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カンヌ映画祭/ある視点&批評家週間 フランス映画

今日はある視点と批評家週間のフランス映画を紹介します。

ある視点部門:

”Irène(直訳:イレーヌ) アラン・カヴァリエ監督(フランス)

シノプシス:イレーヌと監督。とても緊密な、しかし多くの影を抱えた関係。イレーヌは消える。そして数年後、日記が見つかる。新鮮さ。危険。どうやってこれを一本の作品にするのか?
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色々探したのですが、現時点で見つかった情報はフランスの映画サイトに載っていたこのシノプシスだけ。映画祭の記者会見でティエリー・フレモー氏はイレーヌとは監督のパートナーだった方と言っていました。ここ数年の同監督の作品同様、低予算、一つのテーマ/被写体に迫る監督自身の考察をポートレイト形式で描いたエッセイのようです。

”Demain dès l'aube…(直訳:明日、夜明けの後すぐに…)”ドゥニ・デルクール監督(フランス)

出演:ヴァンサン・ペレーズ、ジュレミー・レニエ、アデリーヌ・ザルディアンスキー
シノプシス:現実世界を遮断してしまうほど歴史的闘いに情熱を傾けるポール。彼を心配した母親は、彼がこの耽溺から抜け出すように兄のマチューに救いを求める。
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日本でも公開された『譜めくりの女』に続いてある視点部門に選ばれたドゥニ・デルクール監督。自身もヴィオラ奏者でストラスブールの国立音楽学校で教鞭を取っている監督は、今までは音楽の世界をテーマにした作品を描いてきましたが、新作ではそこから離れています。フランス公開は8月21日。

”Le Père de mes enfants(直訳:私の子供たちの父親)”ミア・ハンセン=ロブ監督(フランス/ドイツ)

出演:キアラ・カッゼリ、ドミニク・フロ、エリック・エルモスニノ、ルイ=ドー・ド・ランクザン
シノプシス:愛する妻、3人の可愛い子供たち、そして情熱を傾けることのできる映画プロデューサーという仕事…全てを手に入れているグレゴワール。仕事に追われる彼だが、週末だけは家族と田舎で過ごすことにしている。しかしあまりにも多くの製作作品、あまりにも多くのリスク、あまりにも多くの借金を抱えてしまった彼は、絶望という現実に直視する日を迎える。
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2005年2月に自ら命を断ったプロデューサー、アンベール・バルサンの最後の数日と、彼の死が親近者にもたらしたものにインスピレーションを受けた作品です。アンベール・バルサンが亡くなった時のニュースは私もよく覚えていますが、フランスだけでなく、ヨーロッパやアラブ諸国にも目を向け、作家性の強い作品を擁護し続けた重要なプロデューサーでした。彼の役はゲンズブールの伝記映画で主役を演じるエリック・エルモスニノが。ミア・ハンセン=ロブ監督は監督週間に前作が出品。まだ若い女性監督ですが、ヌーヴェルバーグ以降、フィリップ・ガレルやジャック・ドワイヨンなど70年代のフランス映画のエスプリを持っているところは、元カイエ・デュ・シネマの批評家らしいですね。実生活のパートナー、アサヤス監督と一緒のところをシネマテークやポンピドーセンターでよく目にします。フランス公開はまだまだ先、12月16日になっています。

批評家週間部門:

”Adieu Gary(直訳:さらば、ゲーリー)”Nassim Amaouche監督(フランス)

出演:ジャン=ピエール・バクリ、ドミニク・レイモン、ヤスミン・ベルマディ、サブリナ・ウアザニ
シノプシス:数年前から住人が少しずつ引っ越していってしまっている労働者用団地。しかしここに残ることを決意した人たちもいる。それは自分たちが生まれ育った場所を離れたくないという、必然というよりも自分自身の選択からなのだ。その中には自分がずっと使ってきた機械を手入し続ける誠実な労働者フランソワ、久しぶりに故郷に戻ってきた彼の息子のサミール、彼らの隣人のマリア、そして彼女の息子で実の父を知らずに育ち、自分がゲーリー・クーパーの隠し子であると確信しているジョゼがいる。ジョゼは毎日道ばたにたたずむ、現代のノーマンズ・ランドといえる町をウエスタン映画の舞台に置き換えながら、ゲーリー・クーパーを待ち続ける。。
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フィクションとドキュメンタリーの2本の短編が国際的な評価を得ている現在31歳の監督。
フランスは7月22日に公開。(上記の写真はフランス地方紙のサイトに掲載されていた撮影風景)

”Rien de personnel(直訳:個人的なことは何もない)”Mathias Gokalp監督(フランス)
出演:ジャン=ピエール・ダルッサン、ドゥニ・ポダリデス、ザブー・ブライトマン、パスカル・グレゴリー、メラニー・ドゥティ、ブーリ・ラナー
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シノプシス:ある薬品会社が新製品の発売を記念したパーティを開催。しかしこの会社は買収の危機に立たされており、このパーティは社員たちの「試験」の場所になっていたのだ。新しい管理職チームを作るためのロールプレイング・ゲームがスタート。そのことを知った社員たちは自分のポストを守るために必死になる。
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ベルギーの映画学校INSASを卒業したMathias Gokalp監督は、フィクションの短編、ドキュメンタリー、TV番組の監督から映画教育コースの講師を勤めるという一面も。短編作品にいくつかはヨーロピアン・フィルム・アワードにノミネートや監督週間でSACD賞などの評価を受けています。フランスの公開は11月の予定

“Lascars (Round da Way)” アルベール・ペレイラ=ラザロ&エマニュエル・クロッツ監督(フランス)
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声の出演:ヴァンサン・カッセル、ダイアン・クルーガー、ジル・ルルーシュ、フレデリック・ベル
シノプシス:大都市郊外の町コンデ=シュール=ジネット。MCのトニーとジョゼはむせかえる暑さから脱出するためにカリブ海へヴァカンスに出かける予定が、騙されてしまい旅行代を失ってしまう。ギャングスターの手助けで新しいビジネスを立ち上げようとするトニー。そしてジョゼは、気になる美女クレモンスの父親である判事の家での仕事を見つけるが…
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学生時代からの友だちで仕事仲間でもある二人組によるフレンチラップ全開の若者向けアニメはフランスの有料テレビ局カナルプリュスの人気番組の映画化。TV版は1分のエピソード30本が放送されたそうですが、かなりの高い視聴率をマークしたそうです。英語タイトルは“Round Da Way”。フランス公開は6月17日。公式サイト:http://www.lascars-lefilm.com/
by berceau-du-cinema | 2009-04-30 22:51 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭/続報

