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WEEKEND@LONDON

カンヌの後なのに、いきなりロンドンに行ってきました!目的は…ポール・ウェラーのコンサート、しかもロイヤル・アルバート・ホールです!
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5日間連続のコンサートだったのですが、誕生日にあたる5月25日にはジャムのブルース・ファクストンが登場したそうです!見たかった…残念…私が行った27日木曜日のライブにはステレオフォニックスのケリー・ジョーンズが登場。「イートン・ライフルズ」と「ザッツ・エンターテイメント」の2曲のジャム・ナンバーを一緒に披露しました。また噂の恋人ハンナ・アンドリュース嬢とも「ライト・ナイツ」をデュエットしてました。

しかしイギリスのファンはまるでフーリガンの乗り!一瞬、「ここはサッカー会場?」と目を疑ってしまいました。そして盛り上がるのは、やはりジャム時代のナンバー。スタカンの曲は「シャウト・トゥ・ザ・トップ」の1曲だけでした。この日のライブはネットで放送されたそうです。

ちなみにポール・ウェラーはPretty Greenいうブランドとのコラボを発表。この日もここの服を着用していたそうです。
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その昔、初めてのロンドンで行ったパンクの聖地キングス・ロードを再訪したら、すごくスノッブな街になっていて、びっくり。そして偶然キャロル・リードの住んでいた建物を発見しました。
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HMVにフランスで未発売の「22 DREAMS」を買いに行ったら、トレーシー・ソーンの新譜「ラヴ・アンド・イッツ・オポジット」もあったので即購入。初期に近いアコースティックなスタイルに戻っていて、感動。
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by berceau-du-cinema | 2010-05-30 23:45 | ETC... | Comments(0)

ジャファール・パナヒ監督が釈放!

フランス映画のニュースではないのですが…ジャファール・パナヒ監督が保釈金(156.000 ユーロ相当)を支払い、釈放されたことが明らかになりました。

3月1日よりイラン政府当局に拘束されていたパナヒ監督は、世界中から釈放を求める嘆願書は出され、カンヌ映画祭にも審査委員として選ばれていましたが出席はできず。10日程前からハンガーストライキに入っていました。監督の夫人によると監督は元気な状態ですが、医師の元で診察を受けているそうです。
by berceau-du-cinema | 2010-05-25 22:23 | CINEMA/CELEBRITE | Comments(0)

カンヌ映画祭2010:MY BEST FILMS

*良かった作品…といいつつ、有名監督ばかり…
(順不同/コンペは3分の1しか見ていません)

“Loong Boonmee Raleuk Chaat(Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)”
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
Des Hommes Et Des Dieux(Of Gods and Men)” グサヴィエ・ボーヴォワ監督
“O Estranho Caso de Angelica(Anjelica)” マノエル・デ・オリヴェイラ監督
“Le Quattro volte” Michelangelo Frammartino監督
“Tiger Factory” ウー・ミンジン監督
“La Mirada invisible(The Invivible Eye)” ディエゴ・レルマン監督
“Boxing Gym” フレデリック・ワイズマン監督
“I Wish I Knew” ジャ・ジャンクー監督

次点:
“Tournée(Tour)” マチュー・アマルリック監督
『アウトレイジ』北野武監督
“Un Homme Qui Crie(A Screaming Man)” マハマット=サレー・ハルーン監督
“Life Above All” Oliver Schmitz監督
“Aurora” Cristi Puiu監督
“Todos vós sodes capitáns(You Are All Masters)” Oliver Laxe監督
“Bi, dung so ! (Bi, Don’t Be Afraid)” Phan Dang Di監督

*上映中に気絶してしまったけれど、もう一度きちんと見たい気になる作品

“My Joy” Sergei Loznitsa監督
“Rebecca H. (Return to the Dogs)” ロッジ・ケリガン監督
“Octubre” Daniel&Diego Vega監督

