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<   2009年 03月 ( 29 )   > この月の画像一覧

FLAIRS & BEN

友人のミュージシャン、FLAIRSのコンサートに行ってきました。場所はサン・マルタン運河沿いにあるポワン・エフェメール。1月末にあったコンサートはロッテルダム映画祭と重なって行けなかったために、リベンジです!

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彼の音楽のジャンルを何と言って表せばいいのか…と悩んでいたら、MY SPACEには「eccentric and off-beat pop & electro」と書かれていました。なるほど。早くからフランスのカルチャー雑誌Les Inrockuptiblesの付録のコンピレーションアルバムにピックアップされるなど注目度大だったのですが、昨年発売されたシングルの””Better Than Prince"のPVはジャスティス、カニエ・ウェスト、そしてマドンナ&ジャスティン・ティンバーレイクを手がけたジョナス&フランソワが担当!その原画が展覧会とネットで販売され、すぐに全てソールドアウトになったことも話題になりました。

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FLAIRSはこの4月後半に2週間ほどイラストレーターのパートナーとヴァカンスで日本に行くそうです。もし見かけたら声をかけてあげて!

また彼の弟もミュージシャンです。名前はBEN SYMPHONIC ORCHESTRA。日本でアルバムを出したことも。スタイルは全く違うのですが、こちらもお薦めです!

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FLAIRS/MY SPACE:http://www.myspace.com/mightyflairs
BEN SYMPHONIC ORCHESTRA/MY SPACE:http://www.myspace.com/benssymphonicorchestra
ポワン・エフェメール 公式サイト:http://www.pointephemere.org/

* 今日見た映画

<回顧特集> マルコ・ベロッキオ @マジック・シネマ、ボビニー

Sbatti il mostro in prima pagina(英語タイトル“Slap the Monster on Page One”)”(マルコ・ベロッキオ/イタリア/1972)★
政治的な骨太なドラマでした。当初予定されていた監督が病気で降板。ベロッキオ監督が引き受けた理由は「ちょっとオーソン・ウェルズ的でちょっと40〜50年代のアメリカ映画の伝統に基づいたプレスの権力を描くというハリウッド的な背景があったから」とのこと。
by berceau-du-cinema | 2009-03-31 23:30 | MUSIQUE | Comments(0)

カンヌ国際映画祭/候補作品 2

3月3日付けのブログで今年のカンヌ映画祭に出品される可能性のある作品のリストをあげましたが、フランスの映画情報サイトALLOCINEにもリストが掲載されました。抜けていた作品をリストアップすると…

忘れていました、ジャン=リュック・ゴダール監督の新作!しかもタイトルは”Socialism(直訳:社会主義)”です!この新作は昨年秋にヨーロッパのあるアヴァンギャルド系の映画祭で一部の映像が流れた、という噂を聞きました。既にネット上で写真を数点見ることができます。詳しい内容は明らかになっていませんが、元テニス選手で現在は執筆活動をしているカティ・タンヴィエが出演しています。タンヴィエさんはインタビューの中で、テニスのファンであるゴダールが彼女の回想録”Déclassée”を気に入り、出演依頼をしてきたことを明かしています。(彼女はゴダールと何回かテニスもしたとのこと!)

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*イベントとなるであろう作品

ジャン=リュック・ゴダール監督”Socialisme”
マーチン・スコセッシ監督 "Shutter Island"
オリヴィエ・ダアン監督”My Own Love Song”

*フランスの候補者

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アンヌ・フォンテーヌ監督”Coco avant Chanel” *フランス公開は4月22日になっていますが、まだ可能性あり、との見方。
クロード・ミレール監督”Marching Band” *ドキュメンタリー
カトリーヌ・コルシニ監督”Partir”
エマニュエル・ムレ監督”Fais-moi le plaisir!”
ミア・ハンセン=ロブ監督”Le Père de mes enfants”
アラン・ギロディ監督”Le Roi d'évasion”
ラウル・ルイズ監督”Mademoiselle Christine”
ブリュノ・ポダリデス監督”Banc publics(Versailles rive droite)”
ジャン=クリストフ・クロッツ監督”Lignes de front”
ドゥニ・デルクール監督”Demain dès l'aube…”
アクセル・ロペール監督”La Famille Wolberg”