カンヌ映画祭のニュースが続々入ってきていますので、今日はまとめて紹介。

まず招待作品に1本追加されました。しかも女優のファニー・アルダンによる初監督作品です。

“Cendres et sang” ファニー・アルダン監督(フランス)
出演:ロニ・エルカベッツ、マルク・ルシュマン、アブラハム・ベラガ、クレール・ブアニッシュ
シノプシス:マルセイユ、夏。外国人のジュディット10年前に夫を殺されて以来、は女一人で3人の子供を育てている。長男のイスマエルは22歳で生きる喜びを味わっている最中だかが、次男で20歳のパシュコはかなり内向的だ。そして15歳の長女ミラは難聴にも関わらず、明るく育っている。親族の結婚式のために、ジュデフィットは家族を連れて18年ぶりに祖国を訪れる決意をする。しかし彼女の帰郷は敵対する徒党の古い憎しみを掘り返すことになってしまう。
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アルバニアを代表する作家イスマイル・カダレが1985年に発表したエッセイ“Eschyle ou le grand perdant(直訳:アイスキュロスあるいは偉大な敗北者)”が原作。は当初、ファニー・アルダンが主人公を演じると言われていましたが、最終的にはイスラエルを代表する女優ロニ・エルカベッツ(『迷子の警察音楽隊』)が選ばれました。ファニー・アルダンは公式コンペの“Visages”、ロニ・エルカベッツは招待作品の“Jaffa”にも出演しています。また今作の舞台にルーマニアを選んだのは、『永遠のマリア・カラス』の撮影で同地を訪れた際に、俳優やスタッフの仕事ぶりを高く評価したことから、だそうです。上の写真は本作を撮影中のファニー・アルダンです。

また批評週間も特別上映に1本追加が発表になりました。フランス製作によるアニメーション”Les Lascars(直訳:大胆不敵な男たち)”です。カナルプリュスの人気アニメの映画版で、声の出演もヴァンサン・カッセル、ダイアン・クルーガーと豪華。詳しくは同部門の他の作品と共にレポートしますが、とりあえず画像だけ…
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そして2004年からスタートしたカンヌ・クラッシックス。修復された名作や映画史にまつわる作品を上映するこの部門の今年のプレジデントはマーティン・スコセッシに。上映作品はマイケル・パウエル監督の『赤い靴』、アントニオーニ監督の『情事』、ゴダール監督の『気狂いピエロ』、ヴィスコンティ監督の『夏の嵐』、ジャック・タチ監督の『ぼくの伯父さんの休暇』(友だちが修復しています、がんばれ〜)、ジョルジュ・フランジュ監督の『顔のない眼』、オムニバス『ヴェトナムから遠く離れて』など。またロミー・シュナイダーとセルジュ・レジアニ主演、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の未完の作品”L’Enfer (直訳:地獄)”を既に撮影されたシーンや稽古中など現存するフィルムから「再構築」した”L’Enfer retrouvé(直訳:再発見された地獄)”や『大人は判ってくれない』と『勝手にしやがれ』にまつわるドキュメンタリー”Les Deux de la vague(直訳:波から出てきた2人)”など話題になること間違いなしの作品も。そしてジョセフ・ロージー生誕百周年とダーク・ボガードの死去十周年、脚本化ハロルド・ピンター死去1年のオマージュとして『できごと』が上映されます。

また今回のカンヌ映画祭公式セレクションは、43歳の若さで先日急逝したオランダ人映画プロデューサー兼海外セールスの重要人物、ヴァウター・バレンドレクトに捧げられています。一般の方には聞いた事のない名前かもしれませんが、ロッテルダム映画祭で共同製作フォーラムを設立、ウォン・カーワイ監督らアジアの才能を世界に送り出し、ゲイ&レズビアン映画を擁護するなど、バレンドレクト氏がインディペンデント映画界に残した功績は大きい、という言葉だけでは足りないほど。最近では『トウキョウソナタ』の製作にも参加していました。彼が最後に関わった1作、ペンエーグ・ラッタナルアーン監督によるタイ映画 "Long dream"はある視点部門に選ばれています。

さて、来期のロカルノ映画祭の芸術ディレクター就任のため、今年が最後になる監督週間部門のディレクター、オリヴィエ・ペールの後任が決定した模様です。パリ郊外の映画館のディレクター、某国際映画祭のトップ、アフリカ映画の専門家など様々な人物の名前が飛び交っていたのですが、最終的にはその噂の中の一人、現選考メンバーであるフレデリック・ボワイエ氏に。現在50歳のボワイエ氏は「見つからないDVD/ヴィデオがあれば、ここに行け」と誰もが言うパリのビデオレンタル屋Vidéosphèreのオーナー。私も学生時代にはとてもお世話になりました。監督週間の評価を改めて高めたペール氏の後任だけに、同じエスプリを持つボワイエ氏が選ばれたのでしょうか。来期の選考メンバーの構成と選出作品に注目したいですね。

そして最後に…映画祭事務局が、公式コンペの審査員を新たに1人追加しようと動いているという情報が。映画関係者かその他の芸術的な活動をしている人物ということですが…確かに現在は8名で、意見がまっぷたつに分かれた時は大変でしょう。
by berceau-du-cinema | 2009-04-29 20:04 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭/監督週間 フランス映画

今日は監督週間のフランス映画をリポート。バラエティ豊かな作品が集まりました。

“Les Beaux Gosses(直訳:可愛い子供たち)” Riad Sattouf監督 (フランス)
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出演:ヴァンサン・ラコスト、アントニー・ソニゴ、アリス・トレモニエ
シノプシス:母親と二人暮しの14歳のエルベはいたって普通の少年。学校の成績もまあまあ、仲のいい友だちに囲まれている。目下のところ、彼の頭の中を閉めているのは女の子とつきあうことだが、こればかりはなかなかうまくいかない。しかしどうした訳か、クラスで最も可愛い女の子の一人オーロールが彼のことを気に入った。どうにか彼女とつきあうことに成功したエルベに、ポルノ映画大好きの親友カメルが色々けしかけてくる。でもエルベはオーロールの前に出るとたじたじになってしまうのだ…
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映画祭で敬遠されがちなコメディ。しかし松本人志監督の『大日本人』やグレッグ・アラキの"Smiley Face"を上映した「過去」を持つこの部門に選ばれたからには、ただのコメディではないはず!主役は思春期の少年少女ですが、脇をノエミ・ルヴォフスキー、イレーヌ・ジャコブ、エマニュエル・ドゥヴォス、ヴァレリア・ゴリーノらががっちり固めています。フランス公開は6月10日。バカンスシーズン到来に向けて、10代層の集客を狙ってますね!