*見逃してしまい、早く見たい作品

“Poetry” イ・チャンドン監督
“Another Year” マイク・リー監督
“Kaboom” グレッグ・アラキ監督
“Draquila – L’Italia Che Trema” Sabina Guzzanti監督 
“Chantrapas” オタール・イオセリアーニ監督
“Abel” ディエゴ・ルナ監督
“Pal Adreinn(Adrienn Pal)” Agnes Kocsis監督
“Ha Ha Ha” ホン・サンス監督
“Les Amours Imaginaires(Heartbeats)” Xavier Dolan監督
“Blue Valentine” Derek Cianfrance監督
“Stones In Exile” Stephen Kijak監督
“Petit tailleur” ルイ・ガレル監督

などなど…
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by berceau-du-cinema | 2010-05-24 23:40 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭2010:写真レポート

期間中にアップできなかった写真をお届けします。

まずは監督週間部門のオープニングで行われた黄金の馬車賞の授賞式。アニエス・ヴァルダ監督は既に80才を越えていますが、いつも聡明で見ているだけで背筋がピンとしてしまいます。
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監督週間部門のオープニングを飾ったドキュメンタリー『ベンダ・ビリリ!』の舞台挨拶。壮観ですね!この後に行われたパーティでは生演奏もあったのですが、私は招待状があったのに行けず…残念。
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マチュー・アマルリック監督の"Tournée"のパーティ。仲良さそうなマチューと出演女優のMiranda Colclasureさん。DJはフランスの映画監督&批評家でもあるセルジュ・ボゾンでした。
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審査委員のベニシオ・デル・トロとマチューの談笑風景。これが賞に影響したかどうかは???
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カンヌの直前にジャン・ヴィゴ賞を射止めた監督週間部門出品のカテル・キレヴェレ監督の"Un poison violent"の舞台挨拶。監督(左側)がとても可愛らしい人でした。上映が終わって、監督も出演者もみんな涙を目にしていたのが、とても感動的でした。
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こちらは批評家週間部門で特別上映された"Rubber"の舞台挨拶。監督のクオンタン・ドュピュー(左端)はMr. Oizoとしてフランスのサブカルチャーの世界ではすごく有名で、ダフト・パンクのマネージャーでもあるペドロ・ウインター(右端)が音楽を担当。そのせいか会場にはおしゃれな若者がいっぱい!私の横には日本でもお馴染みのアンドレが座っていましたが、ペドロ・ウインターとお揃いの特製"Rubber"革ジャンを着ていました。中央には主役のタイヤが恋する美少女ロキサーヌ・メスキダが映っています。
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この批評家週間部門の閉幕を飾ったのは、キルスティン・ダンストとジェームズ・フランコの短編監督作品。カンヌの会場の端にある一番小さな上映室が、ハリウッドスターの登場で厳重警戒になっていました。まずキルスティン・ダンストの挨拶。彼女の作品"Bastard"は何とキリストの誕生を現代版にアレンジしたものでした。
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そしてジェームズ・フランコも登場。彼の作品"The Clerk's tale"は映画監督を目指す姿勢が強く感じられる作品でした。キルスティンは舞台挨拶後にすぐ帰ってしまったのですが、ジェームズは上映後も残ってファン・サービス。こんなところも監督志望らしいですね。
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監督週間部門のクロージングでは"Pieds nus sur les limaces"に出演したダイアン・クルーガーとリュディヴィーヌ・サニエが登場。彼女たちもかなりリラックスした感じで監督のファビエンヌ・ベルトーと仲良し3姉妹、という感じでした。