*アメリカ製

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スパイク・ジョーンズ監督”Where The Wild Things Are”
サム・ライミ監督”Drag me to Hell”
ジョン・ヒルコート監督”The Road”
ジム・シェリダン監督”Brothers”
ヴェルナー・ヘルツォーク監督”Bad lieutenant”

*世界中からの映画

ニコラス・ウィンディング・レフン監督 ”Valhalla Rising”
Chao Wang監督 "Starting Over"
ルカ・ベルヴォー監督 ”Rapt!”
Micha Wald監督"Konianski père & fils"
ジョナサン・ノシター監督”Rio Sex Comedy”
コルネリウ・ポルンボユ監督”Intermediar”

*特別上映…

ヴァンサン・パタール&ステファン・オビエ監督"Panique au village"  *アニメーション
ウェス・アンダーソン監督”The Fantastic Mister Fox”
ヤン・アルテュス=ベルトラン監督”Home”*ドキュメンタリー
諏訪敦彦&イポリット・ジラルド監督 ”Yuki et Nina”
"New York, I Love You" *オムニバス

2005年の作品で既に日本では公開されているオムニバス『それでも生きる子供たちへ』も入っていたので、ちょっと「?」な部分も。

とにかく公式発表まで1ヶ月を切りました!

<追記>
『顔のない眼』『シベールの日曜日』、そしてデヴィッド・リーン監督作品などで知られるフランス出身の映画音楽作曲家、モーリス・ジャール氏が亡くなりました。心からご冥福をお祈りします。

* 今日見た映画

『レッドクリフ』(ジョン・ウー/アメリカ・中国・日本・台湾・韓国/2008年/145分)★★
待ちに待った1年間。本当は三つ星をつけたいところですが二つに…というのもフランスはアメリカ同様パート1と2をまとめたダイジェスト版で公開だったのです!突っ込みどころが満載だったのは、そのせいでしょう…ああ、全編を大スクリーンで見たい…

* 3月29日日曜日に見た映画

<回顧特集>エリッヒ・フォン・シュトロハイム@オルセー美術館

“Erich von Stroheim”(モーリス・ルメートル/フランス/1979/50分) ★
文字主義(レトリズム)のアーティストで今なお現役のモーリス・ルメートルが『愚かなる妻』をバックに昔出版された伝記の序文を読み上げ、シュトロハイムに敬意を捧げています。

<回顧特集> ヨリス・イヴェンス@シネマテーク・フランセーズ

プログラム19 “GUERRE ET SUIVIE”
『北緯17度』(ヨリス・イヴェンス&マルセリーヌ・ロリダン=イヴェンス/フランス、ヴェトナム/1967/113分) ★★

* 3月28日土曜日:映画に行けませんでした…
by berceau-du-cinema | 2009-03-30 18:44 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

アルジェリアの歴史を辿るラシッド・ブシャレブ監督

今年のベルリン映画祭の公式コンペで上映された”London River"のフランス公開を夏に控えているラシッド・ブシャレブ監督。

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現在、ブシャレブ監督は、2006年のカンヌ国際映画祭で男優賞をグループ受賞した『デイズ・オブ・グローリー』の続編的作品”Hors-la-loi(直訳:無法者)”を、今年6月の撮影スタートに向けて準備中です。

この作品では、1945年5月8日にフランス植民地時代のアルジェリアで起きたセティフの虐殺から1962年のアルジェリア独立までの17年間を舞台に、3人の兄弟の運命を描いています。撮影はフランス、ドイツ、チュニジア、アルジェリアの他、NYの国連本部も含まれています。『デイズ・オブ・グローリー』に出演していたサミ・ブアジラ、ロシュディ・ゼム、ベルナール・カンパンは既に契約にサイン済。ブシャレブ監督は更なる続編も構想しており、最終的に3部作にしたいと考えているそうです。

この作品は国立映画センターの資金援助も得ています。フランス史における負の部分であるアルジェリア独立の経緯を、半世紀の時間を経て、やっと『デイズ・オブ・グローリー』同様にアルジェリア系監督によるアルジェリアの人々の視点を通して描くことができるようになったのはとても素晴らしいことです。

