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カンヌのために急ピッチで完成?クリストフ・オノレ監督の新作

これまでコンペに選出された『愛のうた、パリ』(2007年)と”Plaire, aimer et courir vite ”(2018)を初め、合計で5本が上映されているカンヌ映画祭の常連監督クリストフ・オノレ。彼の長編第12作にあたる新作がある視点部門で上映されることが決定しました。


当初、”Musique de chambre(室内楽)”と付けられていたタイトルが”Chambre 212(212号室)”に変更。主人公のマリアは20年にわたる結婚生活の後、新しい恋人のために夫のリシャールと別れ、家を出る事を決意します。家の前にあるホテルの212号室を取った彼女は、住んでいたアパルトマンを眺めながら、これまでの人生を失敗を見つめ、自分の決断が正しかったかどうかを自問する物語です。場面写真を見ると、コメディーに見えるのですが…

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出演はオノレ監督のお気に入り女優であるキアラ・マストロヤンニにヴァンサン・ラコスト。キアラの元パートナーで子供の父親でもあるバンジャマン・ビオレ、キャロル・ブーケもキャストされています。撮影が行われたのは2月初旬から3月中旬まで。カンヌに間に合わせるために急ピッチで完成させた模様です。


# by berceau-du-cinema | 2019-04-22 23:29 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

パリ郊外の低所得者地域を舞台に描く警察の暴力

フランスの社会問題の1つである貧困地域における警察の暴力についての初長編作品が、カンヌ映画祭のコンペティションに選出されました。

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監督のLadj Lyはこの街の出身で、思春期から撮影カメラを手に、映画監督になることを夢見ていたそうです。ロマン・ガヴラス(コスタ・ガヴラス監督の息子)らが設立し、JRも所属していた映像集団Kourtrajméに参加し、2005年にパリ郊外で起きた暴動のドキュメンタリーを製作しています。”Les Miserables”は2017年に短編映画として製作され、クレルモン・フェラン国際短編映画祭に出品。同年のセザール賞にもノミネートされています。この短編製作時から長編化する予定になっており、同じ俳優を起用しています。


短編の画像:

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シェルブール出身のステファンはパリ郊外のモンフェルメイユ市の警察の保安部隊に配属されます。この街では複数の不良グループが対立していました。ある日、2人の同僚と職務質問を行なっている最中にトラブルが起き、その様子がドローンで撮影されていた…という物語です。


主役を演じているダミアン・ボナールはアラン・ギロディー監督の『垂直のまま』や日本で公開予定でのピエール・サルヴァドーリ監督の”En liberté!”に出演。この2作はコミカルな作品でしたが、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』にも出演。今年はアンヌ・フォンテーヌ監督やロマン・ポランスキー監督の新作にもキャストされており、今、注目の俳優の1人と言えます。またジャンヌ・バリバールが警察署長役を演じています。その他にはこの地域の住民やロマの家族も出演しています。


今作のタイトルは”Les Miserables(レ・ミゼラブル)”になっていますが、舞台のモンフェルメイユはユーゴーの小説の中でジャン・ヴァルジャンがコセットと出会った場所だそうです。この道が作品の中でも出てくるのでしょうか?


# by berceau-du-cinema | 2019-04-22 23:13 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

ロマの世界を描いてきた監督が、麻薬がはこびるメキシコへ…

ロッテルダム映画祭に出品された”La BM du Seigneur”(2011年)と、カンヌ映画祭監督週間部門で上映され、ジャン・ヴィゴ賞を獲得した”Mange tes morts”(2014年)でロマのコミュニティーを描いたジャン=シャルル・ウエ監督が、2017年にカンヌ映画祭監督週間部門で発表した短編”Tijuana Bible”を長編映画化しました。