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そしてアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の“Loong Boonmee Raleuk Chaat(Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)”!この作品だけは公式上映で見る!と決めていました。南仏の某国際映画祭のトップもこの作品を見る&パーティに参加するためだけにカンヌに来ていました(笑)。この写真は上映後のスタンディング・オーベーション。パーティは小規模ながらも世界の映画祭スタッフと批評家たちが勢揃い。さすが世界のアピチャッポンです!(ティム・バートンは初めて彼の作品を見たそうですが…)
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ある視点部門の受賞式です。コンペとは違って緩い雰囲気の式で、芸術ディレクターのティエリー・フレモーも映画祭スタッフをおちょくったギャグを全開。審査委員長のクレール・ドニ監督とは、掛け合い漫才の域に達しており、会場内も爆笑でした。
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ある視点賞を射止めたのはホン・サンス監督の"Ha Ha Ha"。残念ながら私は未見なのですが、決して時流に媚びず、毎回同じテーマを一つの作品として見せてしまう力量はすごいですね。
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今回は授賞式を初めて会場で見ました。セレブとカンヌ市民優先の受賞式なので、かなりの末席でしたが、がんばって写真を…まずはセレモニーが始まる前、スクリーンに映し出された閉幕上映の"L'Arbre"のジュリー・ベルトゥチェリ監督とシャルロット・ゲンズブール。とてもリラックスしていますね。それにしてもベルトゥチェリ監督って本当にきれいな人だと思います。
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受賞式がスタート。司会のクリスティン・スコット・トーマスと審査委員長のティム・バートン。
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"Tournée"の監督賞授賞ではバーレスク・ダンサーも舞台に。全員、パリに戻っていたそうですが、受賞の知らせでカンヌに戻ってきました。後ろにいるのはプレゼンターのキルスティン。
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そしてアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の"Loong Boonmee Raleuk Chaat(Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)"のパルム・ドール!周りのカンヌのおばちゃんたちは「この人、誰?」状態でしたが、「私のお気に入りなの!」と説明しておきました。スピーチする監督をシャルロットが後ろから見守ってます。
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受賞式のクライマックス。真ん中でアピチャッポン・ウィーラセタクン監督とジュリエット・ビノシュが挨拶しています。
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閉幕セレモニーの後、夜中近くに始まった"L'Arbre"のパーティ。音楽を担当したミュージシャンがミニ・コンサートを開きましたが、これとても素敵でした。
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このパーティ、映画祭最後&唯一だったために、公式ディナーの後にセレブが続々登場。"L'Arbre"と”Tournée”のキャスト&スタッフはもちろん、ベニシオ・デル・トロ、主演男優賞を受賞したハビエル・バルデムとパートナーのペネロペ・クルス、キルスティン・ダンスト、グサヴィエ・ボーヴォワ監督、そして芸術ディレクターのティエリー・フレモーなどなど。残念ながらアピチャッポン・ウィーラセタクン監督は見かけませんでした。セレブたちは普段はVIPコーナーにいるのですが、たまに会場内を通って行くのですが、あまりの早業と近さに写真がとれない!ペネロペの顔が1分ぐらい10センチぐらい前にありました(笑)。シャルロットはなぜか裸足でもう娘を抱きながら会場を横切って行きました。さすが、お母さんです。