またブシャレブ監督はアメリカでのプロジェクトも何本か持っているそうです。その中の一本はブラック・パンサーの活動家で、黒人であり女性であるという二重の差別と闘い、現在もアメリカの大学で教鞭をとるアンジェラ・ディヴィスの伝記映画。こちらもとても楽しみです。

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* 今日見た映画

<回顧特集>エリッヒ・フォン・シュトロハイム@オルセー美術館

『クイーン・ケリー』(エリッヒ・フォン・シュトロハイム/アメリカ/1928/105分) ★★★
プリントがない部分はテロップとスチール写真で補っていました。ああ、全編見たい…
by berceau-du-cinema | 2009-03-27 21:01 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

エマニュエル・べアールが女王様に?

…といってもこれは子供の想像の世界の話。エマニュエル・べアールとジャック・ガンブランが夫婦役を演じる新作"Nous trois(直訳:私たち3人)"の撮影が、月曜日からルクセンブルグでスタートしました。

舞台は1970年代初頭。仕事場に閉じこもってばかりいる発明家の父親と、彼の愛情不足にフラストレーションと孤独を感じている母親。想像力豊かで感受性の高い10歳の息子セバスチャンは、ある日、エリザベス2世に関する記事を読み、想像の世界の中で母親をとても幸せな「女王様」に見立て始めます。とても可愛らしいストーリーと思いきや、なんとこの少年、向かいに引っ越してきた家族の夫(=理想の王子様)と不倫関係になった母親を影ながら応援し始めるんです!これって現代的?それともフランス的?しかしもちろん物語の展開は少年の思った通りには運ばないようですが…

監督はこれが長編2作目となるルノー・ベルトラン。ジャック・ドレー監督の作品や『ペダル・ドゥース』などで第一助監督を務めた他、人気TVドラマ”Clara Sheller”のスタート時のエピソードの監督を6本担当するなど、TVでのキャリアもある監督です。ジャック・ガンブランはベルトラン監督の前作” Les Irréductibles(直訳:不屈の人たち)”にも出演しています。

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共演には不倫相手役に『ぜんぶ、フィデルのせい』などの出演しているイタリア人俳優ステファノ・アコルシ、その妻役にフィリップ・リオレ監督の新作”Welcome”で好演しているオードレィ・ダナなど魅力的なメンバーが揃っています。撮影は南仏も含めて5月8日まで続けられます。

* 今日見た映画

<新作>

『チェイサー』(ナ・ホンジン/韓国/2007/123分) ★
2008年カンヌ国際映画祭招待作品 他

“Un chat, un chat” (ソフィー・フィリエール/フランス/2008/106分)
2009年ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品 
タイトルは「歯に衣を着せない」という意味?俳優のマチュー・アマルリックが見に来ていました。会いたい人は映画館に張ってみて下さい。mk2 Quai de Loireの平日夜10時の回です。会えなかったらごめんなさい…
by berceau-du-cinema | 2009-03-26 20:04 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

映画界のサラブレッドが監督デビュー!

俳優で脚本家のクリストファー・トンプソンが監督デビューをすることになりました。

ジェラール・ウーリーを祖父に、ダニエル・トンプソンを母に、と映画一家に生まれた彼は20歳の時に俳優デビュー。脚本家としては『ブッシュ・ド・ノエル』から『シェフと素顔と、おいしい時間』や『モンテーニュ通りのカフェ』、そして今年のフランス映画祭で上映された『コード』など母親の作品を共同脚本(もちろん出演も)、また『輝ける女たち』などにも執筆参加しています。

初監督作品”Bus Palladium”で彼が選んだのは、80年代、パリを中心に活躍する4人の若者のロック・グループの物語。レコード会社も見つかり人気が出てきたにも関わらず、一人は将来を心配して学業を続けようとし、もう一人は音楽の世界に完全に没頭しようとする、2人のカリスマ的リーダーの反目とある娘の介入による動揺を描いています。タイトルの”Bus Palladium”は80年代からあるパリのクラブの名前で、監督の青春時代をベースにした、今までの共同脚本作品とは全くスタイルの違う作品になりそうですね。