“La Famille Wolberg(ウォルベール一家)” アクセル・ロペール監督 (フランス)
出演:フランソワ・ダミアン、ヴァレリー・ベンギギ、レオプルディヌ・セール、ヴァレンタン・ヴィグール、ギョーム・ヴェルディエ、ジャン=クリストフ・ブヴェ
シノプシス:田舎の小さな町の町長シモン・ウォルベール。ソウルミュージックに合わせて子供たちに奇妙な演説をしたり住民たちの私生活に立ち入ったりするこの町長は、娘に将来独立して家を出て行かないと誓わせ、幸せな家族の結束にこだわり続けている。娘の18歳の誕生日が近づき、そのパーティの準備が始まるが…
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1972年生まれの女性監督アクセル・ロペールは2005年に発表した中編作品“Étoile violette”が既に監督週間で上映された経験あり。セルジュ・ボゾン監督(パートナーと聞きましたが、真偽は不明)とはお互いの作品に脚本や出演で協力しあっていますね。二人は映画評論雑誌LA LETTRE DU CINEMAの編集長でもあります。フランス公開日はまだ決定していません。

“Le Roi de l’évasion(直訳:逃避の王様)” アラン・ギロディ監督 (フランス)
出演:Ludovic Berthillot, Hafsia Herzi, Pierre Laur, Luc Palun, Pascal Aubert, François Clavier
シノプシス:農業用製品を売っている43歳のアルマンは孤独なホモセクシャルの人生に飽き飽きしている。ある日、厚かましい思春期の娘カーリーに出会った彼は、ヘテロに転向。周りの人々に追われ、危険に立ち向かいながらも禁じられた愛に生きるようとする二人。しかしこれは本当にアルマンが夢見たものだったのか?
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田舎を舞台にちょっとずれた人たちをちょっとずれたテンポで描き続けるギロディ監督は、長編作品4本(うち1本はTV用)と中編1本のうち、3本が監督週間で上映されている同部門のお気に入り監督。いつも無名俳優を使う事が多いのですが、今作には『クスクス粒の秘密』のアフシア・エルジが出ていますね。フランス公開は8月5日。

“La Terre de la folie(直訳:狂気の地)” リュック・ムレ監督 (フランス)
出演:リュック・ムレ
シノプシス:南アルプス出身の監督は、この地方に精神障害が原因で起きた事件が多いことに気づき、家族や親近者から出発して、ここ数年に起きた様々な「事件」の調査に乗り出す。
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現在、ポンピドーセンターでの回顧特集が盛況中のリュック・ムレ監督、74歳の新作!グロバリゼーションが問題化する30年近く前に食の問題を取り上げた監督が、今回の重いテーマを彼なりにどのように料理して見せてくれるのかがとても楽しみです。ちなみ今作の出発点は「遠縁の遠縁がヤギを10メートル移動されたという理由だけで、村長と妻らをつるはしで殺害した」事件だそうです。

“Monparnasse” Mikhaël Hers監督(フランス)
出演:オーロール・スデュー、アデレイド・ルルー、ディディエ.サンドル、テフィヴォー・ヴァンソン
シノプシス:ある夜、3人の女性、大通りのネオン、人影のない通り、画廊、眠りについた公園、タワーの前の広場、駅のテラス、出発ホームのカフェ、カメラ、コンサート、テラス、そして目覚める街、モンパルナス。
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国立映画学校フェミスを2004年に卒業したMikhaël Hers監督は、2006年と2007年に短編作品が批評家週間に選出されています。監督週間の選考委員の一人でカイエ・デュ・シネマの批評家(先日、日本に来ていた人ですね)がHers監督の作品を高く評価している、とは聞いたことがありますが、今回でかっさらいましたね!中編の今作は特別上映になっています。現在、初長編を準備中で夏に撮影スタート、ということなので、完成の暁にはすごい争奪戦になるかも知れません。またHers監督は自身の製作会社も持っていますが、会社名がBLUE MONDAY。ニューオーダー(もしくはジョイ・ディヴィジョン)のファンなんでしょうか。
by berceau-du-cinema | 2009-04-28 06:59 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭/公式コンペ&招待作品 フランス映画

今日から少しずつカンヌ映画祭の出品作品を紹介していきます。ただハリウッド製作など簡単に情報が入る作品はパスするつもりです。今日は公式コンペと招待作品に入っている7本のフランス映画を。

公式コンペ

"Un prophète(直訳:ある預言者) "ジャック・オディアール監督(フランス)

出演:Tahar Rahim, Niels Arestrup, Maeva Blue, Adel Bencherif, Reda Kateb, Hichem Yacoubi
シノプシス:まともに学校にも通ったことのないアラブ人のマリックは6年間の服役を受けて18歳で刑務所に。若い新入りに目をつけたのはコルシカ人のグループ。彼らの抗争に巻き込まれながら様々な使命を実行していくうちに、マリックは権力を握って行く。
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『パブリック・エナミー・ナンバー1(Part1&2)』の脚本家アブデル・ラウフ・ダフリが参加したこの作品の舞台は殆どが刑務所の中、出演者も男性ばかりとかなり無骨はハードボイルドです。主役を演じるTahar Rahimは新人で、『屋敷女』にも小さな役で出ていましたが今作が初の大役。マチュー・カソヴィッツ、ヴァンサン・カッセル、ロマン・デュリスと若手俳優から素晴らしい演技を引き出していたオディアール監督の期待にどう答えているかが楽しみ!また『真夜中のピアニスト』にも出演していたニエル・アレストラップも重要な役で出ていますね。フランス公開は8月26日、ヴァカンス後の秋のカルチャーシーズン到来を告げる1本になりそうですね。

"A l'origine(直訳:初めは)"グザヴィエ・ジャノリ監督(フランス)

出演:フランソワ・クリュゼ、エマニュエル・ドゥヴォス、ステファニー・ソコリンスキー、ヴァンサン・ロッティエ、ジェラール・ドパルデュー
シノプシス:高速道路建設の工事責任者と偽ってその地方の人たちを騙しているしがない詐欺師が、高速道路が通る町の女性町長に出会い、今まで無縁であった愛の世界に知る。彼は犠牲者、そして自分自身を嘘から救うことができるのであろうか?
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ジャノリ監督は前作“Quand j'étais chanteur”に引き続きコンペ入り。『加速する肉体』や『情痴 アヴァンチュール』から比べると、かなり大人のドラマに移行してきました。しかも今作は2時間半の長尺。演技派の二人の俳優を迎えて、どんな演出を見せてくれるのでしょうか。フランスではカンヌと同時期の5月20日に公開されます。また公式サイト(フランス語)はメイルアドレスを登録すれば情報を送るシステムになっています:http://www.alorigine-lefilm.com/