この他にもジャ・ジャンクー監督やオリヴィエ・アサヤス監督の作品の公式上映に行ったのですが、あまりに被写体が遠すぎて、写真は断念。フレデリック・ワイズマン監督は映画祭会場付近で何度か見かけたのですが、あまりの巨匠すぎて声がかけれませんでした。

そして最後に…パリに戻る電車の乗るためにカンヌの駅についたところ、なんと目の前にアピチャッポン・ウィーラセタクン監督と主演女優さんが!映画祭関係者もいなくて二人きり、昨日パルムドールを取ったばかりなのに、この待遇!すごく悩んだのですが、こんなチャンスはないと思い、がんばって声をかけて受賞のお祝いの言葉と仏教式挨拶をすることができました。とても幸せなカンヌの最後でした。
by berceau-du-cinema | 2010-05-24 07:35 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭:受賞結果発表!

カンヌ映画祭の受賞結果が発表になりました!大好きなアピチャッポン・ウィーラセタクン監督がパルマドール、そしてマチュー・アマルリックが監督賞を獲得して大満足!しかも今年は数年カンヌ映画祭に参加して初めて授賞式を会場で見ることができました!
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パルム・ドール

“Loong Boonmee Raleuk Chaat(Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)”/アピチャッポン・ウィーラセタクン監督

グランプリ

“Des Hommes Et Des Dieux(Of Gods and Men)”/グザヴィエ・ボーヴォワ監督
女優賞

ジュリエット・ビノシュ(“Copie Conforme(The Certified Copy)/アッバス・キアロスタミ監督)

男優賞

ハヴィエル・バルデム(“Biutiful”/アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)
エリオ・ジェルマーノ(“La Nostra Vita(Our Life)”/ダニエレ・ルケッティ監督)

脚本賞

"Poetry"/イ・チャンドン監督

監督賞

マチュー・アマルリック監督 /"Tournée(Tour)"

審査委員賞

"Un Homme Qui Crie(A Screaming Man)"/マハマット=サレー・ハルーン監督

カメラドール

“Año bisiesto”/Michael Rowe監督

短編部門:

パルムドール

"Chienne d'histoire(Barking Island)"/Serge Avédikian監督

審査委員賞

"Mickey Bader(Bathing Mickey)"/Frida Kempff監督
by berceau-du-cinema | 2010-05-23 20:30 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭2010:レポート2

授賞式を明日に控え、全作品の上映が終了しました。

コンペ部門ですが、イギリスの映画情報誌スクリーンによる星取り表で最も評判が高いのは、前回お伝えしたマイク・リー監督の''Another year'' 、それに続くのがグザヴィエ・ボーヴォワ監督の''Des hommes et des dieux''です。フランスのフィルム・フランセ誌では上記の2作品に加え、イニャリトゥ監督の''Bitiful''やリー・チャンドン監督のの''Poetry''、他のフランス勢もも人気が高いようですが、やはり''Another year''や''Des hommes et des dieux''に比べると、少し弱い感があります。周りで評判の高いのはSergei Loznitsa監督の''My Joy'' とアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の''Uncle Boonmee who can recall his past lives''ですが、両者とも作家性がとても強い作品です。 招待上映されたオリヴィエ・アサヤス監督の''Carlos''は、音楽に舞台背景となる70年代と80年代のニューウェーヴやパンクを使用したところがアサヤス監督らしく、なかなか作品にマッチしてストーリーのリズムを出すのに効果的でした。

ある視点で上映されたファブリス・ゴベール監督の''Simon Werner a disparu…''も音楽がソニック・ユース書き下ろしでとてもかっこよく、映像もアニエス・ゴダールの映像も美しかったのですが、作品自体にあまりオリジナリティが感じられなかったのが残念。今後に期待したいところです。またアメリカ人監督ロッジ・ケリガンがジェラルディーヌ・ペラスを迎えた作品''REBECCA H.'' は3つのパートが交錯するかなり実験的な作品。カンヌのような映画祭ではあまり見る機会のない野心的なスタイルなので観客の反応は厳しいものでしたが、ある意味で上映全作品中、最もショックを与えた作品の一本なのでは。監督部門では、ジャン=ポール・シヴェイラック監督は''Des Filles en Noir''で思春期の娘二人の絶望と罪悪感を丁寧に描きだし、閉幕上映のファビアンヌ・ベルトー監督の''Pieds nus sur les limaces''では、女性監督ならでは感性豊かな映像と美術が印象深く、ダイアン・クルーガーとリュデヴィニー・サニエというスター女優二人が感性豊かな演技を見せていました。

