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ダルデンヌ兄弟監督が対峙する、過激化するヨーロッパの若者

ベルギー映画ですが、カンヌ映画祭でこれまでに2回パルムドールを受賞しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の新作”Ahmed”について。


イスラム系の名前のついたタイトルから想像できるように、ダルデンヌ兄弟監督の長編第11作目は

コーランを過激に解釈してイスラム原理主義に陥った青年が自分の教師を殺そうとする物語です。ベルギーでも若者の過激化は問題は深刻であり、自国内だけなくフランスでもテロを起こしています。2016年からこの企画を構想していたダルデンヌ兄弟監督は、この作品でヨーロッパにおけるテロの台頭を描くことによって、人生を愛していたはずなのに死の願望に囚われてしまう世代を見せたいとしています。


2011年の『少年と自転車』以来、フランスの有名女優を起用してきましたが、今作では無名の俳優が主役に抜擢されているようです。


ヨーロッパでの公開は秋に決まっている模様ですが、その前にカンヌでお披露目になるのでしょうか。画像は今の時点でまだ出て来ていません。


# by berceau-du-cinema | 2019-03-27 08:49 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

ロベール・ゲディギャン監督の新作はマルセイユを舞台にした2世代の物語

『マルセイユの恋』や『キリマンジャロの雪』のロベール・ゲディギャン監督もカンヌ映画祭の常連監督の一人。しかし2002年にコンペに出品した以降は、アウト・オブ・コンペ、ある視点部門、特別上映の枠に入っていました。ベルリン映画祭やヴェネチア映画祭のコンペにも出品経験があります。


今冬に撮影された”Gloria Mundi”は、いつも通りマルセイユを舞台にしたドラマ。ジェラール・メイラン、ジャン=ピエール・ダルッサンなどのいつものメンバーに、最近加わったアナイス・ドゥムーススティエ、ロバンソン・ステヴナン、グレゴワール・ルプランス=ランゲが出演していることも変わりませんが、今作では公私にわたるパートナーであるアリアンヌ・アスカリッドが脇役に回っていることでしょうか?

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刑務所から出所したばかりのダニエル(メイラン)は、出産したばかりの娘のマチルド(ドゥムーススティエ)が住むマルセイユに戻ることに。マチルドはブティックの販売員見習いで、彼女の夫ニコラ(ステヴナン)は自営業のタクシー運転手をして生活費を稼いでいるが、ある晩、ニコラが他のタクシー運転手たちから暴行を受けてしまう…という物語です。

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今年のカンヌまでに完成は間に合うでしょうか?


# by berceau-du-cinema | 2019-03-26 22:38 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

ベルトラン・ボネロ監督によるゾンビ伝説

『メゾン ある娼館の記憶』『SAINT LAURENT/サンローラン』のベルトラン・ボネロ監督が、新作”Zombi Child”でゾンビ伝説にチャレンジしています。


物語は1962年にハイチで「亡くなった」はずのクレルヴィウ・ナルシスと、現代のパリの15歳のハイチ人の少女とブードゥー教の女祭祀である叔母を登場人物に、2つの時代と場所で進行します。

実在したこのクレルヴィウ・ナルシスは1980年になって突然妹の前に現れ、「毒薬を飲まされて生きたまま墓に埋められたあとで掘り起こされ、奴隷として働かされていた」と告白したことで知られています。彼に興味を抱いたハーバード大学の学者ウェイド・デイヴィスはノンフィクション小説「蛇と虹-ゾンビの謎に挑む」を1985年に発表。これを原作にアメリカのウェス・クレイヴン監督が『ゾンビ伝説』を1988年に映画化しています。


撮影は昨年12月にパリ、1月にハイチで行われました。5月のカンヌに間に合うかギリギリのところ。前作の『ノクトラマ/夜行少年たち 』はテロを扱っていることからカンヌに選ばれなかったことが話題になりましたが、この新作で復帰できるでしょうか。監督は2017年にジョージ・A・ロメロ監督の回顧特集が行われた際に、『ノクトラマ/夜行少年たち 』はロメロ監督のゾンビ映画に影響を受けており、鏡のように反対を描いている、と語っており、この”Zombi Child”も政治的な側面を持っているそうです。

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# by berceau-du-cinema | 2019-03-24 09:00 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

アブデラティフ・ケシシュ監督の3部作、2本目はカンヌに?