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出演はケベック出身で今年のセザール賞の新人賞を獲得したマルク=アンドレ・グロンダン、『我が至上の愛〜アストレとセラドン〜』に出演していたアルチュール・デュポン、そして『美しい人』の中でルイ・ガレルを追いかけるマリー役のアガット・ボニツェール(彼女も両親とも監督ですね)、そして監督の私生活でもパートナーのジェラルディン・ペラスも出演します。また音楽は俳優メルヴィル・プポーの兄でミュージシャンのヤロル・プポーが担当します。

撮影は4月2日にスタート。パリとその周辺の有名なコンサート会場で撮影した後、フランス南部のセット周辺に移動します。

* 今日見た映画

<新作>

 『トウキョウソナタ』(黒沢清/日本/2008/109分) ★★
2008年カンヌ国際映画祭ある視点部門大賞/審査員賞
ル・モンド、リベラシヨン、フィガロ、ユマニテの主要日刊紙の他、映画雑誌プレミア、若者向けのカルチャー雑誌レザンロッキュプティブルと週刊誌レクスプレスなどでよい批評が掲載されています。

<回顧特集> マルコ・ベロッキオ @マジック・シネマ、ボビニー

“Gli Occhi, la bocca(英語タイトル“The Eyes, the Mouth”)”(マルコ・ベロッキオ/イタリア/1982)★★
主役のルー・カステルは俳優役、同監督の『ポケットの中の握り拳』を映画館で見るシーンが。
by berceau-du-cinema | 2009-03-25 21:16 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

アラン・ドロン X オリヴィエ・マルシャル!

アラン・ドロンが『あるい裏切りという名の犬』のオリヴィエ・マルシャル監督の新作”Le Gang des Lyonnais(直訳:リヨンのギャング)”に出演する可能性が浮上してきました。1970年にリヨンとその近郊で数々の劇的な強盗事件を起こしたギャング、エドモン・ヴィダルの物語で、現在、普通の生活を送っているヴィダル氏は、マルシャル監督と協力体制をとっているそうです。

監督は現在、テレビドラマ"Braquo"を撮影中ですが、そこでアラン・ドロンに会って出演をオファーし、かなりいい感触を得たそうです。アラン・ドロン自身も2月にもパリのレストランで監督と会食をした、とTV番組に出演した際に語っているので、実現の可能性はかなり高そうですね。またこのTVドラマにも出演しているニコラ・デュヴォシェルがアラン・ドロン演じるギャングの青年時代を演じるそうです。うーん、これは楽しみ!是非、実現して欲しいですね。撮影は2010年春に行なわれる予定になっています。

オリヴィエ・マーシャル監督は前作『やがて復讐という名の雨』でジャン=ポール・ベルモンドを起用する予定でしたが、ベルモンドの健康状態の問題で断念したことがありそうです。またアラン・ドロンはジョニー・トー監督の作品にも出演する話があったのですが、こちらは最終的にジョニー・アリディに決定。この作品”Vengeance”はカンヌでお披露目される可能性がとても高くなっています。こちらも期待度満点!

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さてアラン・ドロンですが、先日発売された彼とロミー・シュナイダーの恋を写真とテキストで綴った”Delon Romy Ils se sont tant aimés ”(フィリップ・バルビエ&クリスチャン・デュロ著)に序文を捧げています。インタビューに答えた彼は、今でもロミー・シュナイダーとの関係は心を締め付けるような、とてもパーソナルなことだと語っています。そして彼女と結婚しなかったことを後悔し、葬式の際には誰にもわからないように参列、その時にポラロイドで撮影した写真を今でも誰にも見せずに財布の中に忍ばせているそうです…

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この本のタイトル、エットレ・スコーラ監督の名作『あんなに愛しあったのに』のフランス語タイトル”Nous nous sommes tant aimés”からインスピレーションを得ていると思うのですが… なので「ドロンとロミー、彼らはあんなに愛し合ったのに」という訳になるのでしょうか…

* 今日見た映画

<新作>

“Revanche” (Götz Spielmann/オーストリア/2008)★ 
2008年ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品 
2009年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
アカデミー好みのドラマティックな作品と思いきや、ある事件をきっかけに交差する二つのカップルの姿を感情過多に陥らずに、しかし丁寧に描いていました。
by berceau-du-cinema | 2009-03-24 20:51 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