後半戦にサイドバー部門で上映された作品で面白かったのが、ある視点部門ではダニエル&ディエゴ・ヴェガ監督の''Octubre''がちょっとしたユーモアを散りばめたオリジナルなスタイルのハートフォーミングなドラマ。そしてエイズ問題を扱った南アフリカの監督Oliver Schmitzの''Love, Above All''は、この深刻な問題を一般大衆にも受けいられる少女の視点を通したドラマという形で描き、多くの人たちに考える場所を与える作品でした。監督週間部門ではウー・ミンジン監督の''The Tiger Factory''がとても素晴らしい作品でした。また少年刑務所を舞台にしたドイツ映画の''Picco''(Philip Koch監督)は、後半15分がまるでホラー映画のような怖さ!今年の冬にドイツでプレミア上映された際にも大きな論争を呼んだそうです。Diego Lerman監督の"La mirada invisible"の後半に出てくるシーンもそうですが、見たくないものを見せられる時の作品と観客の間にある倫理について考えさせられる作品でした。また同部門ではフレデリック・ワイズマン監督の新作を堪能できる至福の時間も。ワイズマン監督は映画祭の期間中に上映技師を確認をしている姿など何度も会場付近でお姿を拝見しました。シネアストとしての貫禄とオーラがすごく強くて、とても近づけない!批評家週間部門ではヴェトナム映画のBi, Dung So!(Phan Dang Li監督)は子供の視点の純粋さと大人の持つセクシャリティーの複雑さが混ざり合い、意表を抜くショットで驚きも与える異端的な面白さ。今後の作品が期待できそうな監督でした。

さて今年のカンヌ映画祭は全体的に作品のクオリティが低めという意見が多く出ています。特にコンペは期待度が高いだけに、それが裏切られた時の反応もかなり厳しかったようです。またカンヌのような大きな映画祭では政治的なテーマを扱った作品も多いのですが、今年はイラク戦争に関しての作品が直接的/間接的も含めて4本もありました。その他にも極右組織を巻き込んで憲兵隊が出動する騒ぎとなったアルジェリア独立戦争を扱った''Hors la loi''や、イタリア政府がボイコットしたことから逆に話題を招き、満席御礼の出た''Draquila - L'Italia che trema''(Sabina Guzzanti監督)、監督週間部門で上映された実際には行われなかった裁判を描いたドキュ・フィクション''Cleveland contre Wall Street''(ジャン=ステファン・ブロン監督)のようなラジカルな作品などがありました。またタイやイラン出身の監督には政治的な質問が記者会見で多く出ました。世界一の映画祭だからこそ、政治的スタンスやメッセージの注目度も高く、重要視されるのでしょう。

各部門の受賞作品ですが、監督週間部門批評家週間部門は既に発表されています。

ある視点部門はフランス時間で今夜発表、そして明日は公式コンペの表彰式です!
by berceau-du-cinema | 2010-05-22 18:39 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭2010:レポート1

前半線が終了したところですが、コンペで最も評判が高いのはマイク・リー監督の''Another year'' 。しかしフランス映画とある視点部門と監督週間部門の作品を中心に見ているので、北野武監督の『アウトレイジ』を含めて残念ながら未見です。

コンペではフランス映画は既に3本とも上映が終了しました。

開幕翌日に一番手で登場したマチュー・アマルリック監督の"Tournée"は、監督曰く、バーレスクの世界にジョン・カサヴェテス監督の『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』をミックスさせた作品で、フランスの地方都市を巡業するダンサーとプロモーターの物語です。タチ的、もしくはゴダール的なユーモアも感じさせつつ、アマルリックの監督としての成長が感じられました。ちなみにアマルリック演じるプロモーターのモデルはフランスに有名な映画製作ディレクターのP・B氏だとのこと。またベルトラン・タヴェルニエ監督の"La Princesse de Montpensier"はクラシックなスタイルの作品。モンパンシエ夫人の恋物語と思いきや、実は真の主役は男性!作品の導入部分も然り、そういった意味でとてもベルトラン・タヴェルニエ監督らしい作品でした。しかし一番強い印象を受けたのは、グザヴィエ・ボーヴォワ監督の”Des hommes et des dieux”。1990年代に実際に起こったアルジェリアの過激派によるシトー会修道士たちの拉致虐殺事件を描いた作品ですが、政治的混乱の最中にある土地に根付いている修道士たちの心の葛藤が、美しく静謐な映像と的確かつ押し殺した俳優たちの演技で綴られ、暴力との残酷なまでの対比をなしていました。