"Soudain le vide(直訳:突然、虚無に)"ギャスパー・ノエ監督(フランス)
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出演:ナサニエル・ブラウン、パ・ドゥ・ラ・ユエルタ、エミリー・アリー・リンド、丹野雅、フィリップ・ナオン
シノプシス:両親の死より離ればなれを余儀なくされたオスカーと妹のリンダ。今は日本に住み、オスカーはドラッグの売人、リンダはストリッパーをしている。ある夜、警察に撃たれたオスカー。彼の魂は体を離れ、愛する妹を見守るために彷徨い始める…
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ギャスパー・ノエ監督の久々の新作。同監督を長年バックアップしているアニエス・べ−の会社ラブ・ストリームスも製作参加しています。日本で撮影されたことが話題になっていますが、臨死体験を扱っている作品なので、特殊効果にとても時間がかけられていました。監督はこの作品について語った際に「『2001年宇宙の旅』が自分の存在に大きな影響を受けた」、と言っていますが、果たして出来上がった作品ではそれが映像として現れているのでしょうか!しかしこの作品も今まで通りに映画祭で大きな物議を醸し出すのは間違いない、と睨んでいます。お気に入り俳優のフィリップ・ナオンが今作にも出ていますが、どんな役なんでしょう!フランスの公開日は未定です。

"Les Herbes folles(直訳:生い茂った雑草)"アラン・レネ監督 (仏/伊)

出演:アンドレ・デュソリエ、サビーヌ・アゼマ、エマニュエル・ドゥヴォス、マチュー・アマルリック、アンヌ・コンシニ、サラ・フォレスティエ、ニコラ・ドゥヴォシェル
シノプシス:歯医者で飛行機操縦が趣味のマルグリット。ある日、彼女はバッグを盗まれてしまう。駐車場に捨てられていた、その中身を拾ったのは孤独は初老の男性ジョルジュ。決して出会うはずのなかった二人のためらいの恋の物語が、飛行機操縦のために8つのステップにそって描かれる。
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まもなく87歳のアラン・レネ監督、80年の『アメリカの伯父さん』以来、久々のカンヌ登場です。それにしてもレネ監督はここ数年、一体何作続けてアンドレ・デュソリエとサビーヌ・アゼマを使って作品を作ってきたのでしょう(答え:7本と9本)…それでも映画祭に選ばれるクオリティーを保っているのには驚かされますが、今作ではエマニュエル・ドゥヴォス、マチュー・アマルリック、そしてニコラ・ドゥヴォシェルまでキャスティングされて、ちょっと若返りも図っているし。カメラは前作に引き続きエリック・ゴーティエ(デプレシャン作品、『ポーラX』『イントゥ・ザ・ ワイルド』…)が担当。日本でも数冊翻訳がされている作家クリスチャン・ガイイの小説“L’Incident”が原作となっています。フランス公開は10月21日です。

招待作品

" L'Armée du crime(直訳:犯罪軍団)"ロベール・ゲディギャン監督(フランス)
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 出演:シモン・アブカリアン、ヴィルジニー・ルドワイヤン、ロバンソン・ステヴナン、ジャン=ピエール・ダルッサン、アリアンヌ・アスカリッド
シノプシス:ナチス占領下のパリ。労働者で詩人のMissak Manouchianは、ユダヤ人、ハンガリー人、ポーランド人、スペイン人、イタリア人など外国人移住者であるが、人権の国、愛するフランスを解放するために闘うことを決意した若者たちを率いていた。命の危険も顧みず、地下活動を続ける彼らは英雄となるが、拷問も辞さないフランスの警察の激しい捜査の後、22人の男性と1人の女性が逮捕、1944年2月に処刑された。ナチスはプロパガンダに利用するために彼らを「犯罪の軍隊」と呼び、写真の載った赤いポスターをフランス中の町に貼ったが、これが逆に彼らを伝説とした。
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主人公のMissak Manouchianは監督と同じアルメニア人の共産主義者。それだけにこの歴史的事件を自らの手で映画化したかったのでしょう。これが初めての歴史映画になりますが、常連俳優のジャン=ピエール・ダルッサン、アリアンヌ・アスカリッドは今作でもしっかり出演しています。ちなみに俳優の友人がこの作品に爆弾を持ち歩くヒロインを尋問するゲシュタポ役で出演していたのですが、撮影中に脚本が変更になって、出演シーンが編集でカットされてしまったそうです…残念。でもなぜかクレジットには名前が載っているそうです。フランス公開は秋、9月16日の予定になっています。

"Ne te retourne pas(直訳:振り向かないで)"マリナ・デ・ヴァン監督(フランス/ベルギー/イタリア/ルクサンブルグ)
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出演:ソフィー・マルソー、モニカ・ベルッチ、ブリジット・カティヨン、アンドレア・ディ・ステファノ、ティエリー・ヌヴィック
シノプシス:結婚して子供が2人いるジャンヌ(ソフィー・マルソー)は初小説の執筆に没頭している。やがて彼女は自分の体が少しずつ変化していくのに気がつくが、周りの人は誰も気づいてはいないようだ。動揺する彼女は、ある日、母親の家でイタリア人のある女性の移る一枚の写真を見つける。変身したジャンヌ(モニカ・ベルッチ)はイタリアで不思議な過去の鍵を知ることになる。
 
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国立映画学校FEMISでフランソワ・オゾン監督の同級生、その後、脚本家と女優としてコラボレートしたマリナ・ドゥ・バン監督の『イン・マイ・スキン』に続く長編2作目。オゾン監督と彼女がいるクラスってすごかったんじゃないかな、と思います。ソフィー・マルソーがモニカ・ベルッチになってしまう話。私だったらソフィーでもモニカでも、どちらになっても人生悔いなし、と思うんですが…。この作品もポストプロダクションに膨大な時間がかけられました。フランス公開は6月3日、カンヌの直後になりました。
公式サイト:http://www.neteretournepas-lefilm.com/

閉幕上映

"Coco Chanel et Igor Stravinsky(直訳:ココ・シャネルとイゴール・ストラヴィンスキー)"ヤン・クーネン監督(フランス)
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出演:アナ・ムグラリス、マッツ・マケルセン、エレナ・モロゾヴァ
シノプシス:1913年、パリ。恋人ボーイ・カペルの庇護の元、精力的に仕事をするシャネル。ストランヴィンスキーの『春の祭典』の初演にシャネルは当時のパリのブルジョワの常識であった暗い色ではなく、真っ白な輝くばかりのドレスで現れる。しかし不協和音を奏でる革命的な『春の祭典』はあまりにも現代的すぎたために観客の罵声を浴び、ストラビンスキーは失望を覚える。
7年後、自動車事故でカペルを失い、シャネルは悲しみに暮れていた。そしてストラビンスキーはロシア革命のためにパリに亡命、しかしどん底の生活を送っていた。ディアギレフの紹介で出会った二人は、お互いに強く惹かれ合い、シャネルはストラビンスキーを病気の妻や子供たちと共に別荘に住むことを提案する。
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もう一つのココ・シャネルの伝記映画。クリス・グリーンハルの原作がベースになっています。年代的には“Coco avant Chanel”に続く形になります。アンナ・ムグナリスが主演で、ぐっとグラマラス度が増したような…日本の配給会社ヘキサゴンが製作参加、ショウゲートと共同配給します。8月に文化村で公開される『ココ・シャネル』(フランスではTV放送のみ)と三つ揃え対決ですね。フランス公開は未定になっています。公式サイト(フランス):http://www.chanelstravinsky.com/
by berceau-du-cinema | 2009-04-27 22:22 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