2013年のカンヌ映画祭で上映された『アデル、ブルーは熱い色』でパルム・ドールを獲得したアブデラティフ・ケシシュ監督2017年の”Mektoub, my love: canto uno”の続編に当たる“Mektoub, My Love: Intermezzo” がカンヌ映画祭に出品されるかに注目が集まっています。


2016年秋の撮影当時は“Mektoub is Mektoub”のタイトルがついていた今作は、 フランスの作家フランソワ・ベゴドーの小説を自由翻案。南仏の街セットを舞台に、映画の脚本家になることを夢見てパリに住む主人公のアミンが里帰りし、旧友たちと時間を過ごす中、様々な体験や出会いをする物語です。その後、監督は2部作にすることを希望し、製作会社との契約に問題が生じます。これによって2017年のカンヌ映画祭への出品が間に合わなくなり、最終的にヴェネチア映画祭でお披露目をされました。最終的に3部作になった今作、3本目の撮影はこれからの模様です。


しかし監督はアミン役のShaïn Boumedineに出会い、この物語を3本で終わらせるのではなく、アミンが45歳になるまで10本続けたいと考えるようになったそうです。バルザックの『人間喜劇』の映画版を作りたいと常に願ってきたという監督ですが、『アデル、ブルーは熱い色』の際も続編を希望していたものの出演女優たちとの確執で頓挫してしまった経緯があるだけに、その意欲も格別のものなのでしょう。


”Mektoub, my love: canto uno”のヴェネチアでの評価は芳しくありませんでしたが、フランスではプレスに絶賛されました。ここでは深く触れませんが、フランス人の好きなテーマ、描き方であるのは確かなようです。昨年秋には性的暴行で訴えられたケシシュ監督、今作でのカンヌへの登場は実現されるのでしょうか。



# by berceau-du-cinema | 2019-03-23 08:49 | CINEMA/PROJET | Comments(0)

ブリュノ・デュモン監督によるジャンヌ・ダルクの物語の続編

『ジーザスの日々』や『ユマニテ』、そして『フランドル』など、シリアスな作風で知られたブリュノ・デュモン監督が、ナンセンス・コメディに方向転換し、テレビドラマシリーズ『プティ・カンカン』をお披露目したのは、2014年のカンヌ映画祭の監督週間部門でした。その後、同じ作品の”Ma route”でコンペティションに帰り咲くことに。そして翌年にはジャンヌ・ダルクの幼少時代をヘヴィメタルのミュージカルで描いた『ジャネット、ジャンヌ。ダルクの幼少期』で更に驚きを与えました。


そのデュモン監督が続編の”Janette”の撮影を2018年夏に敢行しました。今作もシャルル・ペギーの原作を元に、1492年のオルレアン解放から捕縛、イングランド軍への身柄引き渡し、異端審問から処刑までを描いています。主役を演じるのは前作に引き続きリーズ・ルプラ・プリュドムですが、彼女はまだ10歳!監督は彼女と他の俳優たちの体格の差を逆にこの作品に「利用」しているそう。その他には、”Ma route”に登場していたファブリス・ルキーニがフランス王シャルル7世を演じます。


音楽はIgorrrからクリストフにバトンタッチし、出演もしているそうです。歌詞も少なめになり、インストゥルメンタルが主体になる模様です。アミアンのノートルダム聖堂が初めて撮影を許可したことも話題に。


この作品はカンヌのどの部門で上映されることになるでしょうか?写真は前作でのリーズ・ルプラ・プリュドム。彼女がどう成長しているかが楽しみです。

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# by berceau-du-cinema | 2019-03-22 10:02 | CINEMA/PROJET | Comments(0)