フランス映画:2008年総括

フランスの国立映画センター(CNC)より、2008年のフランス映画の総括が発表されました。

まず製作本数は昨年より12本を上回る240本。そのうち、196本がフランスが全面もしくは主要な出資をした作品になります。製作費の総額は150億ユーロになり、一本あたりの製作費は2007年の543万ユーロからなんと18%アップの642万ユーロに。しかしこの数字は巨大バジェットのリュック・ベッソン監督のアニメ"Arthur et la guerre des deux mondes(アーサーとふたつの世界の決戦)"(6883万ユーロ)と"Arthur et la vengeance de Maltazard(直訳:アーサーとマルタザールの逆襲)"(6324万ユーロ)、そして3D海洋ドキュメンタリー"Océans(直訳:オーシャンズ)"(4962ユーロ)の3本に負っており、この3本がないだけで5580万ユーロにダウンします。2000万ユーロ以上の製作費の作品は13本、100万ユーロ以下の低予算の作品は44本になります。

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出資元としてはTVがフランス主導の製作作品の27.8%を支え、また海外セールスは昨年から倍増の12.8%、またフランス国内での配給も好調で60%アップの12.1%。またCNC自体も183企業から集められた自動援助金6988万ユーロを配分、そして56本の作品(そのうち初長編作品は23本)に1845万ユーロの前貸金を出しています。

また海外と共同製作された作品は28カ国95本あり、最も多い国はベルギー(22本)、イタリア(13本)、ドイツ(8本)。また2008年はイギリスとの共同製作の作品は1本もありませんでした。

フランス国立映画センター 公式サイト:http://www.cnc.fr

* 今日見た映画

<新作>

『リーニャ・ヂ・パッシ』(ウォルター・サレス/ブラジル/2008/110分)★
2008年カンヌ国際映画祭公式コンペ出品/主演女優賞
2008年東京フィルメックス オープニング上映

<回顧特集> ヨリス・イヴェンス@シネマテーク・フランセーズ

プログラム12 “INDEPENDANCE NATIONAL/LUTTES DES CLASSES/MAI 68”
『インドネシア・コーリング』 ”(ヨリス・イヴェンス/オーストラリア/1946/22分)
『旅行日記』 (ヨリス・イヴェンス/キューバ/1961/30分)★★
“Le Train de la victoire(直訳:希望の列車)” (ヨリス・イヴェンス/チリ/1964/9分)★★
サルバドール・アジェンデの選挙活動(この際は敗北しますが…)を追った希望に溢れる素晴らしい作品だけに、この後の大統領就任、そしてクーデターのことを考えると逆に悲しくなります…
“Le Soulèvement de la vie(直訳):生命の蜂起”(ヨリス・イヴェンス&モーリス・クラヴェル/フランス/1968/30分)★★
作家のモーリス・クラヴェルと共同監督された本作では、テレビ局によって検閲された五月革命の映像を、モーリス・クラヴェルが考案した通りに再編集されています。
by berceau-du-cinema | 2009-03-23 20:41 | CINEMA/BUSINESS | Comments(0)

アンディ・ウォーホル in Paris

3月21日よりパリのグラン・パレでアンディ・ウォーホルの回顧展がスタートしました。

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グラン・パレの「グラン」をひっかけたであろう”Le Grand monde d’Andy Warhol”と名付けられたこの展覧会、直訳すると「アンディ・ウォーホルの大きな世界」、いやむしろ「アンディ・ウォーホルの社交界」になるでしょうか。文字通り、1960年初頭から亡くなる1987年までに彼が描いた250枚のポートレイトが展示されています。彼の生前に開かれた1979年のホィットニー美術館での回顧展を大幅に上回る規模になるこの展覧会に併せ、グラン・パレでは描かれた俳優たちが出演する映画やウォーホルに関するドキュメンタリーの上映、講演や討論会、子供向けのアトリエも開催されます。開催期間は7月13日まで。

ウォーホル自身が撮った映像作品も見たい!という方にはシネマテークがお薦めです。5月22日まで隔週金曜日に行われているアヴァンギャルド映画の上映にて、彼の代表作の"SCREEN TESTS"(5回上映、各回10人)、"THE VELVET UNDERGROUND AND NICO"、"BLOW JOB"、"KISS"、"EAT"、"OUTER AND INNER SPACE"、"MARIO BANANA"から、かなりレアな作品まで上映されます。3月6日には"CHELSEA GIRLS"が上映。3時間の長尺となるこの作品、今回は12エピソードを時間をずらしながらダブルスクリーンで上映する、完成当時と同じ方法で披露されました。