また『アデル』の主役で日本でもぐっと知名度があがりそうなルイーズ・ブルゴワンやメルヴィル・プポーが出演しているジル・マルシャン監督の"L'autre monde"はミッドナイト・スクリーニングで。ヴァーチャルな世界を通して死の世界に引きずり込まれそうになる若者の物語ですが、やはりある視点部門でもヴァーチャル世界を題材にしたのオランダ映画があり、現代社会の現象として監督たちの関心の引くテーマなんでしょう。

監督週間部門と批評家週間部門では3本のフランス映画を見たのですが、どれも10代の少女たちを主役にしたカミング・オブ・エイジもの。カテル・キレヴェレ監督の"Un poison violent"では少女は宗教の道に入るかどうかを悩み、ジャン=ポール・シヴェイラック監督の"Des filles en noir"は人生に絶望して死を選ぼうとし、レベッカ・ズロトウスキー監督の"Belle épine"は母親の死を乗り越えようとします。どの作品もとても丁寧に作られ、主役を演じる若手女優たち(レア・セイドゥ以外は無名)と脇を固める俳優たちもすばらしい、甲乙のつけがたい出来でした。

その他でよかったのは、ある視点部門ではCristi Puiu監督の"Aurora"、Pablo Trapero監督の"Carancho"。監督週間部門ではなんといっても『ある日、突然』のDiego Lerman監督の"La mirada invisible"が秀逸で、コンペに入っていれば主演女優賞もおかしくないほど素晴らしい女優の演技と完成度の高い脚本(サンダンスで賞を取っていますね)と演出でした。 そしてイタリア映画の"Le Quattro Volte"は(Michelangelo Frammartino監督)は映画のカテゴリーの概念を超えたとても詩的な作品。映画を見終わった後に、「ああ、いますぐもう一回見たい!」と思ったほど至福の時間が味わえました。主人公(?)の一人、子やぎは日本で人気者になれるのでは?またオープニングで上映された"Benda Bilili!"もとてもハッピーになれる作品。秋に予定されている日本の公開と来日コンサートが待ち遠しいですね。批評家週間部門ではアメリカ映画"The Myth of the American Sleepover"(David Robert Mitchell監督) がなかなか好感の持てる作品。夏休みの最後の日を舞台に様々な若者たちを追っているのですが、ちょっとゆるーい感じがインデペンデントなアメリカ映画らしい爽やかさを残していました。

またある視点部門で上映されたマノエル・デ・オリヴェイラ監督の"O Estranho caso de Angelica"とジャ・ジャンクー監督のドキュメンタリー"I wish I knew"は、どちらもさすがの素晴らしい作品で周りで見た人全てが絶賛。この2作がコンペに入っていたら…と思ってしまいました。そしてジャン=リュック・ゴダール監督は予想通り(?)のドタキャン!その理由が

既に生ゴダールはパリで5回とも体験しているのですが、それでも他の作品を見ずに1時間以上前から並んでいたので、ショック…。作品の最後は「NO COMMENT」という言葉で終わるので、一種の確信犯のように感じてしまいます…
そして「なぜこの作品が"Film Socialisme"(社会主義の映画)?」  と思ったのですが、レザンロッキュプティブル誌に掲載されたインタビューによると、「作品のタイトルはアイデアよりも先にキ決まるので(…)CommunismeでもCapitarismeでもありえた」とのこと。そうなんですか…。また映画字も本人が行っていますが、これはネイティヴ・アメリカンの使う英語。これで意味が分かるんでしょうか…まさにゴダールならではの人の振り回し方です(笑)。

