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若手女性監督が故郷で撮った少女の成長物語

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13歳で視力を失うとしたら?そんな繊細なテーマを描いたいた”Ava”は、夏を通して一人の少女が成長する物語です。

大西洋の海辺で夏のバカンスを過ごしていた13歳のアヴァは、予定よりも早く失明すると宣告される。母親は何もなかったように楽しい夏を過ごそうとするが、アヴァは自分なりの方法で問題に対峙しようとする。彼女はまずある青年から大きな黒い犬を盗んでしまう、という物語です。

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主役のアヴァを演じるノエ・アビタと青年役のフアン・カノはこれが初の映画出演。母親役は『女っ気なし』のロール・カラミーです。

国立映画学校Femisの脚本コースを修了したレア・ミシウスは、これまでに発表した短編作品がカンヌ映画祭のシネフォンダシヨンに出品されたり、クレルモン・フェラン国際短編映画祭で賞を受賞するなど高く評価をされてきました。

35mm(!)で行われた撮影は2016年8月1日から9月23日までフランス南西部のピレネー=アトランティック県、ジロンド県、ランド県を廻りました。監督自身もジロンド県ヴァンデ=モンタリヴェ出身で、短編作品もこの地方で撮っています。

フランスの公開は6月21日です。


by berceau-du-cinema | 2017-04-21 19:53 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

コルシカ島で起きた実話をベースにした”Une vie violente”

美しい島コルシカには政治的な歴史が刻まれた土地でもありますが、この島のギャングやマフィアの世界を描いた作品が”Une vie violente”です。

子供時代からの親友が殺され、自分の命が危ないにも関わらず、彼の葬式のために生まれ故郷のコルシカに戻ったステファンは、非行に走った後、政治的過激派になり、自身のコミュニティーから追放された過去を思い出すことを余儀なくされる物語です。1991年から2001年までに起こった実話がベースになっている今作では多くの出演者がアマチュア俳優で占められており、リアリズムを出しているそうです。脚本には『バードピープル』のギョーム・ベローが参加しています。撮影は2015年12月に4日間、2016年の4月から6月にかけてコルシカ島、パリ、イタリア、スイスで行われました。

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1970年生まれのティエリー・ド・ペレティ監督は演劇で有名なフロラン校で学び、舞台でデビューをしてから演出にも挑戦します。映画ではパトリス・シェロー監督の『愛する者よ、列車に乗れ』やベルトラン・ボネロの『SAINT LAURENT / サンローラン』に出演。2013年には、やはりコルシカを舞台にした初長編作品”Les Apaches”を発表、カンヌ映画祭の監督週間部門に出品されています。


by berceau-du-cinema | 2017-04-21 17:08 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

新人監督が家業のオマージュを捧げたスリラーを完成!

国立映画学校出身のユベール・シャルエルガ、フランスの乳牛飼育農家を舞台にしたスリラー”Petit Paysan”を完成させました。

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当初、”Bloody Milk”というタイトルが付けられていた今作は家業を継いで乳牛を育てている30代のピエールは獣医の姉、隠居した両親と暮らしている。フランスで伝染病が発見され、自分の牛の一頭も感染していることを知ったピエールは、全ての牛を失う覚悟ができず、助けるために力を尽くす物語です。

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主役を演じるのは『アナーキスト 愛と革命の時代』のスワン・アルロー。その他、サラ・ジロドー(『美女と野獣』)、ブーリ・ランネール(『君と歩く世界』)、イザベル・カンドリエら加え、地元の人たちや友人も出演しています。

監督の家族も代々、乳牛の飼育を営んでおり、子供の頃に狂牛病やアフタ熱で家畜を失った体験しています。監督は主人公と違って映画監督という職業を選びましたが、このトラウマを通して、家畜に愛着を抱くこの仕事にオマージュを捧げたかったそうです。撮影も生まれ故郷であるグラン・テスト地域圏にあるデ=シャントゥコック湖の近辺のシャティオン=シュル=ブルエ村で2016年初秋に行われました。監督の実家の農家も舞台に使われたそうです。



by berceau-du-cinema | 2017-04-21 15:22 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