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またバスティーユにあるアートセンター、ラ・メゾン・ルージュでは5月3日でエクスポジション"Warhol TV"を開催中。50年代からTVに関心を寄せていたウォーホルは、1973年にファクトリーのメンバーと”Soap Opera”3本を制作。1980年、”Fasion”(10エピソード)をクリエーションした後、制作会社Andy Warhol T.V.Productionsを設立。映画、アート、音楽、ファッションの蒼々たるメンバーのインタビューで構成されたこの番組は27話が2つのチャンネルで放送。そして1985年にはMTVの依頼で"Fifteen Minutes"をスタート。彼の死まで続けられれたこのシリーズは5エピソードが作られました。今回のエクしポジションではこれらの映像から最も興味深い場面を様々なテーマごとにまとめて構成されています。今まであまり知られることのなかったウォーホルのクリエーションの一面に触れることが出来ます。

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そして最後に子供たちにも!パリ1区にある児童美術館ミュゼ・オン・エルブでは、今年一杯まで”La Vache de Mr. Warhol(直訳:ウォーホル氏の牛)”を開催。子供たちが牛に変身し、牛乳からどうやってバターやクリーム、チーズができるかお勉強した後、あの有名なアトリエ、ファクトリーをできるだけ忠実に再現したスペースに入って遊ぼう!というもの。4歳から入場可能です。

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グラン・パレ 公式サイト:http://www.rmn.fr/Le-grand-monde-d-Andy-Warhol
シネマテーク・フランセーズ 公式サイト:http://www.cinematheque.fr
ラ・メゾン・ルージュ 公式サイト:http://www.lamaisonrouge.org
ミュゼ・オン・エルブ 公式サイト:http://www.musee-en-herbe.com/

* 今日見た映画

<回顧特集> ヨリス・イヴェンス@シネマテーク・フランセーズ

プログラム1 “1ER FILM, DERNIER FILM”
『ウィグワム 燃える矢』(ヨリス・イヴェンス/オランダ/1911/7分)★★★
『風の物語』(ヨリス・イヴェンス&マルセリーヌ・ロリダン=イヴェンス/フランス、中国/1988/78分)
by berceau-du-cinema | 2009-03-22 20:06 | ART | Comments(0)

THEATRES AU CINEMA/マルコ・ベロッキオ&カルメロ・ベーネ回顧特集

パリの近郊には自治体が経営する映画館があり、通常のプログラムとは別に非常にクオリティの高い映画祭も開催しています。サン・ドニ市(政治的もしくは社会的なテーマ映画祭)、モントルイユ市(テーマ映画祭)、クレテイユ市(女性映画祭/コンペあり)、パンタン市(短編映画祭/コンペあり)などがそうですが、その一つ、ボビニー市にあるマジック・シネマの映画祭"THEATRES AU CINEMA"がスタートしました。

毎年、重要な映画監督と作家を1名ずつ選び、全作品と関連作品を上映するのですが、そのプログラムの充実度はポンピドーセンターの回顧特集に匹敵するほどです。1990年にスタートし、今までにマノエル・デ・オリヴェイラ、アンジェイ・ワイダ、ミロス・フォアマン、マルガレーテ・フォン・トロッタ、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、マルグリット・デュラス、アラン・ロブ=グリエ、ラオル・ルイズ、ルキノ・ヴィスコンティ、グラウベル・ローシャ、ロバート・クレイマー、セルゲイ・パラジャーノフ、デレク・ジャーマン、ジャン・コクトーなど蒼々たる映画人たちの作品が短編、長編、テレビ作品も含めて全て上映されてきました。記念すべき20回目にあたる今年は、イタリアのマルコ・ベロッキオとカルメロ・ベーネ特集が組まれています。