友人の結婚式

今週末、友人カップルの結婚式がありました。

フランスで結婚式に参加するのは、これが十数回め。日仏、仏々、外国人同士、とカップルの組み合わせは様々ですが、基本的には公的な効力のある役所での式と食事会/パーティというのがフランス式。新郎新婦の宗教によって、ここに宗教的儀式が入る場合もありますが、私はカトリックに1度、プロテスタントに1度に行ったことがあるだけ。でも彼女がモロッコ人でイスラム教徒だったため、義務として結婚に際して改宗した新郎(ギリシャとフランスのハーフ)もいました。食事会やパーティの場所もそれぞれ。家族や友人の庭のあるセカンドハウスでビュッフェ形式もあれば、おいしい街のレストランやパリ郊外のシャトーやセーヌ河や港に浮かぶ平底船を借りたり。

今回の結婚式は、新郎が某国際的有名フォトグラファー(ヒント:マドンナの結婚式を撮った)から絶大な信頼を得て長期のアシスタントを勤めた後に独立、ナイキやレッドケンの広告やファッションページ、ミュージシャンやアーティストのポートレイトなどで知られるフォトグラファー。新婦は日本の女性誌のパリコレおしゃれスナップでも毎回登場するファッション・エディター。彼らには既に3歳になる女の子がいます。新郎がフランスとベトナムのハーフ、新婦がスウェーデン人なので、娘は少しだけアジアの血が混ざり、勝手にちょっと親近感を覚える私。彼らが約半年前に「春に結婚」宣言した時は、どんな式になるのかな?と楽しみにしていたのですが、なんと10日前に「来週結婚するから」と電話で連絡が!招待状もなし!

まず20区の区役所に。集まったのは親族と昔からの友人を中心とした50名ほどの人たち。そこに新郎新婦が娘が登場。やっぱり気になるのは新婦のドレスですが、ブラジル人のデザイナーが彼女のために作ったのはドレープのついた可愛らしいミニドレスで本当に彼女にぴったり!何と式の前日に届いたそうです。間に合ってよかった!そして新郎は30年代風のスリーピースで、とてもオリジナルなスタイル。この区役所の結婚の間はとてもクラシック。大きさもそれほど広くないだけにとても親密な感じで式が進みました。そして指輪交換。これは後から聞いたのですが、オーダーをした新婦の指輪が間に合わず、家族から譲り受けた指輪を代わりに使ったそうです!

その後は区役所の前にあるビョット・ショーモン公園をゆっくり歩きながら横切り、反対側にあるビストロへ。まずはお店の前でシャンパンと生ハムのオードブルを手にひなたぼっこ。それから店内に入って食事スタート。メニューはとても家庭的、ですが、実はこのお店、その美味しさにかなり有名らしく、一見、普通のビストロ料理なのに絶品!デザートまでぺろっと平らげてしまいました。そして自然派ワインの品揃えも素晴らしく、シャンパンとワインはあまりの美味にお酒の飲めない私もついつい…

突然の結婚式の真相は不明(誰も聞けない…)ですが、きっとそれぞれがいつも世界を飛び回っているので、お互いがオフの取れる日を選んだのでしょう。でも結婚式には敢えてアットホームなスタイルにしたのは、華やか且つハードな世界にいながらも、いつも温和な二人らしい選択だと思いました。これから日を改めて、2つほどパーティをする予定、と言っていましたが、これもまだ未定。でも新郎のご両親が、夏に南仏のセカンドハウスでパーティをするから是非来てね、と耳打ちしてくれました。

お幸せに!

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by berceau-du-cinema | 2009-04-26 18:52 | ETC... | Comments(0)

カンヌ映画際/批評家週間 作品決定!

今日は批評家週間の作品リストを紹介します。

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長編第1作め、もしくは2作目を対象としている部門なので、特別上映とコンペに選ばれた9本中、8本が初長編作品。また特別上映の短編には俳優グレゴワール・コランの作品が入っていますね。

この部門の性質上、毎年、新人監督に与えられるカメラ・ドールが批評家週間から出ていることが多いのですが、ここで上映された作品が、その後、フランスを初め各国での配給元も見つける場合も。これは世界に映画を発信する映画際にとっての一つの大切な使命でもあります。この全部門にまたがって選ばれるカメラ・ドールに関しては、コンペとある視点を運営する映画祭事務局にプレッシャーがかかっているのは確かで、昨年は久々にある視点部門で上映されたスティーヴ・マックィーン監督の「ハンガー」が受賞しましたが、今年の記者会見の中でも映画際芸術ディレクターのティエリー・フレモウ氏が若手にもちゃんと目を向けていること新たにを強調していました。

コンペティション/長編:

”Adieu Gary(直訳:さらば、ゲーリー)”Nassim Amaouche監督(フランス)
"Ordinary People" Vladimir Perisic監督(セルビア/フランス)
"Lost Persons Area" Caroline Strubbe監督 (ベルギー)
”Altiplano”Peter Brossens & Jessica Woodworth監督(BE/DE/NL)
”Huacho” アレハンドロ・フェルナンデス・アルメンドラス監督(チリ/フランス/ドイツ)
”Bad Day to Go Fishing” Alvaro Brechner監督(ウルグアイ/スペイン)
”Whisper with the Wind ” Sharham Alidi監督(イラク)

開幕上映
”Rien de personnel(直訳:個人的なことは何もない)”Mathias Gokalp監督(フランス)
特別上映
”Hierro”Gabe Ibanez 監督(スペイン)

コンペティション/短編:
”Together ”Eicke Bettinga監督(ドイツ/イギリス)
”Noche adentro” Pablo Lamar監督 (パラグアイ/アルゼンチン)
”Runaway” Cordell Barker監督 (カナダ)
”C’est gratuit pour les filles(直訳:女の子は無料)” Marie Amachoukeli & クレール・ブルジェ監督 (フランス)
”Tulum”Dalibor Matanic監督 (クロアチア)
”Logorama” H5 監督(フランス)
”Seeds of the Fall” Patrick Eklund監督 (スウェーデン)

特別上映/短編&中編:
閉幕上映
”La baie du renard(直訳:きつねの入り江)” グレゴワール・コラン監督(フランス)
”1989 ”Camilo Matiz監督 (コロンビア)
”Faiblesses(直訳:弱さ)” ニコラ・ジロー監督(フランス)
”6 Hours” Moon Seong-hyeok監督 (韓国)
”Les Miettes(直訳:パン屑)” ピエール・ピノー監督 (フランス)
”Elo” Vera Egito監督 (ブラジル)
”Espalhadas pelo ar” Vera Egito 監督 (ブラジル)
by berceau-du-cinema | 2009-04-25 19:54 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画際/監督週間 作品決定!