アフガニスタンで最も有名な映画監督のドキュメンタリー

国際的には全く知られていませんが、アフガニスタンのプロデューサー&映画監督&俳優のSalim Shaheenは、この国で最も有名な映画人。その彼がカブールから100キロ近く離れた土地で110本ある自作の何本かを上映し、111本目に当たる新作の撮影をスタート。個性豊かでエキセントリック、コントロール不可能な俳優たちを引き連れたこの旅を追う”Nothingwood”は、戦下の国で30年以上にも渡ってZ級映画を作り続ける映画愛に満ちた人物を追うドキュメンタリーです。

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監督は2002年からフランスのラジオで放送されているドキュメンタリー番組”Les Pieds sur terre”の製作及び司会を務めるSonia Kronlund。偏愛する日本に関する番組も幾つかあるそうです。その他、1995年にはパリ郊外の低所得者住宅に住む 若者たちを描いたフィクション”Rai”を監督しています。


by berceau-du-cinema | 2017-04-20 23:24 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

疑念に悩む男性を描いたハートフル・コメディ

カンヌ映画祭の監督週間部門に女性監督のコメディが選ばれました。

Otez-moi d'un doute”の主人公はブルターニュ地方に住むエルワン。妻を早くに失い、一人で娘を育て上げましが、その娘の妊娠と同時に自分の父親が実の父ではないと知り、動揺をします。育ての父親に悪いと思いながらも、エルワンは極秘で実の父ジョセフを調べて会いに行き、次第に友情を育むように。その頃、偶然出会った医者のアンナに恋をするが、彼女は実の父親の娘と知り、血の繋がりがあるのではと、と新たな疑いに心を悩ませる物語です。

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出演は『タンゴ・リブレ 君を想う』『エール!』のフランソワ・ダミアン、『少年と自転車』のセシル・ド・フランス、『ル・アーヴルの靴みがき』のアンドレ・ウィルム、『あの夏の子供たち』のアリス・ドゥ・ランクザン。監督のカリーヌ・タルデューは現在44歳。これが3本目の長編作品ですが、これまでの作品はどちらかと言うと大衆的な商業作品だったので、短編作品2本がヨーロッパ映画賞のノミネートされたり、クレルモン=フェラン短編映画祭で観客賞を獲った以外は、大きな国際映画祭に出品されるのはこれが初めてになります。

撮影時の監督と俳優たち。

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by berceau-du-cinema | 2017-04-20 22:19 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

ブリュノ・デュモン監督の新作は歴史ミュージカル

『ジーザスの日々』や『ユマニテ』など重厚な作品で知られるブリュノ・デュモン監督。2014年に発表したコメディ”P'tit Quinquin”で驚きを与えましたが、次はミュージカル、しかもジャンヌ・ダルクの幼少期を描いた作品に挑戦です。

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シャルル・ペギーが1897年に発表した”Jeanne d’Arc”と1910年に発表した”Mystère de la Charité de Jeanne d’Arc”にインスピレーションを得た”Jeannette, l’enfance de Jeanne D’arc”の舞台は1425年のドンレミ。ジャンヌが神の啓示を受け、農家の娘から戦士に変わっていくまでの過程を描いていますが、デュモン監督は「信仰、神の存在の確信、侵略者に対する恐怖など現在と反響する部分がある」と語っています。ジャンヌ役の子供時代を二人、娘時代を一人が演じていますが、演技、歌、ダンスの経験があることを条件に地元でキャステングをしました。その他の役も地元のアマチュア俳優で占められています。

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『涙するまで、生きる』のギョーム・デフォンテーヌが担当した撮影はジャンヌ・ダルクの出生の地ではなく、デュモン監督が作品を取り続けるフランス北部のパ・ド・カレー地方のオパール砂丘で2016年夏に行われました。気になるミュージカル部分ですが、まず音楽はIgorrr という名前で活躍している、1984年生まれのフランス人ミュージシャン、ゴーティエ・セールが担当。彼のスタイルはブラックメタル、バロック、ブレイクコア、トリップ・ホップを融合させているそうです…

そして振り付けはフィリップ・ドゥクフレ。1989年のフランス革命200周年記念イベント、1992年のアルベール・オリンピックの開会式と閉会式の演出を担当してことで有名なドゥクフレですが、最初にサーカスを学び、マルセル・マルソーにパントマイムを師事し、マース・カニンガムのダンス・カンパニーに所属、ニュー・オーダーのPV「True Faith」、そして近年ではクレイジー・ホースの振り付けに参加するなど、多岐に渡った活動で知られています。


今作は仏独テレビ局アルテのテレビドラマとして製作されています。

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by berceau-du-cinema | 2017-04-20 15:29 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