さて夜な夜な繰り広げられるパーティですが、以前は少し離れた屋敷などがよく使われていたのですが、今年は海岸沿いに並んでいる会場を利用するのが多いような気がします。私はマチュー・アマルリック監督の"Tournée"のパーティに顔を出したのですが、ここはゲスト用のVIPルームがなし!監督を始め、この作品に出演しているバーレスクのダンサーたちが一般の人たちと一緒にパーティを楽しんでいました。そして夜中を過ぎたころに、審査委員の一人であるベネチオ・デル・トロ氏が登場!記念写真攻めにあっていましたが、ニコニコ顔できさくに対応していました。(写真は後日アップします!)

明日は知り合いの二人がスタッフ(撮影監督と色調整)に入っている319分の長尺作品であるオリヴィエ・アサヤス監督の"Carlos" に挑戦します!

最後に…オリヴェイラ監督とゴダール監督の新作はともに日本での配給が決まった模様です。
by berceau-du-cinema | 2010-05-18 23:00 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭2010:直前!

明日からカンヌ映画祭がスタートします。

イラクを舞台にしたケン・ローチ監督の新作”Route irish”が、昨日公式コンペに加わったこと、イタリアの文化大臣がドキュメンタリー”Draquila”が特別上映されることを受けてボイコットを表明したこと、コンペに選ばれているマチュー・アマルリックが既に次回作の撮影を終了(!)したことなど、お伝えしたいニュースがたくさんあるのですが、もう時間に余裕がありません…

また今年のカンヌはコンピューター及びネット環境の問題で、どこまでブログを更新ができるかわかりません。どうなるかはカンヌに行ってからのお楽しみに…

BON FESTIVAL!
by berceau-du-cinema | 2010-05-11 07:55 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

カンヌ映画祭2010:ニュース

カンヌ映画祭絡みのニュースをまとめて紹介します。

*マルコ・ベッロキオの映画レッスン

イタリア映画祭で来日を果たしたベロッキオ監督が、カンヌでも映画レッスンを行います。この映画祭からの招待に、ベロッキオ監督はイタリアの日刊紙コリエーレ・デラ・セーラのインタビューに、昨年コンペで上映されたにもかかわらず無冠で終わってしまった作品『勝利に!』に対する一種の"埋め合わせ"のようにとらえていると語り、今年の審査委員のメンバーに選ばれた主演女優のジョヴァンナ・メッツォジョルノを改めて賛辞を送っていました。

*監督週間出品作品がジャン・ヴィゴ賞に!

初長編作品で監督週間に選ばれたカテル・キレヴェレ監督の"Un poison violent"が、ジャン・ヴィゴ賞に選ばれました。"独立精神"と"作品の質"の高いフランス映画に与えられるジャン・ヴィゴ賞は、なぜか公開前の作品に贈られることが往々にあり、今作も5月14日にカンヌで正式上映される後は、まだフランス公開日は8月11日の予定とまだまだ先。また特別賞はやはりカンヌの招待上映で新作"Chantrapas"が上映されるオタール・イオセリアーニ監督の功績に与えられました。

*表現の自由か、歴史的事実が優先か?