昨日に引き続き、本日は監督週間と批評家週間の出品作品の発表がありました。今日は監督週間を。

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来期よりスイスのロカルノ映画際のディレクターに就任することが決まっているオリヴィエ・ペール氏による最後の監督週間。記者会見で配布した資料にはぎりぎりで決まった4作品を入れるのが間に合わなかったそうです。その内の一本は…招待作品枠での上映を断ったフランシス・フォード・コッポラ監督の”Tetro”が開幕上映に!確かに監督週間の名前に左右されないセレクションの質の高さには定評があり、ある視点よりも監督週間で上映したいという監督やプロデューサーの話は何度も聞いたことがありますが、ここまでの重鎮がその選択をしたのはびっくり!若々しくバラエティ豊かな監督の間で刺激を受けたかったのかも知れませんね。またこの作品にはヴィンセント・ギャロも出演していますし、ここに娘のソフィアと婿のトマ・マースまで加われば、監督週間らしい、コンペとはまた違ったグラマラスなイベントになるのでは?

また諏訪敦彦監督が俳優のイッポリッド・ジラルドと共同監督した”Yuki et Nina”が選ばれたのも嬉しいニュース。そしてジム・キャリーとユアン・マクレガーがゲイの恋を演じる”I Love You Phillip Morris”、ペドロ・コスタ監督の新作も楽しみ!

ではフランス映画の選択は、アクセル・ロペール、アラン・ギロディと、ふむふむ、監督週間のメンバーらしい選択…と思ってみていたら、先日、批評家週間に決定か?と書いたRiad Sattouf監督の作品がこちらに入っています!急に興味が倍増!そして現在ポンピドーセンターでの回顧特集が盛況中のリュック・ムレ監督の新作が!トレードマークのショートパンツとサイクリング自転車で会場まで来てくれるとうれしいなあ。

開幕上映
”Tetro”フランシス・フォード・コッポラ監督 (アルゼンチン/スペイン/イタリア)
閉幕上映
”Ajami” Scandar Copti &Yaron Shani 監督(ドイツ/イスラエル)

”Amreeka” Cherien Dabis監督 (アメリカ)
”Les Beaux Gosses(直訳:可愛い子供たち)” Riad Sattouf監督 (フランス)
”Carcasses”ドゥニ・コテ監督 (カナダ)
”Daniel” y Ana”ミシェル・フランコ監督 (メキシコ)
”Eastern Plays” Kamen Kalev (ブルガリア)
”La Famille Wolberg(ウォルベール一家)” アクセル・ロペール監督 (フランス)
”Go Get Some Rosemary”Benny & Josh Safdie監督 (アメリカ)
”Here” Tzu-Nyen Ho監督 (シンガポール)
”Humpday” リン・シェルトン監督 (アメリカ)
”I Love You Phillip Morris” グレン・フィカーラ&ジョン・レクア (アメリカ)
”J’ai tué ma mère(直訳:僕は母を殺した)” グザヴィエ・ドラン監督(カナダ)
”Jal Aljido Motamyunseo (Like You Know It All” ホン・サンス監督 (韓国)
”Karaoke” Chan Fui (Chris) Chong監督 (マレーシア)
”La Merditude des choses(直訳:厄介な状態)” Felix Van Groeningen監督 (ベルギー)
”Navidad” Sebastian Lelio監督 (チリ)
”Ne change rien(直訳:何も変えないで)” ペドロ・コスタ監督 (ポルトガル)
”Oxhide II” Liu Jiayin監督 (中国)
”La Pivellina”監督 Tizza Covi & Rainer Frimmel (オーストリア)
”Polytechnique”ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 (カナダ)
”Le Roi de l’évasion(直訳:脱走の王様)” アラン・ギロディ監督 (フランス)
”La Terre de la folie(直訳:狂気の地)” リュック・ムレ監督 (フランス)
”Yuki & Nina”諏訪敦彦&イッポリッド・ジラルド監督 (フランス/日本)
by berceau-du-cinema | 2009-04-24 21:36 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画際/公式コンぺ&ある視点 作品決定!

5月13日から開催される第62回カンヌ国際映画際の公式コンペ、招待作品、ある視点のセレクションが発表になりました!まずアーティストのAnnick Durbanによる今年のポスターから…第13回の映画際で審査委員賞を受賞したミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』の場面写真が元になっています。

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長編映画の今年の応募総数は120カ国から1670本。昨年は1792本だったのでかなり減りましたが、これは世界的な不況の影響でしょうか。コンペは20本のセレクション。今年は結構きわもの…失礼、ジャンルものが多い気がしますが、ジル・ジャコブ会長はインディペンデントの映画作家の重要性を強調したとか。日本からは是枝監督の『空気人形』がある視点部門に入りました。また日本で撮影された作品が2本(ノエ監督とコイシェ監督)も入っていますね!個人的にはジャック・オディアール監督、ブリランテ・メンドーザ監督、ジョニー・トー監督が入ってうれしいです!そしてヒースにも会えますね…またラヤ・マーティン監督は特別上映とある視点に2本入っています。既に巨匠扱い?そして閉幕上映はもう1本のココ・シャネルの伝記もの。公開を先に越されたリベンジ!!!

さて審査委員ですが、大好きなジェイムズ・グレイ監督が入りました!でもアーシア・アルジェントとスー・チーの組み合わせってどうなんだろう…意外に気があったりして。そういえば、直前にフランシス・フォード・コッポラ監督が招待作品で上映されることを拒否した、というニュースが流れました。すごい余裕(単なる頑固?)かも。ゴダールはどうしてるのかなあ…

開幕上映

『UP/カールじいさんの空飛ぶ家』ピート・ドクター&ボブ・ピーターソン監督(アメリカ)

閉幕上映

"Coco Chanel et Igor Stravinsky(直訳:ココ・シャネルとイゴール・ストラヴィンスキー)"ヤン・クーネン監督(フランス)