クロード・ランズマン監督から見た北朝鮮

1958年から4回に渡って北朝鮮を訪問しているクロード・ランズマン監督が、昨年訪れた北朝鮮の現在を撮影した”Napalm”がカンヌ映画祭でワールドプレミアされることになりました。

ランズマン監督は最近行われたインタビューで「ジョージ・W・ブッシュによれば北朝鮮は悪の基軸ではない。」「(今作は)誰もが気にいる作品ではない。」と語っていたそうです。作品では朝鮮戦争まで遡っているようですが、現在の世界情勢から見ても、ランズマン監督の切り口がどのようなものなのか、非常に興味深い作品になりそうです。

ランズマン監督は現在91歳。この作品以外にも仏独テレビ局アルテで今年放送予定の”Les quatre sœurs”が待機しています。

作品に絡んだ写真が見つからないので、ランズマン監督&猫の近景を…

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by berceau-du-cinema | 2017-04-18 08:37 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

レイモン・ドゥパルドン監督が切り込む司法と精神医学の関係

報道カメラマンとしてキャリアをスタートし、その後、映画製作を並行して行なっているドキュメンタリー作家のレイモン・ドゥパルドン監督が、新作”12 jours”で精神病院に足を踏み入れました。

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タイトルの「12日」は同意なしに精神病院に入院させることが法律で許されている最長期間のことです。この期間が切れる前に、病院内にある法廷で治療の継続するか退院させるかを判事が判断をしますが、ドゥパルドン監督はこの判決と精神医学の関係をリヨン市にあるVinatier精神病院で2016年の11月から12日にかけて撮影をしています。音楽はアレキサンドル・デスプラが担当。フランスでの公開は2017年秋の予定です。

今年で75歳になるドゥパルドン監督はすでに1994年に”Délits flagrants”でパリ司法宮、2014年の”10e chambre, instants d'audience” で初審裁判所を撮影しています。


by berceau-du-cinema | 2017-04-18 08:15 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

アニエス・ヴァルダと写真家のJRがフランスを駆け巡るプロジェクト!

アニエス・ヴァルダ監督がフランス人の写真家JRと共同で新作ドキュメンタリー“Visages Villages完成させました!

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JRは世界中の建物の壁などに抑圧された人々の顔の巨大な写真を貼ったシリーズで知られていますが、2015年に初めて会った彼らは意気統合し、すぐにJRのトラック・カメラでフランスの田舎や村を周りながら、出会った人々の写真をJRが撮り、巨大なフォーマットに引き延ばしたものをヴァルダ監督が映像に収める、という作品を作るアイデアを抱きます。

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まず“AV et JR deux artistes en goguette”という作品のためにクラウドファンディングで646人の賛同者から目標の5万ユーロを上回る5万8106ユーロの資金を得た二人は、2015年7月に南仏のリュベロン地方で撮影を敢行し、26分の短編作品を作りましたが、今回はその長編版で昨年3月に撮影をスタートさせていました。フランスではカンヌ映画祭でお披露目の後、6月28日に劇場公開されます。

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アニエス・ヴァルダは監督は5月30日で89歳(そしてJRは33歳!)になりますが、映画作りだけではなく、写真展やインスターレションも定期的に発表し、海外にも出かけるほどお元気で聡明です。

JR撮ったアニエス・ヴァルダ監督のポートレイト!

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by berceau-du-cinema | 2017-04-18 07:31 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

カンヌでお披露目!有望女性新人監督の初長編作品!

2013年に国立映画学校Femisを卒業した女性監督レオノール・セライユの初長編作品”Jeune femme”が、第70回カンヌ映画祭ある視点部門に選ばれました。セライユ監督の卒業制作作品を発展させた今作は、恋人に捨てられた女性が彼を追ってパリにたどり着き、夜の街を彷徨する物語です。


主役を演じるLætitia Doschは現在35歳。アンスティチュ・フランセの第17回カイエ・デュ・シネマ週間で上映された『ソルフェリーノの戦い』の他、第25回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の開幕上映作品『サマータイム』、そして『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』に出ていますが、これからが期待される女優の一人です。


6週間をかけた撮影は昨年3月中旬に終了しましたが、2016年4月号のカイエ・デュ・シネマ誌の表紙になっていました!

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by berceau-du-cinema | 2017-04-17 08:22 | CINEMA/PROJET | Comments(0)