イラク戦争で負傷したアメリカ軍の兵士ニックは、アメリカの国境に接するメキシコの街ティフアナで暮らしています。ある日、消息を絶った弟リカルドを探すアナというメキシコ人の娘に出会った彼は、彼女に惹かれ、弟探しを手伝い始めますが、やがてリカルドが街で権力を振るう麻薬カルテルと揉め事を起こしていたことが分かり、アナに街を離れるように説得しようとする物語です。


『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』に出演していたイギリスの俳優ポール・アンダーソンと、メキシコ人女優のアドリアナ・パスが出演。昨年8月から9月まで行われた撮影は、アルベルト・セラ監督の『ルイ14世の死』などで知られるジョナタン・リケブールが担当。これまでとは違った趣の作品になりそうです。

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# by berceau-du-cinema | 2019-04-17 09:26 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

アルジェリア出身の監督による戦争映画 X 政治スリラー

アルジェリア生まれで2歳にフランスに移住したラバ・アメール・ザイメッシュ監督は、独学で映画を撮り始め、家族から資金援助を得て作った処女作”Wesh wesh, qu'est-ce qui se passe ?”(2001年)で注目を浴び、権威あるルイ・デュリュック賞初獲得作品賞を受賞。次作の”Bled Number One”(2006年)はカンヌ映画祭ある視点部門、”Dernier Maquis”(2008年)は同映画祭監督週間部門に出品。”Les Chants de Mandrin ”(2012年)はロカルノ映画祭出品後にジャン・ヴィゴ賞受賞、”Histoire de Judas(2015年)はベルリン映画祭フォーラム部門出品され、エキュメニカル審査員賞を獲得しています。


そのザイメッシュ監督の新作は”Terminal Sud”。これまでは監督自身が主演もしてきましたが、今作ではフランスでは非常にポピュラーなコメディアンで、最近は映画界でも評価が高くなってきているラムジー・ベディアを主役に起用しています。舞台は1990年代にしつえ、フランスに避難した妻を離れたまま、市民戦争の混乱の中で医者としての役目に終われている主人公が、友人のジャーナリストの殺害を目撃し、自身も死の脅迫を受ける物語で、戦争映画と政治スリラーを融合した作品だそうです。


撮影は昨年9月から2ヶ月かけて南仏とアルジェリアで行われました。現場の写真は和気あいあいとしていますが、作品は緊張感漂うものとなっているはずです。

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# by berceau-du-cinema | 2019-04-17 08:25 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

注目のスペイン出身の監督が故郷に戻って新作を撮影

スペインのガリシア州出身の両親の元にパリで生まれたオリヴァー・ラックス監督は、スペインで映画を学んだ後にモロッコのタンジェに移住し、子供向けの映画アトリエを開きます。その活動を撮影したドキュメンタリー”Vous êtes tous des capitaines(君たち全員がキャプテンだ)”は2010年のカンヌ映画祭監督映画祭に出品され、FIPRESCI賞を受賞。2016年のフィクション”Mimosas, la voie de l’Atlas(ミモザ、アトラスの道)”は同映画祭批評家週間部門でグランプリを獲得しています。


彼が故郷のガリシア州で撮影した新作”Viendra le feu(火がやってくるだろう)”は、放火の罪で刑務所に入っていたアマドールの物語。出所後、ガリシア州の山奥に住む年老いた母の家に戻った彼は、自然のリズムに合わせたゆっくりとした時間を過ごしますが、ある日、この地方に大火事が起こってしまい…


フランス、スペイン、そしてリュクサンブールの合作となる今作は、2017年夏に同州の複数の村で撮影されました。ラックス監督が教鞭を取るボンペウ・ファブラ大学のドキュメンタリー製作の修士課程を取っている生徒たちが製作に参加、また主役は全2作にも出演していたShakib Ben Omarで、後はノンプロの俳優で占められています。


(不謹慎にも)美しいポスター、映像が楽しみな作品です。

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# by berceau-du-cinema | 2019-04-17 07:23 | CINEMA/PROJET | Comments(0)