公式コンペに選ばれているラシッド・ブシャール監督の"Hors la loi"に対して、フランスの右派政党UMPのリオネル・リュカ議員が抗議活動を起こしています。この作品では、ドイツ軍が降伏したのと同じ1945年5月8日に起きたセティフの虐殺の生存者である3人の兄弟が、フランスに渡りアルジェリア独立の為に闘争する物語を描いてますが、このセティフの虐殺の描写が事実に反しているという理由からです。リュカ議員は、この作品の脚本の話を聞いた昨年末より政府機関に調査を要請していました。ネット上では右翼に近いと目される"Vérité Histoire - Cannes 2010"(歴史の事実)というグループがカンヌでデモを開催して映画祭を"腐らせよう"と声をかけており、また作品の上映日である5月21日にアルジェリア戦争の被害者による式典がカンヌで開催されることが発表されています。この論争に対し、映画祭の芸術ディレクターであるティエリー・フレモー氏は「作品を外すようにという圧力は受けておらず、その予定もない」と答えており、フレデリック・ミッテラン文化大臣もまず作品を見てみることが大切だと側近に語っているそうです。
この抗議に対して、数人の映画監督や歴史家たちがこの作品の描写が歴史的事実とは違う部分があることを認めた上で、この作品はフィクションであり、コッポラ監督の『地獄の黙示録』を引き合いに出し、監督の仕事とは歴史家の仕事ではないとし、擁護をしています。確かにのロベルト・ベニーニ監督の『ライフ・イズ・ビューティフル』でも、歴史的事実との違いはそれほど非難されていなかったと記憶していますが…

*ニキータ・ミハルコフ監督、同郷の監督に嫌われる…

やはり公式コンペに「太陽に灼かれて2」が選ばれたニキータ・ミハルコフ監督に対し、「私たちは気に入らない」とタイトルのつけられた陳情書が、4月8日からネットなどで出回っています。ロシアの現政権ととても近い立場にあるニキータ・ミハルコフ監督は、12年前からロシア監督連合のトップを務めていますが、この陳情書によると、連合は全体主義的なシステムで運営されており、秘密裏で行われている会議で多くの決定がなされていると書かれています。ミハルコフ監督はこの連合以外にも多くの政府機関のメンバーになっており、ル・モンド紙の記事によると、この3月には政府から映画産業に対して与えられる援助金の80%、金額にして20億ルーブル(5100万ユーロ=60億円!)が彼の製作会社に与えられたそうです。また同監督が主導権を握っている経済・社会援助基金は「国益に一致する良質な作品」に与えられると明示されているそうです。この陳情書には、アレクサンドル・ソクーロフ、アレクセイ・ゲルマン、アレクセイ・ゲルマン・ジュニア、アンドレイ・ポポフらの映画監督から映画評論家のDaniil Dondourei、モスクワの映画美術館のディレクターであるNaoum Kleimanまで総勢100名近いの映画関係者の名前が連なっています。
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by berceau-du-cinema | 2010-05-06 18:26 | CINEMA/FESTIVAL | Comments(0)

撮影監督ウィリアム・リュプチャンスキー 逝去

フランスを代表する撮影監督の一人、ウィリアム・リュプチャンスキーが5月4日、72歳で亡くなりました。

ヌーヴェルヴァーグの監督とのコラボレーションで有名なリュプチャンスキー氏は、ジャック・リヴェット(14本)、ジャン・リュック・ゴダール(7本)を筆頭に、フランソワ・トリュフォー、アニエス・ヴァルダ、ジャック・ドワイヨン、フィリップ・ファレル、ストローブ&ユイエ、クロード・ランズマン(『ショア』)、オッター・イオセリアーニと、本当に名だたる監督たちと仕事をしてきました。

遺作はストローブ&ユイレの短編” Itinéraire de Jean Bricard ”になりました。ガレル監督の次回作も是非、担当して欲しかったのですが、とても残念です。あんなに美しいモノクロ映像を撮影できるカメラマンはもうこれから出てこないのではないでしょうか。写真は2008年のカンヌ映画祭のコンペで上映されたガレル監督の”La Frontière de l'aube”から。心からのご冥福をお祈りします。
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追記:先だって遺作を「東京国際映画祭で上映されたリヴェット監督の『小さな山のまわりで』」と書きましたが、これは情報源にしたIMDBの間違いのようで、娘のイリナ・ルプチャンスキーが担当しておりました。実際には昨年4月にフランスで公開されたストローブ&ユイレの短編” Itinéraire de Jean Bricard ”に参加したのが最後のようです。お詫び申し上げます。
by berceau-du-cinema | 2010-05-05 08:29 | CINEMA/CELEBRITE | Comments(0)