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ボビニー市はやはりそのクリエーションで非常にクオリティの高い劇場も擁しており、私のフランスでの演劇初体験、マルグリット・デュラス原作、ロバート・ウィルソン演出、ミシェル・ピコリ出演の『死の病』を見たのもその劇場でした。この映画祭ではタイトルにあるように映画と演劇だけではなく、文学や音楽とも関連にも焦点を当てています。例えば昨年はデレク・ジャーマン作品の音楽を担当したサイモン・フィッシャー・ターナーのコンサートが開催されました。

今年もイベントが盛りだくさんですが、ベロッキオ監督だけではなく、作品に出演したアヌーク・エイメ、ルー・カステル、セルジオ・カステリート、ラウラ・モランテ、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、マヤ・サンサがゲストとして登場します。また映画評論家ミシェル・シモンの進行によるベロッキオ監督のマスタークラス、カルメロ・ベーネの未発表脚本やなどの朗読やシンポジウムも開催されます。

マジック・シネマ公式サイト:http://www.magic-cinema.fr/

* 今日見た映画

<新作>

“Un lac”(フィリップ・グランドリュー/フランス/)★
2008年ヴェネチア映画祭オリゾッティ部門特別賞
アップリンク主催の映画祭で前作2本が上映された、フランスの孤高の映像作家(といっても本人は至って気さくなんですが…)フィリップ・グランドリューの最新作。ドキュメンタリー、エッセイ、インスタレーションなど様々な媒体を行き来していますが、フィクションンにおいては映像も物語もますますミニマル&官能的になっていきます。

『四川のうた』(ジャ・ジャンクー/中国、日本/2008年/110分)★★★
2008年カンヌ国際映画祭公式コンペ出品
『一瞬の夢』以来、大好きなジャ・ジャンクー。一作ごとに確実に進化していくことに本当に驚嘆します。

<回顧特集> エリッヒ・フォン・シュトロハイム@オルセー美術館
『結婚行進曲』(エリッヒ・フォン・シュトロハイム/1926年/120分)★★★
最高の作品、なのに今回の上映のためにつけられたエレクトロニック・ミュージックが私としては最悪でした…
by berceau-du-cinema | 2009-03-21 21:15 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

政治家を巻き込むフィリップ・リオレ監督の新作

3月11日にフランスで公開されたフィリップ・リオレ監督の新作"WELCOME"が政治家たちを巻き込んだ論争の的となっています。

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恋人のいるロンドンに行くために冬の英仏海峡を泳いで渡ろうとするクルド人の青年と彼を助けようとする水泳コーチを描いた物語で、ヴァンサン・ランドン演じる主人公は違法滞在者を家に泊めた罪で罰せられる他、金銭を受け取って密告の手引きをする人たち、違法滞在者を蔑視する人たち、そして密告する人たちが登場します。

リオレ監督はこの作品にドキュメンタリー的に描かれる現実問題とフィクションとしての劇的描写をとても緻密にとけ込ませています。監督が得意とする微妙な感情を、主役のヴァンサン・ランドン、クルド人青年役のFirat Ayverdi、離婚協議中の妻役のオードレィ・ダナが「足りない」言葉と演技で素晴らしい表現を見せてくれます。

今回の論争の発端は、リオレ監督がこの公開に際するインタビューなどで不法滞在者の問題を第二次世界大戦中、占領下のフランスにおけるユダヤ人の状況と同じである、と発言したためです。この発言に対して移民省のエリック・ベッソン大臣が反発。それを受けてリオレ監督は日刊紙ル・モンドにベッソン大臣に宛てた手紙を公開しました。作品は全て現実に起こっていることを題材にし、また現実はフィクションを越えた状況であることをリオレ監督は手紙の中で記しています。ベッソン大臣は「素晴らしい作品であるが、この意見を撤回するように」と求めていますが、これに対して移民を援助する市民団体も監督を支持、また不法滞在者を援助したものに科される刑の廃止案を提案している野党の社会党の代議士たちは"WELCOME"の上映会を開催しました。

今年のベルリン映画祭パノラマ部門に出品され、「国際批評家連盟賞」(FIPRESCI賞)を受賞した"WELCOME"は公開第1週目を終えて27万人以上を動員するヒット、批評家、観客の評価も非常に高いものになっており、既に今年最も素晴らしいフランス映画の一本とも言われています。
by berceau-du-cinema | 2009-03-20 21:33 | CINEMA/FILM | Comments(0)