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以下、作品リスト(製作国)です。

公式コンペティション

"Los Abrazos rotos " ペドロ・アルモドバル監督(スペイン)
"Fish Tank"アンドレア・アーノルド監督 (イギリス/オランダ)
"Un prophète(直訳:ある預言者) "ジャック・オディアール監督(フランス)
”Vincere”マルコ・ヴェロッキオ監督(イタリア/フランス)
"Bright Star"ジェーン・カンピオン監督(オーストラリア/イギリス/フランス)
”Map of the sound of Tokyo”イサベル・コイシェ監督(スペイン)
"A l'origine(直訳:初めは)"グザヴィエ・ジャノリ監督(フランス)
"The White Ribbon"ミヒャエル・ハネケ監督 (ドイツ/オーストリア/フランス)
"Taking Woodstock" アン・リー監督(アメリカ)
"Looking for Eric "ケン・ローチ監督(イギリス/フランス/ベルギー/イタリア)
"Spring Fever "ロウ・イエ監督(中国/フランス)
Kinatei ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)
"Soudain le vide(直訳:突然、虚無に)"ギャスパー・ノエ監督(フランス)
"Thirst" パク・チャヌク監督(韓国/アメリカ)
"Les herbes folles"アラン・レネ監督 (仏/伊)
"The Time That Remains"エリア・スレイマン監督(イスラエル/フランス/ベルギー/イタリア)
クエンティン・タランティーノ監督 "Inglourious Basterds"
"Vengeance"ジョニー・トー監督(香港/仏/米)
"Visages Faces "ツァイ・ミンリャン監督(仏/台湾/オランダ/ベルギー)
"Antichrist" ラース・フォン・トリアー監督(デンマーク/スウェーデン/フランス/イタリア)

招待作品

"Agora"アレハンドロ・アメナーバル監督(スペイン)
"The Imaginarium of Doctor Parnassus" テリー・ギリアム監督(カナダ/フランス)
ロベール・ゲディギャン監督 " L'Armée du crime"

特別上映

"Mon voisin mon tueur(直訳:私の隣人、私の殺人者)" アンヌ・アギオン監督(アメリカ)*ドキュメンタリー
"Manila" ラヤ・マーティン&アドルフォ・アリックス・ジュニア監督(フィリピン)
”Min ye” スレイマン・シセ監督(マリ)
”L'épine dans le coeur(直訳:心に刺さった刺)”ミシェル・ゴンドリー監督(フランス)ドキュメンタリー
”Pétition” Zao Yang監督(中国)
"Jaffa" Keren Yedaya監督(イスラエル/フランス/ドイツ)

深夜上映

"Panique au village" ヴァンサン・パタール&ステファン・オビエ監督(ベルギー)
”Drag me to Hell”サム・ライミ監督監督(アメリカ)
"Ne te retourne pas(直訳:)"マリナ・デ・ヴァン監督(フランス/ベルギー/イタリア/ルクサンブルグ)

"Mother"ポン・ジュノ監督(韓国)
”Irène(直訳:イレーヌ) アラン・カヴァリエ監督(フランス)
”Precious” リー・ダニエルズ監督(アメリカ)
”Demain dès l'aube…(直訳:明日、夜明けの後すぐに…)”ドゥニ・デルクール監督(フランス)
”A deriva” Heitor Dhalia監督(ブラジル)
”Kasi az gorbehaye irani khabar nadareh” バフマン・ゴバディ監督(イラン)
”Los viajes de viento”Ciro Guerra監督(コロンビア)
”Le Père de mes enfants(直訳:私の子供たちの父親)”ミア・ハンセン=ロブ監督(フランス/ドイツ)
"Tales From the Golden Age"クリスティアン・ムンジウ監督他(ルーマニア)*6本の短編からなるオムニバス
”Tales in the darkness” ニコライ・ホメリキ監督(ロシア)
"Kynodontas" Yorgos Lanthimos監督(ギリシャ)
”Le Tsar” パーヴェル・ルンギン監督(ロシア/フランス)
"Long dream"ペンエーグ・ラッタナルアーン監督(タイ)
”Independancia”ラヤ・マーティン(フィリピン/フランス/ドイツ)
”Intermediar Policier, adjective ”コルネリウ・ポルンボユ監督(ルーマニア)
”Mourir comme un homme”de ホアン・ペドロ・ロドリゲス監督(ポルトガル)
”Eyes wide open” Paula Weiman-Kelman監督(イスラエル)*ドキュメンタリー
”Samson and Dalila” Warwick Thornton監督(オーストラリア)
”The Silent army” ジャン・ヴァン・ド・ヴェルデ監督(ベルギー)
『空気人形』是枝裕和監督(日本)

同時に発表された審査委員団は以下の通り。

公式コンペティション:

イザベル・ユペール(女優/審査委員長)
アーシア・アルジェント(女優)
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(監督)
イ・チャンドン(監督)
ジェームス・グレイ(監督)
ハニフ・クレイシ(脚本家)
スー・チー(女優)
ロビン・ライト・ペン(女優)

シネフォンダシヨン:

ジョン・ブアマン(監督/審査委員長)
ベルトラン・ボネロ(監督)
フェリッド・ブーゲディール(監督)
レオノール・シルヴェイラ(女優)
チャン・ツィイー(女優)

明日発表になる監督週間、批評家週間を含め、作品情報を少しずつアップしていきますね。

* 今日見た映画

“Coco avant Chanel(直訳:シャネルになる前のココ) ”(アンヌ・フォンテーヌ /フランス/2008年/110分)★
『獅子座の女シャネル』をかなり昔に読んだ事があるのですが、映像として見ると新鮮な感じ。最初のパートはシャネルの物語であることを忘れそうになってしまいました。彼女が人生の経験を通してシャネルになっていくのがきちんと描けていました。ただ最後のフラッシュバックが私としては「過去を振り返る」映像とシャネルのイメージが合わなくて、ちょっと残念な気がしましたが…クラシックなフランス映画が好きな方にはお薦めです。
by berceau-du-cinema | 2009-04-23 23:46 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

オードレィ・トトゥがシャネルの後に選んだのは…

本日、”Coco avant Chanel(直訳:シャネルになる前のココ)”がフランスで公開されました。本当にここ数週間、フランスはこの作品の話題でいっぱい。4月6日に行われた完成披露試写会は日本でもニュースになっていましたね。

さて、この作品で若き日のシャネルを演じたオードレイ・トトゥ、既に次回作を決めています。故クロード・ベリ監督の”Ensemble, c'est tout”から”Coco avant Chanel”までは2年のブランクがあったのですが、最近のインタビューに答えた彼女は「ただ気に入った作品がなかっただけ」と答えていました。作品選びに慎重なオードレイの心を射止めたのは…『プライスレス 素敵な恋の見つけ方』に続いてピエール・サルバドーリ監督の新作です!

