。彼女はシャーマンの修行を積みながら、研究所と組んでその謎を解明しようとする物語です。

b0163829_08341561.png

主役を演じるのはセシル・ド・フランス。これまでのベルトー監督の作品にはずっとダイアン・クルーガーが出演していたので、これは新鮮な変化かも。撮影は昨年6月に約1ヶ月をかけてモンゴルで、その後、9月にベルギーのリエージュで行われました。ちょっと興味深いテーマの作品です。


by berceau-du-cinema | 2019-04-16 08:32 | CINEMA/PROJET | Comments(0)