”Soins complets(直訳:フルコースのお手入れ)”という仮タイトルのついたこの作品は、サルヴァトーリ監督のこと、もちろんコメディです。現在の時点で分かっているのは、物語の舞台がヘアサロン、オードレイがその店主、そして彼女の母親役をナタリー・バイが演じる、ということだけです。彼女が注目を浴びるようになった『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』とちょっと似ている?撮影は今年6月8日から南仏の街セットで行われる予定。この街は昨年の東京国際映画際で上映されたアブデラティフ・ ケシッシュ監督の『クスクス粒の秘密』の舞台でもありましたね。

オードレイが新しい顔となったシャネルの香水No.5の広告キャンペーンは5月5日にスタートしますが、既にその写真や一部映像がネットで流れていますね。『アメリ』『ロング・エンゲージメント』のジャン=ピエール・ジュネ監督が手がけたCMはングバージョンでも2分20分の長さなのですが、製作には4ヶ月を要したそうです!ジュネ監督はメイキング・オフの中で「これは単なるCMではない、別のものである」と語っています。この中でオードレイはセミロングヘア。『プライスレス…』でもそうでしたね。私も彼女はロングヘアの方が柔らかい感じが出て好きなんですが、新作”Soins complets”では、自分自身が美容師の役を演じるだけに、どんな髪型になるんでしょう。

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さて、最後に… 先日、タチ展のポスターが「検閲」にあっていたニュースをお伝えしましたが、シャネルがベッドの中で手にタバコを持っているシーンから取った”Coco avant Chanel”のポスターも然り、でした。本作には3種類のポスターがありますが、それとは別にインターナショナル・ヴァージョンも!

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またこの騒ぎはタバコだけにはとどまっていません。ロン・ハワード監督の新作『天使と悪魔』も「ヴァチカンが私たちに何を隠している?」というキャッチフレーズが問題となり、「500年来、ヴァチカンに対する復讐が準備されている」に変えられています…メトロビュス側は「RATPとSNCFとは政治的もしくは宗教的な意味が込められているメッセージを流すことを禁止する合意をしており、ヴァチカンは一つの国家であるため」と説明しています。
by berceau-du-cinema | 2009-04-22 18:06 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

カンヌ映画際/批評家週間のフランス代表、そして…

金曜日の公式発表を前に、なぜか批評家週間のフランス映画2本が明らかになりました!先週お伝えしたカンヌの噂、全く外れていました…なのでお詫びのしるしに、作品の内容をレポートします。

若手監督の登竜門として知られる批評家週間ですが、選ばれた二人ともこれが長編第1作なので、カメラ・ドール候補になります。

まずMathias Gokalp監督の”Rien de personnel(直訳:個人的なことは何もない)”は社会派ドラマ。ある薬品会社新製品発売を記念したパーティをオーガナイズ。しかしこの会社は買収の危機に立たされており、このパーティは社員たちの「試験」の場所になっていたのだ。新しい管理職チームを作るためのロールプレイング・ゲームがスタート。そのことを知った社員たちは自分のポストを守るために必死になる…という物語。出演はジャン=ピエール・ダルッサン、ドゥニ・ポダリデス、ザブー・ブライトマン、パスカル・グレゴリー、メラニー・ドゥティ、ブーリ・ラナーとなかなか豪華。フランスの公開は11月に予定されています。(下は場面写真から)

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そして Nassim Amaouche監督の”Adieu Gary(直訳:さらば、ゲーリー)”。この「ゲーリー」とはゲーリー・クーパーのこと!既に2本の短編が国際的な評価を得ている現在31歳の監督が作品の舞台に選んだのは、アルデッシュ地方にある寂れた街。自分がゲーリー・クーパーの息子だと信じている労働者を始めとして、慣れ親しんだ街を出る事ができない人々の姿を描いたドラマで、ジャン=ピーエル・バクリ、ドミニク・レイモン、ベルナール・ブランカンとかなり渋いキャスティングが組まれています。この作品は7月22日に公開日が決定。

また批評家週間は『永遠のこどもたち』のフアン・アントニオ・パヨナ監督と『10億分の1の男』フアン・カルロス・フレスナディージョ監督という、二人の才能ある若手スペイン人監督を今年のプレジデントに決定しています。

そして監督週間は今年のカロス・ドール(黄金の馬車賞)を河瀬直美監督に与えることを発表しました。1997年に同部門で上映された『萠の朱雀』でカメラ・ドールを獲得し、鮮烈な国際デビューを放った河瀬監督。今までにもクリント・イーストウッド、ナンニ・モレッティ、デビッド・クロネンバーグ、そして昨年はジム・ジャームッシュ監督が受賞したこの権威あるに賞の受賞式は、監督週間がスタートする5月14日の開幕上映で行われます。

最後にちょっとセレブネタ…毎年、元彼、元彼女とのニアミスが騒ぎになるのもカンヌ映画際の特徴(?)ですが、今年はダイアン・クルーガーとギョーム・カネが、その試練(?)に立つと言われています。ダイアン・クルーガーは出演しているクエンティン・タランティーノ監督 "Inglourious Basterds" とジャコ・ヴァン・ドルマル監督 "Mr Nobody" の2作がコンペの有力候補。そして現在、私生活でもパートナーであるマリオン・コティラールとモロッコで新作”Le Dernier vol du Lancaster” を撮影中のギョーム・カネは、クリスチャン・カリオン監督の新作”Farewell”のプロモーションのためにカンヌ入りする可能性が濃厚だそうです。マリオン・コティラールもついてくるんでしょうか?でも彼女も”Public Ennemies”でジョニー・デップとの撮影中にヴァネッサ・パラディをやきもきさせた、と噂が流れたので、まあお互い様、でしょう。(下は "Mr Nobody" の原作本、可愛い。)

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4月21日火曜日

<新作>

“Sois sage”(ジュリエット・ガルシア/フランス、デンマーク/2008年/91分)★
2009 ロッテルダム国際映画際公式コンペ出品
タブーとも取られがちなとても重いテーマを扱っている作品です。(既にこのテーマに関してはメディアで明らかにされていますが、ここではあえて書きません。)以前にも多くの映画監督たちが扱っているこの難しいテーマを描くこと自体に問題があるのではなく、その描き方が焦点になるのですが、残念ながら本作においてはそのキーとなる部分が映像、台詞などの面で失敗してしまっている、と感じました。しかし展開の運び方や幾つかのシーンでの主人公の娘の不安定さの描写などはとてもうまく捉えていると思うので、とても残念な気がしました。そして主役を演じているアナイス・ドゥムスティエは「素晴らしい」という月並みの表現ではもったいないほどの、内なる慟哭を秘めた演技を見せています。1987年生まれの彼女はイザベル・ユペールと共演したミヒャエル・ハネケ監督の“Le Temps du loup”(2003年)などにも出演、この夏にはヴィクトル・ユーゴの小説を映画化するクリストフ・オノレ監督の新作で主役を演じることが決まっています。大注目の若手女優です。
by berceau-du-cinema | 2009-04-21 17:59 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)